ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~ガラスァ、ガラスァ~

2013-06-10 | 散華の如く~天下出世の蝶~
ヤスケ…
あの日以来、黒は、
私に顔を見せない。
あの事件が起きなければ、
あんな事にならなければ、
あのまま…
私に異国の言葉を教え続けてであろう。
ある日、
「雨が降ってきたな…」というと、
黒は、黒い翼のように両腕を広げ、
降り注ぐ雨水を大きな掌で受けた。
すると不思議、黒が神像に見えた。
“ガラスァ、ガラスァ”
黒から発せられる言葉が神秘、
その言葉が神聖となって響く。
掌に受けた雨水を顔に近づけ、
つつつと、その目から流した。
「涙…」
彼はアフリカ生まれ、雨は恵み。
神の御慈悲、天の恩寵だという。
「美しい響き…」
私は身近な雨よりも仏よりも黒が神。
新しい神が私に元にお越し下さった、
そんな錯覚を、黒から、受けていた。
「がらしぁ…日ノ本にあるぞ、雨乞い」
“ア マ ゴ イ?”
「神をお祀りし、泣いて頂く」
神の心を、ふるふる振るわせ、
天から、感動の涙を頂戴仕る。
“オマツリ”