事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「つばくろ越え」 志水辰夫著 新潮社

2011-04-23 | 本と雑誌

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つばくろ越え
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-08-22
これはもう設定が抜群。

幕末、経済の変容によって“特別の品”を請け負うことを生業とする飛脚が登場。伝達することなく、緊急に、通しで顧客の元へ(Amazonのお急ぎ便みたいなもの?)。

となればその品はゲンナマであることが多く、だとすれば高度な職業倫理と、身を守る技、そしてなによりも健脚をもっていなければならない……

もちろん大嘘の設定だとは思う。でも、職業柄わけありな飛脚たちが登場し、シミタツらしいクールな筆致もあって泣かせるエンディングまで突っ走る。

そうなの。この飛脚たちにしても、「青に候と同様に卑しい街を行く孤高の騎士、私立探偵の時代劇版なのだ。やせ我慢のしかたなど、にくい。

なにより、運ばれた品を受け取った客の“それからの人生”が、飛脚たちに影響を与えずにいられないあたり、うなった。

続編を、すぐに本屋に発注しました。Amazonじゃないけど。

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