PART1はこちら。
SWのストーリーの核は、未完成の若者が老いた師に導かれ、力をつけ、思慮深くなっていく過程だ。世間知らずで直情径行だったルーク・スカイウォーカーはオビ・ワン・ケノービやヨーダに教えを請い、ハン・ソロによって世知というものを得る。
「最後のジェダイ」では、そのルークもまだまだで(笑)、ようやくある人(?)のおかげでオビ・ワンの境地に達する。まだルークのお話なのかよ、と思わせて、しかし魅力的なのはレイ(デイジー・リドリー)とカイロ・レン(アダム・ドライバー)の成長っぷり。
うちの職場にやってくる宅配便のお姉ちゃんはすごい美人なんだけど、およそ色気とは無縁の存在。あのユニフォームじゃねぇ。デイジー・リドリーは彼女にそっくりで、エピソード7では、SWの主役であるためにここまで色気を犠牲にしなければならないのか、と思うくらいマニッシュだった。ところがいろいろな迷いの果てに、次第に美しくなっていくのね。これは見る方の感情移入も関係しているわけで、要するにドラマとしても上等だということでしょう。
アダム・ドライバーは、この間の抜けた顔で敵役はだいじょうぶかと前作でしみじみ。でも「ローガン・ラッキー」の味のあるとぼけっぷりを(見る側も)経過したからか、こちらも深みのある演技に思えてくる。
ハリソン・フォードの抜けた穴を、なんとベニチオ・デル・トロで埋め、司令官役に大好きなローラ・ダーンを起用(今回の泣かせ担当はこの人)。R2-D2とチューイはあいかわらずホロリとさせるし(C-3POはあいかわらず空気が読めないw)、動物たちの自然さでCGの進化を思い知る。
ラスト近く、またしても髪型のことでキャリー・フィッシャーが笑わせてくれて、だからこそハン・ソロへの彼女の思いが伝わってグッとくる。
調子が出るまでにちょっと時間がかかった感じはあるけれど、これまた劇場で見るべき作品の典型。絶対に映画館で見て!