hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

「動物画の奇才・薮内正幸の世界展」を見る

2009年05月03日 | 美術
4月4日から5月24日まで武蔵野市立吉祥寺美術館で開催されている「動物画の奇才・薮内正幸の世界展」を見た。

65歳以上は無料なので、得した。といっても、料金は100円なのだが。



動物の毛並みの滑らかさ、しなやかな肢体。そして、可愛らしい顔や身体つきに感心する。動物の毛を一本一本書く細密な描写、動物の骨格標本の勉強の成果と、子供向け絵本の挿絵を多く書いた経験がさせているのだろう。鳥や小動物が本当に好きでたまらないという感じがあふれている。

絵本や雑誌などの表紙、広告などとならんで原画が並んでいるが、やはり原画の迫力は一段とすごい。毛並みが立っているし、動き出しそうだ。

ここまで細密、緻密だと、写真と比較されるが、ユーモラスでやさしい姿、特徴的しぐさなど絵画でないと表現できない点もあると実感できた。
しかし、この人は経歴や、表現の場を選ばない点からも、芸術家というより職人だ。私のように、動物園の説明版など気がつかないところでこの人の絵に出会っている人が多いのだろう。世の中へのインパクトは小さくとも、広い範囲に影響を与えた点で功績は大きいと思う。

出版社への封筒の裏に書かれたダジャレ付絵(裏ヤブ作品)はお見逃しなく。



薮内正幸(1940年-2000年)は、動物画家で、動物絵本、絵本や事典の挿絵、動物園の案内板・パネル、切手、広告などあらゆるメディアで正確無比の動物の絵を描いた。
子どもの頃から動物が好きで、独学で動物の画を描き、高校卒業後、大阪から上京し、図鑑画を描くため福音館書店に入社。正規な美術教育は受けず、国立科学博物館に通い、今泉博士の指導の下で動物の骨格標本や剥製をスケッチしたという。
60歳でなくなるまでの15年間を吉祥寺で仕事した。
甲斐駒ケ岳山ろくに動物画専門の「薮内正幸美術館」がある。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする