第8報はこちら。
字義通り未曾有の天災。
こんなとき、世論がどうふれるかは誰にもわからない。おそらくは政府や広告代理店は綿密なシミュレーションをしていただろうけれども、それを実証する機会もなかったわけだし。
セ・リーグの開幕をめぐるゴタゴタにしても、まさかここまでバッシングされるとは予想もしなかったのだろう。
保険業界の人間と少し話した。
「損保はたいへんじゃないか」
「うん。会社の格付けも下がるしな。でも、生保よりはマシだ」
「そうか?でも天災の場合は免責されるんじゃなかったっけ」
「本来はね。でも、被災者に向かって『免責だから払えません』なんて言ったら……」
「そうか、その会社つぶれちゃうか」
「違うよ。生保って業界がつぶれちゃうんだ」
……なるほど。
第10報につづく。