事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「アフター・アース」 After Earth (2013 SONY)

2013-06-28 | 洋画

Jadensmithafterearth1 怪作、と言っていいと思う。つまらないわけでは決してないのだけれど、どうも作り手の方が観客よりも楽しんでいる感じ。

ストーリーはこれ以上ないくらいにストレート。英雄の父。未熟な息子。傷ついた父親を救うために息子は過酷な旅に出て、その過程で成長していく。恐怖に感応する怪物を倒すために、恐怖心を押し隠し……わかりやすい。まるで神話みたい。

わたしはウィル・スミスは嫌いじゃない。でも、分別のありそうな役の彼はちょっと苦手なので、本来ならスルーするところ。しかし監督がM・ナイト・シャマランだと気づいてつきあうことにする(上から目線)。いったいあのウィル・スミスとあのシャマランを組ませようと考えたのは誰なんだろう。ちょっとびっくりな組み合わせ。

シャマランの映画の特徴は、よく言えばはったりが効いていることで、悪く言えば虚仮おどしだ。「シックス・センス」「アンブレイカブル」「ヴィレッジ」など、オチがわかってしまえばなーんだという映画。で、わたしはそんな作品が大好きなので(笑)、いつもつきあってはいるんです(「エアベンダー」はのぞく。あれはいくらなんでも……)。しかし今回はそんな一発オチはもちろんなく、親子の情愛に力点はある。

で、別にSF大作にしなくてもよさそうなものだけれど、客を呼ぶためには仕方ないか。それに、マーケットとしての日本をよほど意識しているのか、息子の名前はキタイ(ウィルの息子のジェイデン・スミス)、娘はセンシ。キタイの使う武器は変幻自在でまるで如意棒

未来の地球は日本の山林そのもので、杉が主体なのでマジで日本でロケしたのかと思ったぐらい(ひょっとしたら設定は本当に日本なのかも)。アメリカでは興行が不調なのに日本でヒットしているのも理解できます。

ただねえ、大きな鳥のくだりなど、もう少しドラマに有機的にからませられたと思うのに(いちおう鳥の恩返しなんだし)、単なるエピソードに終わっている。大スターであるウィル・スミスにとって、息子といっしょにすごす時間が確保できたのはめでたいが、観客のことももう少し考えてほしいのでありました。

コメント (2)
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