その139「外事警察」はこちら。
香港国家安全維持法成立以来、日本に流入する犯罪者は増加傾向にある。国際犯罪に対応すべく日本と中国の警察が協力する……
直木賞候補作にして、落選してしまった作品(笑)。読み終えてつくづく思う。こりゃあ受賞できないと。なぜなら、面白すぎるから。
設定は機龍警察に劣らず奇天烈で、他のセクションから侮られているのもいっしょだ。現代の国際関係を奇天烈な設定だからこそリアルにぶちこんである。
香港警察東京分室とは一種の侮蔑語で、癖の強い厄介者が集められているのだが、日本側も香港側も、冷静で有能な上司のもと、熱血な刑事たちが事件を通じて連携を深めていく。
ある意味、類型的ともいえるキャラクターをそろえていて、だからこそ娯楽小説として安心して読み進めることができる。まあ、この安定ぶりも直木賞向きではなかったかも。
その141「黒石」につづく。
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