事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

酒田の一番長い夜Part1

2009-02-07 | 情宣「さかた」裏版

D110959842 2003年10月10日付「情宣さかた」裏版より。

1976年10月29日、高二の映画少年だった私は、翌日の土曜日、東映映画上映館である酒田中央座で菅原文太主演、俊藤浩滋(藤純子のお父さん)企画、中島貞夫監督の「バカ政 ホラ政 トッパ政」を観る算段でいた。

当時、東北でも有数の洋画ロードショー館だったグリーンハウスでは、大島渚が久しぶりに撮った日本初のハードコア「愛のコリーダ」を上映していたが、当然成人指定だし、ずたずたのカット、ぼけぼけの画面であることは承知していたので、当時熱中していたやくざ映画の方を選択したというわけだった。

若い人は知らないだろうけれど、グリーンハウスが今も存在していたら、とはしょっちゅう夢想する。日テレ「11PM」で小森のおばちゃまが「あれはいい映画館!」と激賞してくれていたほど、味のある映画館だったのである。

回転ドア、上映開始までの時間表示、幕が開くときに流れるムーンライトセレナーデ、喫茶コーナーからただよう珈琲の香り、そしてアメリカンニューシネマをあふれるほど提供してくれた名画座シネサロン……このあたりはわたしより上の世代の方が思い入れは強いはず。

同級生だったシネマ旭の支配人の息子や、グリーンハウスの後ろ盾だった(?)初孫の重役の娘から、招待券だの株主優待券だのをかすめていたこすっからい小僧よりはるかに。歩く金券ショップかオレは。

風の強いその日、7時前に家に帰り、NHKのローカルニュースを見ると、酒田中町で火事があり、現在も延焼中であることが伝えられていた。火元はグリーンハウスだという…… 

Part2につづく。

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