事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

宮部みゆきの最高傑作は何かPART1

2008-05-13 | 本と雑誌

Koshukunohito 「この1冊」の読者にアンケートをとった結果……。

Mail01b 読んでねー。

Mail01b_2 紹介されてるのがくやしいけど「ぼんくら

Mail01b_3 「理由」か「火車」

Mail01b_4 「堪忍箱」愛すべき小説です!

 きっとわたしは「模倣犯」や「火車」のような一種の大作の人気が圧倒するのかなあ、と思っていた。でも時代小説をあげる人も多いんだね。意外。……ごめん、ちょっとは予想していました。

 一時期、小説は『宮部みゆきとそれ以外』と形容されるほど売れまくった宮部だけれど、はたして一般的な人気はどうなんだろう。あまり信用は出来ないが、ネットで検索してみるとあるサイトでは以下のようになっている。

1.火車
2.模倣犯
3.魔術はささやく
4.龍は眠る
5.蒲生邸事件
6.レベル7
7.ステップファザー・ステップ
8.ぼんくら
9.我らが隣人の犯罪
10.孤宿の人

Gamouteijiken  やっぱりミステリは強いですね。近ごろその売れ行きの低下が嘆かれているけれど、ハードカバー→新書→文庫、と姿を変えるたびにその判型の固定客が買ってくれるミステリは作家にとってやはりおいしいジャンルではないかと思う。

 しかし彼女は次第に時代小説やファンタジーノベルにスタンスを移している。わたしはこれは自然な流れではないかと思う。スティーブン・キングのフォロワーとしてスタートした彼女の、ミステリ作家としての旬はとっくに過ぎている(おー、言い切った)。226事件にタイムスリップし、反乱軍に囲まれてしまったことで結果的に密室が形成されてしまう「蒲生邸事件」のような本格を描くことは少なくなっていくだろう。しかしその分、時代小説に「謎」をもちこむテクニックは冴えまくっている。近作「孤宿の人」では、忌避される人質である加賀殿を、まるで呪われたハンニバル・レクターのように描きながら、しかし実は……このあたり、うなるほどうまい。彼女のひとつの頂点だと思う。

 でもわたしがベストに選択したのは違う作品だ。これは、次回に。

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