事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ヒューゴの不思議な発明」 HUGO (2011 パラマウント)

2012-04-01 | 洋画

Hugoimg01 この作品は絶対に3Dで観るぞ、と決めていた。現時点で最高の3D映像であるとみんなが認めているみたいだし。

ところが三川イオンシネマは、1サイトしか3D上映する施設がないからなのか、そっちはスターウォーズに明け渡しているので上映は2Dだけ。こりゃ、山形か東根に行ったときに観るべきかな。でもしばらくそっちに行く用事ないしなー。

2Dでも何でも見逃さなくてよかった。とても、とてもとても幸せな気持ちになれる作品だったので。文句なく傑作。

思えばマーティン・スコセッシの近ごろの作品は、特にレオナルド・ディカプリオと組んだ作品はいまひとつ。そんな彼が、3Dに挑むってのがよくわからなかった。「タクシードライバー」の切れ味や「ラストワルツ」の叙情はどこへ……

そんな不安があったのに、1930年代のパリを、これでもかと微細に描いたオープニングからして気合いが入っている。こりゃ、ものが違うかも。

モデルになった人物が、パリの駅で不遇をかこっていたのは事実らしい。演ずるベン・キングズレーと、彼の妻を演じたヘレン・マックロリーが渋い。

彼らの継子は「キック・アス」のヒットウーマンだったクロエ・グレース・モレッツ。どんどん背が伸びていて、主人公のヒューゴよりも少しだけ背が高いことがストーリーに活かされています。まさかディケンズ好きの文学少女として登場とはね。そして、少年ヒューゴを演じたエイサ・バターフィールドが怖いぐらいの純粋さを。

「世界がひとつの大きな機械なら、よけいな部品はひとつもないはず」

説教くさくなる寸前で泣けるセリフになるのは(脚本のジョン・ローガンは要注目)、登場人物たちの誰もに「自分は世界に必要とされていない」という諦念があるから。損なわれている機械をフィックスせずにはおれないヒューゴの宣言としてすばらしい。

スコセッシ演出は絶好調。2Dだったのは残念だけど、画面ではほとんど常に、

・なにかが回転しているか

・なにかが蒸気を発しているか

サシャ・バロン・コーエンが変な演技をしています(笑)

「ハッピーエンドは映画にしか存在しない」

という某キャラの発言が真実だとしても、そんなハッピーエンドを心に刻むメディアとして映画は20世紀に確立されたのだ。映画ファンでよかったー。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする