2017年10月号PART3「北朝鮮のおかげ」はこちら。
「『成長』というキーワードで物事を進めたとしても、みんなが『幸福』になれる時代が、とっくに終わったことの証左ではあるまいか」
朝日新聞の経済気象台における「山猫」氏の主張。アベノミクスにうんざり、というわけだ。GDPが横ばいでも、生活満足度が下がっている(国民生活選好度調査より)ことと、企業の内部留保ばかりがふくらんで、個人にその恩恵がいっかな及ばない現状を嘆いている。トリクルダウン?いったいなんの冗談だったんだろう。
「もし(国賓の)パートナーが同性だったら、私は(出席には)反対だ。日本の伝統に合わないと思う」
自民党の竹下総務会長が、宮中晩餐会へ事実婚や同性婚のパートナーを同席させることに反対して。日本の最大与党の幹部にして、こんなレベル。まず感じたのは「恥ずかしい」だった。最低限の国際感覚があれば、およそありえない発言。どうも発想が内向きで、自分の発言が海外に発信される可能性があることを微塵も想定していないのだろう。そして、内向きとくればこの人の登場だ。
「何であんな黒いのが好きなんだ」
三原朝彦議員のセミナーに招かれた前地方創生相の山本幸三(もう、呼び捨てでいいでしょう)の発言。三原議員のアフリカ支援を揶揄して。
言い訳がすばらしい。
「アフリカを表す『黒い大陸』ということが念頭にあり、とっさに出た」
失言の連発でおなじみなので、苦しいながらも格好はつけている。でも、暗黒大陸って発想があっさりとこの人の差別意識をあらわしている。でね、きっとこの発言も山本幸三は“うけると思って言っている”のだ。笑いがとれると。こんな低劣なユーモアのセンスしか持っていないことそれ自体に絶望。日本の政治家って……。
2017年12月号PART1「差別マーケット」につづく。