ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~坊主なんて…、嫌い~

2013-06-11 | 散華の如く~天下出世の蝶~
ヤスケは喜んだ。
同じだと言って、
故郷での踊りを、
“ガラスァ、ガラスァ”
披露してくれた。
何と不思議な事か、
「日ノ本にもある、似た舞いがある…」
遠いはずの国がこんなにも近い。
異国の神が身近で、嬉しかった。
日ノ本の信仰と黒の神の信仰が、
グッと固く結ばれた瞬間だった。
かつて聖徳太子も味わったであろう神仏習合を、
私はここに見た。日ノ本古来の神と仏陀の融合。
バラバラとなってしまった神々が一つになれば、
「戦が…なくなる」
私は黒の神を仲立ちに、黒の神と言葉を覚えた。
異国の神に祈りを捧げ、私は切に平安を願った。
黒の神を信じていれば、…そう思っていた矢先、
私愚か、大きな間違いであったと気付かされた。
私一人が信じていても、意味がないと分かった。
“パードレがッ”
御仏に仕える者が、
黒を突き飛ばした。
ドンッ
私の目の前で倒れる神像。
地に膝を付き倒れた信仰。
許せない…あの坊主が、
私の信心を突き飛ばし、
私と殿の新しい信仰を、
殿の思いを踏み躙った。