自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

生まれたばかりのヤスデ

2016-03-12 | 生物

ジャガイモの種子をポット植えした後のこと。ポット表面に小さな小さな虫が1匹いました。体長は6,7mmといったところ。「はて,ムカデかな。ヤスデかな」と思って,よくよく見たらヤケヤスデの幼体でした。

それで,「これは写真に撮っておかなくては」と思い,写したのが以下にご紹介する写真です。からだの白さから,はっきりと,誕生してから間もないからだであることがわかります。


だれにも,「これは堪らん」と感じる虫があってもしかたありません。昆虫を含めて虫一般に関心を持ち続けるわたしにも,「どうも苦手だ」といえる虫があっても当たり前だと思うのです。ヤスデはその1つです。格好はさほどではありませんが,「臭いがどうも,ネ」なのです。この写真をご覧になった方の中に,目を伏せられる方があるのも止むを得ません。でも,これも1つの,大事ないのちです。環境を構成する,腐敗物分解者なのですね。

ヤスデという生きものの印象は,わたしの脳裏に強烈に刻み込まれています。昨年は仕事場の庭で大発生して,室内にどんどん侵入して来ました。それが連日のように。堪りかねて忌避剤を散布し,なんとか退治できました。少年時代,自宅のブロック塀にわんさかと発生して,異臭を放ちました。匂いも光景も,わたしには消し去ることのできない記憶となっています。

わたしにとってはこんなヤスデなのですが,幼体を見たことは一度もありませんでした。「これはチャンス!」と思って撮ったのでした。あとで,「もし,卵から孵化している場面があったら,もうスゴイだろうな」と思いましたが。

スプレーで水を吹きかけると,からだを丸めて防御態勢に入りました。見るからにゼンマイといった姿! それはそれはもう見事なばかりの動きです。


しばらくすると,緊張感が薄れてからだを伸ばしました。そして,歩き始めたのです。親になってもまったく同じ動きをするので,おかしくなるほどです。


夕方,別の個体を見かけました。


同じ成体から生まれたものかもしれません。この日に見た個体数は4。

すべてのいのちは,いのちから生まれ,いのちを引き継いでいきます。ヒトもその1つ。ヤスデもまた,そうなのです。

 


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