事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「俺だって子供だ!」 宮藤官九郎著 文藝春秋

2010-05-08 | 本と雑誌

9784163706009 あの週刊文春で、ひたすら笑わせてくれる連載エッセイの単行本化。結婚10年にして初めて子どもができた宮藤官九郎の右往左往。

子育て論なるものがわたしは大嫌いで(だからこんな父親になってしまったのだが)、ましてや愛娘を溺愛する父親の「かわいいだろウチの子は!」なんて子育てブログ的な(笑)ものに鼻白むに違いない……いやー面白かった。文章の裏から、クドカンの「あー、子育てって楽しいけどなんかめんどくせー」という本音が(同時に絶叫が)聞こえてくるようでもあるし。

態度が部長級でルックスがエルトン・ジョンという泣かせる娘、かんぱちゃん(仮名)を誰もが好きにならずにいられない一冊。変な子育て論よりはるかに有益か。

お風呂当番に当惑し、突発性発疹にオロオロ、って誰もがおぼえのあるあの当惑がなつかしく、たまに歴然と子育てまちがってるぞクドカン、って部分もあって実にいいっす。

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今月の名言 2010年4月号~記憶せよ、抗議せよ、生き延びよ

2010-05-08 | ニュース

Kokugogannenp 2010年3月号「朝弱い人」はこちら

 あ、このシリーズを忘れてた。GWぼけ。しかも大切な人の訃報があったのに。

「記憶せよ、抗議せよ、そして生き延びよ」

井上ひさしが常に意識していたこと。郷土の誇りである井上(よけいな話だけれど渡部昇一はその真逆の存在)から教わったことは多い。そのなかでもっとも大きかったのは

・民主主義とはめんどうなものである

これかな。わかりやすい、耳障りのいい言葉に流されることの危険性を、言葉の魔術師であるからこそ知っていたのだと思う。

小説家としてももちろん大家だが、やはり劇作家として歴史に残る。こまつ座の「國語元年」を、ライブ嫌いのわたしなのに、演劇鑑賞会に入っていたので観ることができたのは財産になっている。

「与党には親などが帰化した党首、幹部は多い。先祖への義理立てか知らないが、日本の運命を左右する法律を作ろうとしている」

 もう、なにも言うまい。日本の首都に、こんな発言をかますトップがいることの不幸を思う。そして、そんな石原慎太郎が“応援団長”になっているのが「たちあがれ日本」The Sunrise Party of Japanなのである。そんな太陽ならのぼらんでいい。

 外国人の地方参政権については、(特にネット上で)ひたすらに感情的なやり取りがなされているあたりがどうにもあやしい。なにか、ウヨたちの根幹をゆるがす問題だったのだろう。被選挙権ではなく、選挙権レベルの話だというのに。

2010年5月号「翔んだカップル中年バージョン」につづく

コメント (5)
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