あの週刊文春で、ひたすら笑わせてくれる連載エッセイの単行本化。結婚10年にして初めて子どもができた宮藤官九郎の右往左往。
子育て論なるものがわたしは大嫌いで(だからこんな父親になってしまったのだが)、ましてや愛娘を溺愛する父親の「かわいいだろウチの子は!」なんて子育てブログ的な(笑)ものに鼻白むに違いない……いやー面白かった。文章の裏から、クドカンの「あー、子育てって楽しいけどなんかめんどくせー」という本音が(同時に絶叫が)聞こえてくるようでもあるし。
態度が部長級でルックスがエルトン・ジョンという泣かせる娘、かんぱちゃん(仮名)を誰もが好きにならずにいられない一冊。変な子育て論よりはるかに有益か。
お風呂当番に当惑し、突発性発疹にオロオロ、って誰もがおぼえのあるあの当惑がなつかしく、たまに歴然と子育てまちがってるぞクドカン、って部分もあって実にいいっす。