日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「若葉の音」1首

2020年04月11日 | 日記
 坂を上っていくと、道端の木々の若葉が風に揺れ、水分の多い柔らかい葉音をたてていました。若葉の音がこんなに柔らかいことに、今日はじめて気がつきました。
 みずみずしい気持ちを楽しみながら、歩きつづけて、いつものベンチに腰かけ、風に吹かれていると、もうすぐ散り終わりそうな桜から、ひとひらの名残の花弁が、ゆったりした上着のふところに落ちてきました。

吹きとほる 若葉の音の やはらかき ひとひらの花 ふところに散る
(風に吹かれた若葉が、柔らかい音をたて、花弁がひとひら、上着の胸に、舞い落ちてきました)

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