矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Clinical reasoning の教育

2010-09-30 09:16:34 | 医学教育
医学教育でもっとも重要な内容である、Clincal reasoning.

医師としてのCompetency コンピテーンシー(臨床能力)を決めるといっても過言ではありません。

これをどのようにteaching するか、世界中で思案されています。


今学習理論を勉強していますが、どうすれば、long-term memory 長期記憶として頭脳にstoreされるのか、非常に興味深いです。

"Maintenace rehearsal" 維持するための繰り返しの訓練 により、short-term memory 短期記憶は維持される、とあります。

心肺蘇生のACLSは、2年ごとの更新ですが、いつも使っている医療従事者と私のようにいつもはあまりかかわらない者では、おのずと定着率、維持率が異なりますよね。ACLSも、米国の学会などに行った機会でも使い更新せねばと思うこのごろです。

日本で2009年に日本の学会が提唱しているILCSは取りました。


また、医学教育学の勉強ですが、さすがに大学院教育なので、課題はかなりheavyです。クラスのみんなもアップアップ状態でdue に間に合わない、、といっている人もいます。。

抽象的な内容を頭の中で英語でまとめて、英語でoutputするのは、本当に難しいです。”ふつうのScience”のpaperを書くのとはかなり違う印象です。”文系科目のエッセイ”みたいな感じで、滞っています。。。。

ともかく自分を信じてやるしかないですね。

昨夜のゴルフの宮里藍選手のインタビューで、欧米人のパワーゴルフでいったん、自分のスタイルを見失いスランプに陥ったが、
自分のよさを再発見して、現在の成功につながっている、とコメントがとても印象的でした。

グローバル世界で生き残るには、自分のよさ、自分らしさをいかに発揮できるか、にかかっていると私自身も実感します。

世界中に散らばっているクラスメートと連絡しながら、なんとかがんばりたいと思います!

名古屋総合診療ワークショップ 便り

2010-09-29 12:30:38 | 感染症関連
9月23日に名古屋で行いましたワークショップの模様です。

主催の名古屋市立大学の先生がたがブログに記載してくださいました。


http://ncu-shotai.ac/blog/


教育の醍醐味は、双方向性だと思います。教官から学生、研修医への一方通行ではなく、教育を通して、私自身が若い方から多くの恩恵をいただいていると実感しております。

私も、学生さんや研修医の方に混じりながら新しいことに挑戦したいと思っております。


さしあたり、オランダの大学院のプロジェクトをなんとかせねば!と思います。
ともかく、Due date 締め切りに間に合うように、”なにがなんでも済ませる”覚悟で取り組まないと、いつまでたっても終わらない、流されたまま・・・勉強するチャンスを逃してしまうと感じます。

やるか、やらないか、選択は二つにひとつですよね。

米国内科学会日本支部 女性委員会 顔合わせ

2010-09-29 09:02:22 | 米国内科学会ACP Japan Chap
昨日、2010年7月1にちから米国学会の新年度になり、米国内科学会ACP日本支部の女性委員会の初会合がありました。

これまで”女性委員会”でしたので、全員女性が委員でしたが、今年から男性医学生、男性医師の先生も加わり、
”医師のキャリアパス””ワークライフバランス””医学教育”などを、テーマに活動予定です。

私は、ご縁あって、2007年から女性委員会の委員として3年間活動させていただきました。前任の委員長の先生、副委員長先生の
ご依頼等もあり、今年からは副委員長として活動させていただく予定です。

少しでも、社会のお役に立てるプロジェクトをしてみたいと思っています。


以前から委員会では申し上げていたのですが、2005年に帰国以来、”女性””女性の活用”などと、”性別に基づいたキャンペーン”が多く、驚いていました。27歳で95年に渡米して以来、”性別を意識して仕事する”という感覚がまったくないので、驚きも大きい状態でした。

やはり米国の医療現場が、性別に無関係なほぼ状態であったのかの裏返しなのだと実感しました。

妊娠中の医学生、レジデント、指導教官、しかも外科系の女性医師も多数いる環境にどっぷりいましたので、女性、男性、などという性別の区別は、私個人の意識のなかにはほとんどありませんでした。

暗黙の了解で、人生の最優先事項は、”家族である”という社会文化背景のなかで、”家庭の緊急事態”であれば、帰宅するのは当然であり、それを責めるひともいない。1年目の研修医から年間4週間の休暇は年度はじめにスケジュールされた研修ローテーションが組まれていましたので、”罪悪感を感じながら休む”ということも経験したことがありませんでした。

タイの大学にいったときも、5時にはほとんどの職員が帰宅し、当直体制で医療現場は回っている、と教えていただきました。

このような状況を踏まえながら、”人間としてあたりまえの、暮らしやすい環境をつくっていく”ことを、個人として、組織としてやっていきたいと思います。

日本の医療従事者の良心的な勤務が報われるような社会的なインフラつくりに少しでもかかわりたいと思っています。

さしあたり、ACPとして、キャリア面などで、グローバルリーダーシップなどを踏まえた若手向けの講演会イベントなどを企画しようという話になりました。

ぜひ、お呼びしたいbig speakerにすでに打診して、内々で承諾いただきましたので、ぜひ、実現したいです。
ご期待ください!

心不全分類で世界的に有名なDr. Killip が来日

2010-09-27 20:59:44 | 医学教育
Beth Israel Medical Centerで内科レジデントをしていたときに、もっとも緊張した朝のラウンドが、心筋梗塞後の心不全の分類で世界的に有名なDr. Killipのラウンドでした。

本当に幸運にも内科レジデント1年目(インターン)のときに、CCUをローテーション中に、Dr. KillipがAttending として教育回診の担当でした。History & Physical のoral case presentationでは、みんな高い評価がほしいため、必死でほぼ暗記に近いくらいH &P を覚え、抜かりないように、ほぼ完璧なプレゼンを目指しベストを尽くしたことを思い出します。

”暗記するぐらい自分の担当患者のことをよく理解していること”が要求されていました。

朝9時からのラウンドまでに、採血結果やそのほかの検査結果をまとめ、前日からの変化などを正確に理解して、プレゼンに備えるありさまは、本当にいまでも緊張を思い出すほどですが、かけがえのない経験として体に残っています。

そのDr. Killip に推薦状を書いていただいたこともあり、今回、国内での臨床教育のため来日されると知り、ぜひ当時の御礼を申し上げにお伺いしたいと思っています。CCUをローテーションした95年からすでに15年の歳月が流れているとは、なんとも時の流れの速さを実感します。

Dr. Killip は、前にも書きましたが、医学知識が不完全で的確な判断が下せない医学生や研修医が製薬会社のコマーシャリズムやマーケティングに触れることを病院の方針として禁止して下さった方です。バイヤスのかかった情報ではなく、公平かつアカデミックな情報を元に、臨床医として的確な判断力を養うことを教育の第一の優先とされたのだと思います。

お会いしたときに、当時のことなどをお伺いしたいなと思っています。

Dr. Killipには、日本を想起していただけるようなsmall giftをお持ちしたいと思っています。

余談ですが、10年以上引越しを乗り越え愛用品となっていたタータンチェックの折りたたみがさが、JR駅で無事に見つかり、今日、手元に戻ってきました!! 本当に感激です。日本のこのような正確・迅速・親切なすばらしいサービスを世界に公正にアピールしたいと切に思っています。

メディアで大きく取り上げられている外交問題で、中国の強引なやり方に辟易しています。中国人のなかには大陸的な発想でかなりアグレッシブな方もいます。一般化しては言及できませんが、日本人は同じアジア人でも、もっと繊細で、良心的な国民です。アグレッシブな相手のペースに飲まれないことが大事ではないか、と個人として思います。

やはり、「交渉のカード」をうまく使う交渉力が必要なのでしょう。。。数日前ですが、BBCでも、かなり大きくトップニュースのひとつとして取り上げられていました。


中国に完全に主導権をとられているのは、なんとも悔しいですね。

Learning and Teaching, そして心電図がおもしろい!

2010-09-25 22:50:43 | 医学教育
オランダのUniversity of Maastrichtの”learning and teaching ”というUnit の勉強をしています。

教育者としての自分のteaching styleを振り返りつつ、学習者としていまの自分の学び方、小学校高学年から中学高校、大学、と”詰め込み教育”を受けてきた自分の学習スタイル、またUSMLEに始まり、内科系専門医試験などの米国での資格試験の受験経験、在米中の診療に関連した自己学習の仕方、など、さまざなまことを思い出しながら、

”Learning" とは、
”teaching" とは、

について学んでいます。

もっと学習するとはどういうことか知っていれば、あんなに短期間に詰め込みながら
USMLEの勉強しなかったのになあ、と思ったり。しかし当時は試験に合格しないといけなかった事情もあり、正常生理学、病態生理学の深い理解がまったくなされていなかったことをいまになって明確に認識し、とても残念に思います。それはいまでも、自分の臨床能力に如実に反映しているので、なんとかもっと実力をつけたいという気持ちになります。

そんなことを想起しながら、医学教育学の勉強をしています。

手探りの自習なので、どこまで勉強すべきか、課題をこなすだけでは意味がないと思いながら、ああ、もともと何が目的でこのコースを取ったのか、など振り返っています。


こうした”振り返り”は、さっき読んだ、learning functionのうちの、
”self-regulation”ということか、と思いながら、自分を相対化していったりきたりしています。

話はそれますが、

課題をこなすために読まなければならない文献が多く、集中力が切れるとinternet surfing してしまいますが、そのなかで見つけた心電図の解説でとてもおもしろいものがあったのでご紹介です。

医学書院の医学界新聞で、学生・レジデント版で慶應大学循環器内科の香坂俊先生が
連載されています。

香坂俊先生は、チーフレジデント、チーフフェローにも選ばれ米国内でも模範的かつ超優秀な臨床医としてご活躍された後帰国されました。何度かセミナーなどでご一緒したことがありますが、本当に優秀な方で感銘を受けています。


http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02878_09#a

すでに5回連載済みですが、循環器内科はかなり不得意の私にも、とても興味深く書かれており、感動しました!

その上記の正常生理学、病態生理学で、心臓のところは、物理化学の理解が不可欠で、そういう分野は私はどちらかというと苦手です。心電図も、在米中レジデントのときに、ベクトルの考え方で読み方を本で勉強し、少しましになりましたが、全般的に、いまでは心電図は読み方をすでに忘れてしまっています。

そのような”苦手”意識を持っている私が、”心電図がおもしろい!”と思い、一般内科の実力維持のためもう少し勉強してみたい、と思ってしまったぐらい魅力的な文章で心電図が説明されています。

物語風なので読みやすいです。

生理学のバイブルのGuytonで、心臓の正常生理を復習したいです。


このような気持ちになるのは、”Exposure" の仕方(新しい分野への触れ方)によるなあ、と改めて思います。

学習理論からすると、”Exposure" によって”Motivation" に大きな影響があるということかなあ、と習い始めたことをあてはめてみています。


熱帯医学は楽しいです!

2010-09-25 13:08:01 | 感染症関連
1994年にピースボートに乗って、アジア、アフリカ諸国を駆け足で見てまわって以来、国際保健、国際医療協力にとても興味を持っていました。それがきっかけで、感染症科を自分のsubspecialtyに選びました。

テキサス大学で、自分のボスだった抗菌薬の耐性化やVRE バンコマイシン耐性腸球菌の世界的第一人者のDr. Barbara E. Murrayと一緒にリサーチするまでは、熱帯医学にかなり傾倒していました。先進国で診療していると熱帯医学はかげがうすくなっていくのですが、それでも、2000年に初志貫徹、どうしても学びたいと思って、London School に熱帯医学の集中短期コースを受けに行きました。これはいまから思い返してもかけがえのないトレーニングでした。

前置きが長くなりましたが、当時、マラリアのスメアで、途上国で自分で診断をつけられるようになるために、ということで
ぜいたくなほど豊富な検体を使って、顕微鏡トレーニングをさせてもらいました。80名ぐらいのクラスメート全員にそうした検体はあります。

London から戻ってすぐに、テキサスの病院で、アフリカのマラウイから帰国した方でsepsis、意識障害で転送されてきた患者さんのケアにあたったのはいまでも鮮明に記憶しています。真夜中に検査室で、マラリアのスメアを検査技師さんと一緒にみながら、attending 指導医に電話で相談しました。

5年半前に帰国してからも、1-2年に1回ぐらいですが、旅行帰りの患者さんで、マラリアの鑑別が必要な方がきます。

今回もそのような方の診療に携わることができてとても有意義でした。

やはり、”現場力”というのが一番大切であることを実感します。

一生のうち、一度は、途上国で感染症診療や教育に携わってみたいと思っています。

米国感染症学会 IDSAがアフリカ諸国での数週間単位のteaching スタッフをリクルートしたりしているようで、大変、興味深いです。

直感力

2010-09-24 09:48:39 | Weblog
私は、大きな決断はたいてい直感で決めてきた感じです。

”こころの声に耳を傾ける”とよく言われます。

自分のやりたいこと、ほしいものは、すぐに実行または手に入れる方向で動くのが幸せの第一歩だと実感するようになりました。

ごちゃごちゃ考えないこと、でしょうか。

直感的によい、と思ったものは、やってみるとやっぱりよかった、というのが多いですね。

名古屋市立大学での感染症セミナー無事終了しました。

2010-09-23 23:59:32 | 感染症関連
今日は、お彼岸でした。昨夜から雨が降ったりして一気に気温が下がりました。

秋の気配ですね。

今日は名古屋日帰りで、セミナーをさせていただきました。祝日にもかかわらず、多くの方がご参加くださり、とても有意義な会となりました。ご関係者の皆様にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

