ずいぶん前からこの作品の予告篇は劇場で流れていた。うーん、クイーンの伝記映画か。ちょっと勘弁してほしいかも、と思っていた。お手軽なそっくりさん映画になっているのではないかと。
でも(ある事情があって)予告篇には監督名があまり大きくフューチャーされていないのだった。おいおいブライアン・シンガーだったのか。俄然、絶対に見なくてはと決心。
自身がユダヤ人でゲイであることで、マイノリティのつらさ苦しさを「X-men」に仮託したあの人なら、バイセクシュアル(というかこの映画でははっきりとゲイ)で、過剰歯のために出っ歯とそしられ、ザンジバル生まれのインド人であることをひた隠しにしたフレディ・マーキュリーのことを、きちんと描いてくれるのではと。
にしても、彼がその出自やルックスにコンプレックスを抱いていたなんて知らなかったなあ。彼ほどの存在になると、そんなこと誰が気にしますか。ミック・ジャガーのクチが大きいと嗤う人っています?矢沢永吉のあの顔が、端正ではないと嫌う人がいます?
フレディ・マーキュリーはフレディ・マーキュリーであり、最初から完成された存在だと極東の中学生は考えていた。そう、「シアー・ハート・アタック」あたりから爆発的に日本でも人気が出たクイーンのことは、わたしの世代は一種の完成品として捉えていた。
「キラー・クイーン」のフィンガーティップスが何回かというネタにみんな食いついてきたように、1950年代後半から1960年代初めに生まれた日本人にとって、クイーンとはイギリスそのものとして最初から認識されていた。
驚異の高学歴バンドであり、4人全員が作曲できる強みがあるなどの付随情報はあとから知ったこと。まあ、おかげでシングル曲を誰の作品にするかでもめていた事情もこの作品で語られ、おおいに笑わせていただきましたが。
さあオープニング。20世紀FOXのファンファーレが……うわあああブライアン・メイのギターサウンドだあ。以下次号。
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