自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その350)

2016-03-10 | ジャコウアゲハ

3月7日(月)。久しぶりに集落内にある棲息地,クリ林に行きました。林床にはフキノトウが花を開いていました。夕方だったので,訪花昆虫を認めることはできませんでした。


今冬,ジャコウアゲハの蛹はめっきり減ってしまっていました。あちこち確認してみたのですが,期待外れです。木にはまったく見当たりません。多い年だと,あちこちにあってうれしくなるほどだったのに。

かろうじて無事なのはたったの4個体だけ。すべて,林を取り囲むトタン板・鉄板に付いていました。やはり,幼虫の食草ウマノスズクサが,草刈りの際刈り取られてしまうのが原因のように思われます。最大の天敵は人間なのです。

 

4月中旬には羽化が始まるでしょう。それまでもうしばらくです。

3月8日(火)。再び棲息地へ。蛹の様子を虫の目レンズで記録しておきたかったからです。

このレンズを通せば,フキノトウが生える周辺の環境が伝わってきます。広葉樹の葉は落ちて,林床には葉が積み重なって……。半日陰で,湿り気が適度に供給されるところに群落があります。

 


鉄板の蛹が,帯糸を失って逆さまになっています。すぐ右は草の生えた農道。ここにウマノスズクサが生えているのです。


いのちあるものを,それが生きている環境の中で見つめていくのは共に生きている人間として大切な視点。このとき,虫の目レンズは強い味方になってくれます。 

 


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