事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「八つ墓村」がわからないPART2

2012-05-21 | 映画

Inugamikeimg01_2 PART1はこちら

横溝正史の原作を映像化したなかで、有名なのは77年の松竹版(野村芳太郎監督)と96年の東宝版(市川崑監督)のふたつ。他にも何度も何度もテレビドラマ化されているので、おおよそのストーリーはおなじみかと。

わたしが初めて「八つ墓村」に接したのは少年マガジンに連載された影丸譲也の劇画。

これが怖かったー。ニコニコ笑っている双子のばあさん(小竹と小梅)がなにしろ不気味。思えばこれが横溝正史初体験。つづいて例の角川書店の映画大攻勢が始まったわけ。

その1作目「犬神家の一族」(76年)が大ヒットしたので松竹もあとを追いかけたように時系列では見える。

でもこれは前にもふれたように、金田一耕助ものの代表作といえばやはり「犬神家~」よりも「八つ墓村」。角川春樹はまず松竹にこちらの映画化を持ちかけたのだ。

ところが、松竹がいつまでも動き出さないものだから(当時の映画会社は書店の若僧の売り込みを軽く見ていたわけ。今では信じられないことだけど)角川は激怒。意趣返しとばかりに東宝と組んで石坂浩二で金田一シリーズを製作して成功。

松竹がしかし「八つ墓村」でやりたかったことはどうも路線が違って、なにしろ金田一耕助が渥美清であることに象徴されるように、むしろ「砂の器」的な感動?大作に仕立てたのだ。わたしはこういう経緯から、どうも松竹はダメだなあ、石坂金田一が先行したのだから「八つ墓村」の興行は惨敗するに違いないと思っていた。

しかもテレビスポットが

「たぁたぁりぃじゃ~」

である。だっせー。

でも結果的にはこちらも大ヒットしたのだった。よくわからん。

そして96年の東宝版は、市川崑が“やり残した”横溝正史の代表作を、金田一耕助役に豊川悦司を配して敢行。鉄壁の布陣に見えたがこちらは惨敗。ほんとうに、映画興行というのはわからないものなのだった。以下次号

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
豊川悦司版を劇場で観ました。駄作では無かったです... (雨止み)
2013-09-25 17:31:24
豊川悦司版を劇場で観ました。駄作では無かったですが松竹版しか贅沢な感じでいいと思いました。
返信する
そうなんですよね。 (hori109)
2013-09-25 21:11:26
そうなんですよね。
正解なのは東宝版のはずなのに、そちらは
まったく面白くなかった不思議。
映画ってほんとうに不思議。
返信する
映画版は未見です。 (下等醜呆)
2013-10-14 06:26:58
映画版は未見です。
テレビ版(金田一は古谷一行)を少し前に見ました。
見応えありました。
荻島真一が良かった。

映画版いつかは・・・。
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これから見るんなら東宝→松竹の順にして感想を (hori109)
2013-10-14 13:11:53
これから見るんなら東宝→松竹の順にして感想を
きかせて下さい。
原作に忠実なのは東宝だし、しかし面白いのは
松竹版なのでその順番の方がきっといいと
思います(笑)
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「八つ墓~」て沖永良部島や私の郷土和歌山の極楽寺... (雨止み)
2014-08-04 09:11:57
「八つ墓~」て沖永良部島や私の郷土和歌山の極楽寺にもロケした作品だそうです。今から何十年も前で交通網も不自由だったと思うのですがパワフルな制作陣だったのですね。先日ある会で奄美大島観光大使の瀬戸内三郎さんて演歌歌手の実物に会ったら沖永良部や奄美に少し興味が起こりました(笑)。
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演歌歌手の人はよくわからないけれども(笑) (hori109)
2014-08-04 20:59:45
演歌歌手の人はよくわからないけれども(笑)
当時の松竹の本気ぶりが伝わりますよね。
にしても沖永良部島?鍾乳洞かなあ。
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キモの俳優さんでない人もビビッとくる芝居してま... (雨止み)
2014-08-15 21:33:32
キモの俳優さんでない人もビビッとくる芝居してますね。落武者殺しの首謀者を演じた橋本功さんとか…。因幡晃さんの「夕映えを待ちながら」て格好のいい曲が主題歌だった昼のTVドラマにも出てたり、顔も私に似てる様な気がするのでこの方をチェックしようと思いました(笑)。
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橋本功さんが出るだけで「ああ日本のドラマだなあ」 (hori109)
2014-08-16 15:59:25
橋本功さんが出るだけで「ああ日本のドラマだなあ」
って思いますもんね(笑)
ちょいと調べると……ああ、若くして亡くなってたんだなあ。
58才かあ……………………気をつけよう。
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私は… (不死身のマックス№88)
2019-01-30 22:16:14
こんばんは!おっかなかった〜当時小学生でしたが思い出すのは落ち武者が村人から胸を切られるところ、橋本功が自分で首を切るところ、なんといってもショーケンを小川真由美が鬼の形相で追っかけるところです。😱私が聞いてるのは元々は金田一メインでしたがショーケン萩原健一が出る!というのでショーケンメインで金田一が脇役。でも存在感はださなきゃいけないということで渥美清になったと聞きました。やっぱ当時のショーケンは凄かったんでしょうか?
返信する
凄い、の意味によります(笑) (hori)
2019-01-31 06:20:40
原作のイメージだと篠田三郎あたりだけど、
ショーケンになって“イベント映画”
になったとは言えるでしょうね。
普通の映画じゃないぞと。
実際、普通の映画じゃなかった(^o^)
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