ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~嫁は強うなけんにゃぁ~

2013-06-02 | 散華の如く~天下出世の蝶~
藤吉郎「日暮れには伊那。明日には着きましょう」
うきき、道拓きをする猿。
起用したのは、殿である。
特別腕利きという訳では、
ない。しかし、役に立つ。
帰蝶「藤吉郎殿…」
手綱を引く猿に呼びかけ、
藤吉郎「はッ」
帰蝶「殿がそなたを褒めておった…よう気が回ると、」
ちゃッちゃッと身支度を整え、
私の愛馬までこう準備も万端、
藤吉郎「はッ、お褒めに預かり光…」
くい、猿を手招き傍に寄せて、
帰蝶「さてはそなた、我らの痴話喧嘩、聞き耳立てておったな?」
藤吉郎「いえいえ(ぶんぶん)、滅相もございませんッッ」
慌てふためいて、弁解に弁解重ね、
まぁ嘘と演技の下手な男だこと…。
帰蝶「まぁ良い。そなた、嫁が欲しいと?」
猿この時、私の二つ下の二十三か。
農民、草履取から馬印に出世して、
そろそろ身を固めたいと願うのは、至極自然。
殿も猿の働きを高く評価し、期待もしている。
私も生涯、織田家に勤めてもらいたいと願う。
何とかしてやりたいが、猿の嫁は苦労しよう。
藤吉郎「やっぱ、嫁は強うなけんにゃぁ~」
まぁペッラペラと、こんお調子もんがッ。
痴話喧嘩を再現し、侍女らの笑いを取る。
帰蝶「女の味方…妻の敵じゃ」ちなみに、
この後、殿の仲人で猿と寧々は夫婦となる。どこの夫婦を参考にしたか?
家臣が冷や冷やするほど、尾張弁で痴話喧嘩する夫婦であったらしい…。