事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「アメリカ通り」あるいはドキュメンタリー映画祭のこと。

2013-10-07 | 映画

A_01american_alley_04 いきなりだけど、山形といえばどんなイメージ?さくらんぼ、花笠、最上川、蔵王、おしん(笑)……でもワールドワイドでいえば、もっとも有名なのは文句なくドキュメンタリー映画祭だ。

地元にいるとわかりづらいかもしれない。でもほんとなんですよ。映画人だけじゃなく、わかっている人はみんなこの時期に山形詣でだ。ある意味、東京国際映画祭よりもメジャー。ここまでに育て上げ、営々と補助金を出し続けた山形市はえらいっ!ほんとにえらいっ!

……と、上から目線で語りながら、実は参加したことないですわたし。

「だって10月に山形に行く用事ってないんだよな」

山形国際ドキュメンタリー映画祭のプレイベントとして(と同時に庄内ドキュメンタリー映画友の会上映会として)「アメリカ通り」の鶴岡まちキネでの上映にたずさわっている同級生に話すと

「なに言ってるんだ。用事はね、つくるものなんだよ」

「はー。お前は地方公務員の鑑だよ」

American Alley「アメリカ通り」は、ソウル北方の東豆川(トンドゥチョン)市にある。市の面積のおよそ40%を米軍基地が占めていて、歓楽街が基地村としてタイトルのような呼ばれ方をしている。韓国人にとって、あまりふれられたくない部分。

かつては多くの韓国人女性が働いていたが、現在はロシアやフィリピンからの出稼ぎが増えている。経済。

この街をあるものは結婚して出て行き、あるものは逃げ出し(そして再び引きずりこまれ)、あるものはここで死んで行く。娼婦の、典型

監督の視線はとてもあたたかいが、娼婦たちのその後を告げる字幕(→事実)はとても冷厳だ。その事実がいいとか悪いとかの以前に、娼婦の日常がありのまま画面に投げ出されていてすばらしい。真の意味でのドキュメンタリーたりえている。

40年以上この街に住み、ひっそりと死んで行ったKとよばれる韓国人女性が、実は日本語が話せるという事実からも、日本人観客のひとりとして考えさせられる。

「すごいな。いつもこのレベルの作品を上映してるのか」

「次も来いよ」

「うん。」

次回上映は10月17日(木)19:00 鶴岡まちなかキネマで「ブアさんのござ」ぜひ。

コメント (2)
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