事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2013年2月児童手当号~親の住む国、子どもの住む国

2013-02-07 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Lifeofpiimg02 2012年10月児童手当号「児童手当はいつ出るのか」はこちら

旧児童手当~子ども手当~新児童手当と移り変わるなかで、実はけっこう中味は変わっています。それは金額とか対象児童だけのことではありません。

たとえば、いまはこうなっています。

・子どもが海外に住んでいる場合は支給されない

実は前までは支給されていたんです。難民と自国民の差別を禁ずる条約に日本が加入するにあたり、支給要件から国籍条項が撤廃され、その一環で子どもが海外にいても受給できるルールで30年間やってきました。

ところが、子ども手当憎しの風潮もあって「外国で養子縁組をしている子どもが50人もいたらどうするんだ」といちゃもんをつけられた結果、こんなことに。

この部分が大きく報道された影響もあるのでしょう、実際に尼崎市で「妻の母国に養子が554人いる」と申請された事例があり、いくらなんでもそりゃあと却下されています。

くわえて

・子どもが海外にいるのが、留学目的の場合は支給されることもある

というルールも存在します。どうしてこんな例外がもうけられたか、簡単に想像できます。要するに、あらゆる形の批判をかわしたいと厚生労働省が役人なりに必死に考えた結果なのでしょう。

近年、きわめて政治的なマターだったことで、いびつな形になってしまった典型といえるでしょうか。ということで、子どもが日本に住んでいる本日のあなたの支給額は0,000円です。

画像は「ライフ・オブ・パイ 虎と漂流した227日間」。インドからカナダへ移住する一家の乗る船が難破。生き残ったのは虎と少年だけだった……虎が大きなネコであり、ネコが小さな虎であることが実感できる。ネコ好き必見!号泣必至

2013年6月児童手当号~「年に一度のおつとめを」につづく

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