事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言2012年9月号~カナリア

2012-10-01 | 国際・政治

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YouTube: 王菲Faye Wong - 紅豆Red Bean (MTV)

2012年8月号~「経済的動物」はこちら

9月28日付の朝日新聞は壮観だった。あの村上春樹とあの橋本治が長文の寄稿を行っていたのである。

「それは安酒の酔いに似ている。安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。人々の声は大きくなり、その行動は粗暴になる。論理は単純化され、自己反復的になる。しかし賑やかに騒いだあと、夜が明けてみれば、あとに残るのはいやな頭痛だけだ」
(村上春樹)

「『実行力のある強いリーダー』というのが求められているが、上に立ったリーダーが、『私は力がある。私を支持しろ』ということを訴える時代は、たとえその訴えが丁寧であったにしても、もう終わりつつある」
橋本治「『みんな』の時代」

文学者は炭坑のカナリアだと喝破したのはカート・ヴォネガットだったか。危機に誰よりも先に気づき、警告を発するカナリア。同じ日の、同じ新聞にこのふたりの寄稿が載るのは、朝日の戦略もあっただろうが意義深い。遠く離れた他県の土地を購入しようとして、こんな騒ぎの発端となったカナリアもいたわけだが……

「あなたは難しい」

黒澤明が「乱」の主役にと要請したが、高倉健が断ったためにつぶやいた言葉。「あなたへ」の公開を機に、健さんブームがまきおこっている。みんな言わないが、遺作になるのではないかと誰しもが考えているはず。あまりにはまった役柄なので、わたしは(意外なことにわたしの妻も)見ようという気にはならないのだが。
「乱」における老残をさらす役を、彼はやはりやるべきだったと思う。「二百三高地」の、乃木希典役もやるべきだったのだ。ひょっとしたら、それでいまの健さんは成り立たないのかも知れない。でも……

本日の一曲は、ネトウヨにケンカを売る意味でフェイ・ウォンの「アカシアの実」

2012年10月号~「生えました」につづく

コメント
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