hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

伊岡瞬『残像』を読む

2023年12月27日 | 読書2

 

伊岡瞬著『残像』(角川文庫い64-7、2023年9月25日KADOKAWA発行)を読んだ。

 

角川の宣伝

累計50万部突破『代償』の著者渾身。角川文庫75周年記念、文庫書き下ろし!

浪人生の堀部一平は、バイト先で倒れた葛城に付き添い、自宅アパートを訪れた。
そこでは、晴子、夏樹、多恵という年代もバラバラな女性3人と小学生の冬馬が、共同生活を送っていた。
他人同士の生活を奇妙に感じた一平は冬馬から、女性3人ともに前科があると聞く。
一方、政治家の息子・吉井恭一は、執拗に送られてくる、過去を断罪する写真に苦悩していた。
身を寄せ合う晴子たちの目的、そして水面下で蠢く企ての行方は――。

暗い過去への復讐を描いた、心震わす衝撃のサスペンスミステリ!


「信頼、裏切り、後悔、敬愛、憎悪、憧れ、友情、希望。
 そんなあれこれをぎっしり詰め込みました」
 ――伊岡瞬

 

堀部一平安兵衛。浪人生だが、ホームセンター「ルソラル」でアルバイト。19歳。

 

蘖(ひこばえ):6室のボロアパートに以下5人が住む。蘖とは木の切り株や根元から生えて来た新芽。

葛城直之:ナオさん。「ルソラル」で一平より新顔だが67歳。胃痙攣の持病がある。元弁護士。

衣田晴子:ラテンぽいが純和風顔の女性、40過ぎ? 元結婚詐欺。

天野夏樹:美貌でクール。30歳?

香山多恵:おびえた様子の20歳

冬馬:とうま。小学5年生

 

吉井恭一:政界の実力者・吉井正隆の息子。大手デベロッパーの子会社勤務。

須賀圭一:探偵事務所所長。吉井正隆の仕事を受ける。元警察官。部下は石川。

 

本書は書下ろし。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

伊岡作品にしては素直で、軽く楽しく読める。

 

人が良すぎる浪人生が、謎の女性犯罪者集団と付き合い、そのまま巻き込まれ、引きずられていく。徐々に明らかになる彼女たちの過去、たくらみの穴、罠。あやしげな雰囲気、少しずつの展開についつい読み進めてしまう。

 

各人物像は魅力あり、やりとりも楽しめる。あまりに残虐な過去の犯罪は詳細には語られないので読んでいて救われる。ただし、ストーリーの全体の流れは、普通に考えるとおりで物足りない。

 

 

伊岡瞬の略歴と既読本リスト 

 

コメント
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