事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「検事の本懐」 柚月裕子著 宝島社

2013-06-26 | ミステリ

51atjyaaol_ss400_ うわあ「臨床真理」に否定的だったわたしもノックアウトをくらった。すごくうまくなっている。地元作家云々を超えてどんどんこの人の作品を読んでいこう。決めつけるのはよくないが、震災によってご両親を亡くされた苦みが、この作家の作品を深いものにしているのは確かだろうし。

初期の横山秀夫そのまんまとすら言える「樹を見る」、みごとな人情噺「罪を押す」、幼馴染みのために一肌脱ぐ理由が泣かせる「恩を返す」、特捜の尊大さを描く「拳を握る」、そして汚名を着たままでいる主人公の父が守る秘密を描く「本懐を知る」……いずれもみごとな作品でした。

もうひとひねりすると臭みが残るところを踏みとどまっているというか。絶賛するのは、主人公の名がサカタ(佐方)だからだけではありませんよー。

検事の本懐 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 検事の本懐 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
価格:¥ 690(税込)
発売日:2012-11-06
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