PART1「変異株」はこちら。
「今回、所得制限を巡って、主たる家計支持者の年収を基準にすべきか、世帯合算を基準にすべきかも議論になった。共働きではない家庭からすれば、世帯合算ではないことへの不公平感があることは事実だろう。しかし、子育ての費用を捻出するために共働きをしている家庭も多いはずだ。子育てのためにがんばって働いているのに、世帯合算の適用で給付の対象から外されれば、子育てが「罰」のようになってしまう。」
早稲田夕季衆院議員(立憲民主党)の児童手当に関するコメント。
同様なことをおなじみの末冨芳日本大学教授も主張している。
「来年2022年秋からは世帯主の年収1200万円以上の世帯の児童手当がゼロになります。今回の高所得層バッシングは財務省とそれに近い自民党議員に児童手当削減の恰好の理由を与えることになってしまいました。」
10万円の給付をバラマキだと批判する層と、世帯合算を主張する層はかなり重なっていると予想。近年の日本は、たとえ自分が損をすることになろうとも、威勢のいい発言に喝采する傾向が強い。
子どもに選挙権はない。しかし子育て世代がきちんとした投票行動をすれば、この社会は少なからずまともになると思うのだが。
本日の1冊は深緑野分の「カミサマはそういない」(集英社)
所収の「見張り塔」という短篇がすばらしい。村上春樹がつむぐ寓話を読むようだ。
PART3「神田川」につづく。