事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

日本の警察 その23 「警官の紋章」佐々木譲著 角川春樹事務所

2009-06-22 | 日本の警察

123350094557416301630 「日本の警察~アンフェア コード・ブレーキング」はこちら

北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが・・・・・・。『笑う警官』(2009年秋映画化)、『警察庁から来た男』に続く、北海道警察シリーズ第3弾!
(角川春樹事務所HPより)

シリーズが進むにつれ、西部劇的趣向がどんどん強くなっている。地味な道警の描写とクロスしてかなり読ませる。洞爺湖サミットを背景に、ある警官の特殊な行動に組織全体がゆさぶられるあたり、ゾクゾク。

それにしてもね、警察という組織は、綿密な身上調査という形でプライバシーもへったくれもないことになっている。逆に佐々木はそこを利用して、登場人物のキャラクターを好き放題に描いたわけだ。誰と誰が同期で、あいつの父親は……とかね。最後の大団円はしかしちょっとやりすぎ。そこまでうまくいかないだろう(^o^)

 読むとしたら道警シリーズは最初から読み進めた方がいいと思う。わりに地味目に登場した小島百合が、どんどんど派手な存在になっていくあたりも笑えます。佐伯と津久井コンビは、有能ではあるけれど道警の暗部をあばいた(「笑う警官」)ために組織のなかで微妙に浮いているあたりの設定もうまい。「警察庁から来た男」であれほど大活躍したのにもかかわらずねぇ。

 さて、この秋公開される映画版では、佐伯を大森南朋、小島百合に松雪泰子、津久井がなんと宮迫博之。イメージ違いまくりだけどだいじょうぶか角川春樹!(笑)

その24「悪果」につづく。

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