もう十年以上前になるだろうか。山形県教職員組合の路線闘争(私は“コップの中の嵐”と呼んでいた)がまだ燃えさかっていた頃、私はその定期大会に酒田地区支部の代議員として出席していた。
議案検討もひとしきり終わったところで(反主流派=共産党系の修正案はことごとく否決されていった)、反主流の急先鋒、山形地区支部の若手から特別動議が提出された。
「サッカーくじの導入に断固反対する」提案。射幸心をあおり、青少年に多大な悪影響を与える、というわけ。まことにもってそのとおり。あらゆるギャンブルは射幸心をあおることで成立するのであり、その麻薬性は確実に青少年を堕落へいざなう。
「この提案には賛成するからな。」酒田地区の書記長から指令がとんでくる。主流派酒田は考えなしの代議員も多く(それはそれで健康?)、指令がなければどう処していいかわからない状態でもあったので(笑)。
気持ち的には、反主流派の提案を一蹴したある種の負い目から、一つぐらいは満場一致で可決して、組合として団結していることを実感したかったこともあったのだろう。そんな穏やかな帰結が予想されるなかで……
「おれ、手挙げないからね。」
と言い張る馬鹿がいる。
……私である。
「え?……まあ、いいけどさあ(笑)」一人ぐらい反対に回ろうが可決は確実だったので書記長は笑って許してくれる。もちろん、結果は絶対多数で可決されたのだが、私はほとんど「あんたら本気でサッカーくじに反対するつもりか?」とキレそうになっていた。
もちろん、サッカーくじがどれだけ愚劣な代物かはよーく理解しているつもり。
・他の省庁にはギャンブルを糧にした利権があるのに(旧運輸省の競艇、旧通産省の競輪、農水省の競馬、とかね)、自分のところには何にもないことに切歯扼腕している旧文部省が、やみくもに導入しようとしている強欲の産物であること。
・利権と同時に天下りのポスト増を狙っていることがミエミエ(事実、日本体育学校健康センターに請け負わせることでこの目的は達成された)。
・25%もの上前をはねることでJRAは悪評ふんぷんだというのに、テラ銭のほぼ50%も掠め取ろうとはたいした胴元である。
・19才未満には(このハンパな区切り方がいやらしい)販売しないといいながら、コンビニでの販売に執着したあたり、それでも教育をつかさどる官庁か。
まことに、度し難い存在である。くじも、文部省(当時)も。
だが、その命名totoが、動機は薄汚いにしろ、結果としてJリーグの理念を現実化する手段として不可欠なものであるなら、『ガッコのセンセー』らしく教育者臭をまき散らしてあっさり反対するという類のものではなかろうと思ったのだ。
そのJリーグの理念とは……
おっとサッカーに関しては結構私も語れるみたい。次葉繰越!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます