事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「バトルシップ」 Battleship (2012 ユニバーサル)

2012-04-20 | 洋画

Battleshipimg02 ガチガチの軍人がやる気のない若僧にひとこと。

「お前みたいな奴ばかりになったらどうなるんだ」

「もっと住みいい世の中になると思うよ」

これ、「バトルシップ」のセリフじゃなくて、ジャック・スマイトの「世界が燃えつきる日」のやりとり。ジョージ・ペパードとジャン=マイケル・ビンセント。和田誠の名著「お楽しみはこれからだ!」に載っています。和田さんは「まったくだ」と笑わせてくれました。

同じことを今回も痛感。軍人として自堕落な生活を送る弟をなんとかしたい兄が「生活を変えろ!」と迫るのはわかります。

でもね、バーで見かけたいかす姉ちゃんをナンパするためにチキン・ブリトーを不法侵入までしてゲットするバカな弟の行為は愛敬でも、兄の意見を受けいれ、クルーカットになって海軍で出世してから後先考えずに特攻するのでは意味が違う。いったいどこが有能なのにその能力を活かしていないのか最後までわからない(笑)。

そうなの。馬鹿さ加減の調節がうまくいってなくて、あのとんでもない作戦がどうして生まれたのか納得できないのよね。

地球侵略ものでなにがむずかしいかというと、エイリアンの圧倒的な行動すべてを描くことができないので、どうしても局地戦にもっていかなければならないあたり。

「ロサンゼルス決戦」はストレートな軍事行動にしたし、「スカイライン」はマンションのなかのかくれんぼに矮小化された。「アルマゲドン」だって結局は穴掘りの成否だったじゃないですか。今回もエイリアンの都合でバリアーを張るという強引な……

浅野忠信が出ていなければおそらく観なかったであろう作品。逆にいえばユニバーサルの戦略が(少なくとも日本には)奏効したってことかな。これほど大きな役で、しかも謎の東洋人あつかいじゃなかったのは「ラストサムライ」以来かも。

でも、主演のテイラー・キッチュとは演技の質が違いすぎる。先日DVDで「アカルイミライ」を観たばかりなので、浅野がいつ本性をむき出しにするかハラハラ(笑)。

にしてもねえ、これが創立100周年記念作でいいのかユニバーサル。いいか、どことなくB級感ただようのがこの会社の伝統だし。「ジョーズ」「E.T.」にちらっとふれているあたりは歴史。でも監督ピーター・バーグにはもっと期待していたのに。「キングダム」はフロック?

いやはやそれにしても、エイリアン側の戦艦は燃費悪そうだったなー。

Battleshipimg03_2

コメント (4)
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