ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~めめめめ滅相もございませんッ~

2013-06-03 | 散華の如く~天下出世の蝶~
藤吉郎「今、何か申されましたか?」
福耳の後ろに手を当てて、
「は?」
地獄耳が聞こえぬフリか?
帰蝶「いや、良い耳じゃなと」にっこり笑う。
藤吉郎「こん耳は金を貯めまする。金、金、世の中、金にございまするぅ」
これは殿の受け売りだが、
これからの時代、金だ。金が、この世を動かす
猿が口を開くと何か違う。
うききき、き~んと金が、
空しい、軽うなって響く。
帰蝶「うむ…」
眉根をムと寄せて、
これは猿の人格か?
はたまた、人柄か?
難問を熟考。しかし、
難しく考え過ぎると、
過ち誤解が生じ易い。
藤吉郎「いやぁ、めんこか嫁でぁりゃ~なん文句にゃ~」
勘違いも甚だしい。
めんこいから嫁に適するか?
嫁はめんこい方が適するか?
黙って付き従う?夫唱婦随?
夫の間違いを正せぬ妻は、
正妻、真の妻では、無い。
物申さぬめんこい妻が良いなら、
可愛らしいお人形を抱えておれ。
帰蝶「何でも言い合える番でなければ、鴛鴦になれぬ」
藤吉郎「はッ、然様にございます。奥方様らのよう…」
帰蝶「ならば、この私を妻にしてみるか?」