事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

ファウンダー その2

2017-09-14 | 洋画

その1はこちら

マクドナルド兄弟も実はフランチャイズ化を考え、すでに実行に移していた。だが、質の充実を優先する彼らは、自分たちの目の届く範囲にしか出店しなかった。しかしレイは西海岸から東海岸までの展開を画策する。

タイトルの「ファウンダー」とは創業者のこと。マクドナルドの真の創業者とはいったい誰なのか、この映画は観客に問う。

でも、おいしいハンバーガーを客に提供することを第一義に考えるマクドナルド兄弟を賞揚し、利益優先で拡大路線を選ぶレイをおとしめるだけの作品になっていないのがこの作品の妙味。もちろん、それだけだとマクドナルドからの訴訟に耐えられはしなかったろうが(笑)。

自宅を抵当に入れ、糟糠の妻(ローラ・ダーンひさしぶり)と別れ、それでもレイは突っ走り、兄弟と離反する。

「他にも同じような店はあった。でもマクドナルドという名にこだわったのは、まさしくマクドナルドという名前のためだ。Kroc’s(クロックの店)ではだめなんだ。McDonald's(マクダナァ)というおいしそうな響きがほしかったんだ」

と、確かに正解ではあるけれどもこれ以上ない侮蔑のことばを兄弟に放つレイ。マイケル・キートンはそんな傲岸で、しかし魅力的なユダヤ人を、ずり下がったズボンを上げながら(きっとレイ・クロック自身がそうしていたのだろう)みごとに演じている。バードマンといいホームカミングといい、この人は化けたなあ。

その後、日本にも進出したマクドナルドは、パートナーに藤田田(でん)というこれまた奇矯な人物を選択し、本国にまさる利益をあげていく。ユダヤ商法を看板にかかげて。

レイは“創造”はしなかったかもしれない。真の創業者がマクドナルド兄弟であることは確かだ。しかし、全世界の1%が毎日マクドナルドを食べているという現実を生み出したレイもまた、ファウンダーであることはゆるがない。二年もバイトしといてなんだけど、おれはモスバーガーのほうが好きだけどね。

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2 コメント

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Unknown (谷口)
2017-09-15 06:51:58
>二年もバイトしといてなんだけど、おれはモスバーガーのほうが好きだけどね。

同感(^^♪
あっしもメルマガからブログに転身します。
こっちの方が楽ですね。
返信する
えーと (hori)
2017-09-15 17:44:43
別に二択じゃないんですから(笑)
ブログの場合はやっぱりちょっと
薄めないといけないじゃないですか。
ディープなネタはメルマガでどうぞ。
返信する

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