事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

誰が「プロ野球」を殺したのか! 永谷脩著 祥伝社

2010-05-29 | スポーツ

5125d1s03el こんなタイトルになっているけれど、犯人は渡邉恒雄だと名指ししているのといっしょ。なにしろ彼の発言だけはことごとく太ゴシック体になってますもの(笑)。

たとえばこんな調子。

(オリックスの宮内オーナーのことを)
「金貸し企業の分際で何を偉そうなことを言うのか」

(パ・リーグの理事会が結論を先送りにしたことに関して)
「そりゃそうだろう。あの程度の連中に決められるわけはないよ。」

(ライブドアが参入に名乗りをあげたことに)
「私の知らないような会社に入ってこられるのは困る。」

なるほど読売は有名だもんな。いろんな意味で。

1リーグ制を画策した6年前の巨人中心の動きが、はたしてどんな理由で頓挫したのかが冷静に描いてあって納得。巨人、西武、オリックス、ロッテ……なるほどー。

そしてそれ以上に楽しかったのが、球団別にその歴史がまとめてある部分だ。確かに巨人中心にNPBは動いているが、いつまでもそれでは破綻するのが目に見えていることを、歴史自体が語っている。

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刑事コロンボを全部観る~Vol.22「第三の終章」

2010-05-29 | テレビ番組

Mickeyspillane Vol.21「意識の下の映像」はこちら

 今回の犯人は出版エージェント。だから原題はおしゃれにPublish or Perish(出版か死か)。なんと被害者役でミッキー・スピレーンが特別出演している……らしい。スピレーンの顔を知らないのでよくわかんなかったんですけど。おまけに「ノーマン・メイラーも(パーティに)呼んでたんだが。」なんてセリフも。

さて、ドル箱作家に売れ線の作品を書かせていたエージェントだったが、作家は「自分の書きたいものを書く」と契約の更新を拒否する。いま執筆中の新作と、作家にかけた高額の保険金を目当てにエージェントはベトナム帰りの爆弾マニアに殺人を依頼する……

エージェントを演じるのはジャック・キャシディ。「構想の死角」でも憎々しい作家を演じていたが、こういう知的で邪悪な役はぴったり。

委託殺人のメリットは

・完全なアリバイを用意できる

・“汚れ仕事”は実行犯がやってくれるので、呵責をあまり感じなくてすむ。

もちろんデメリットも。

・実行犯に弱みを握られてしまう

……これにつきる。この弱点をエージェントは、実行犯の手口である爆弾を使って殺すことで解決。おまけに最初の殺人のとき(鉄壁のアリバイがあるために)、わざと自分を疑わせる証拠すら現場に残させるのだ。ほぼ完全犯罪といえる。

 破綻したのはもちろんコロンボの罠のためだが、エージェントにつきまとうコロンボに、弁護士は苦言を呈する。

「早急に結論を出すことをやめ、目先の容疑者にしがみつかんことだ」

弁護士は目先の容疑者をエージェントだと想定しているわけだが、もちろんコロンボは爆弾マニアの方を目先(フェイク)だと考え、真犯人にたどりつく。ミステリとして、かなり見せるエピソードだった。

Vol.23「愛情の計算」につづく

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