5-6年生の学生さん、研修医の方、5年目くらいまでの医師の方、10年目以降の方など
かなり幅広い方々がご参加でした。

とても有意義なディスカッションができましたこと、とてもうれしかったです。

今日は、傘を新幹線のなかに忘れてしまうエピソードつきでした。

もう12年前ぐらいにNY時代にChina Townで購入した、折りたたみ式のワンタッチ自動の傘で、タータンチェックの模様が気に入っていたので、日米の往復引越しを2往復はしているのですが、それにも耐えてついてきている傘でしたので、とても残念です。

JRに問い合わせをして、出てくるかやってみようと思っています。

ちょうど、今月の学会出張中に、同じようなタータンチェックの模様の傘を、Scotlandで購入したのですが、それを使いなさい、ということかなとも思いつつ、です。

余談ですが、名古屋で、”なが餅”というおみやげを買いました。

あんこ餅を長細くして、焼き色をつけたお持ちです。はじめて見たので直感的に購入してしまいました。

”ながもち”する持ち物は大切にしたいものです。。。なんとなく、傘を思い出しながら、”なが餅”を食べました。

”答えはあなたがたがもっている”

2010-09-23 09:24:17 | グローバリゼーション関連
先日、女性のキャリア向けセミナーに参加しました。

そのなかで、外資系企業の女性管理職の方が、36歳で10人ぐらいのグループの管理者になったときのエピソードをお話くださいました。

グループは50代ぐらいの男性の人たちばかり、とのことでした。そういうなかでどのように組織改革に取り組んだのか。

彼女の開口一番のことばは、

”答えはあなたたちが持っている”という態度で自分より一回り以上年上の男性社員の方がたに接した、ということでした。

日本で、”組織改革”が非常に難しいといわれます。これは私も日常つねに実感していることです。

”シンプルなことから確実に実行する”ことが大切だと思います。

なにも深く考えないほうが、変化への一歩なのだと思います。


新聞にも記載されてきていますが、

”Japan Passing" 日本を抜かして、韓国、中国がアジアにおける米国のパートナーになりつつある、というのは現実だと思います。

話のフォーカスがそれましたが、世界を見据えた新しい組織運営が非常に要求される時代になっていると肌で感じます。国外出張から戻ると、国内の平和な雰囲気はとてもありがたいのですが、国外とのスピード感、変化の質と量の違いに、やはり違和感を感じてしまいます。

日本の改革は、”答えは、我々がもっている”といえますので、個人個人が、自分のイノベーションが必要なのではないでしょうか。

「ウエブで学ぶ」 ちくま新書

2010-09-21 16:57:36 | 著書紹介
9月に出た最新刊ですが、

ちくま新書 「ウェブで学ぶ」

週末に購入して、半分くら読みました。黒川清先生、石倉洋子先生もご推薦の本です!

教育のグローバル化、知的財産の世界規模での共有について書かれています。

すごい時代になったものだと思います。

夢中になって読みました。

ここ数年、米国の大学で無料コンテンツの提供がかなりあるなあ、と経験から感じてはいましたが、米国での背景がボストンの名門大学MITの全コースの無料公開に端を発していたとは知りませんでした。


数年前に、母校のJohns Hopkins大学で、医学部感染症科のweekly case conferenceが無料公開(live + archives) されているのを発見し、感動しました。それ以降、母校からの寄付金の依頼には、毎年確実に寄付するようになりました。こういうすばらしい取り組みなどにぜひ使ってほしい、と切に願ってのことでした。

今年になってからは、Hopkins Alumniの”Life Time member”となるため$1000払いました。母校の学術活動を応援したいと思っています。


こうした無料のソフトウェアの提供というのが、「人類の叡智をみんなで共有することが善である」という考えから起こっていると上記の本に記載されており、米国時代に、米国の各種学会やNEJMなどの一流雑誌が、無料のガイドラインや知見の論文を提供していた社会的背景を、今回、明確に言語化して認識することができました。在米中も現在も、自分の恩師や自分が後天的に身につけた思考様式が、このような価値観に基づいていたことを改めて認識できた感じです。無意識の善の価値観だったのが、言語化できてより明確になりました。

Johns Hopkins のBloomberg School of Public Healthはalumniが東京で10月11日に開催されることになり、とても楽しみにしています。

余談ですが、自分が学習者でもあるため、”あらゆる手段を使ってもっとも効率よく、学びたいことを学ぶ”というスタイルで
いま医学教育を学ぼうとしています。まだまだ、self-directed study自主学習という面では、発展途上ではありますが、なんとかbreak throughして、Life-long learner 生涯学習者となりたいものです。

9月23日(木)名古屋市立大学で感染症セミナー です。

2010-09-21 16:53:20 | 感染症関連
あさってですが、名古屋市立大学にて、名古屋総合診療ワークショップにて、感染症セミナーを開催します。

日時 2010年9月23日(木)14:00-16:30
場所 名古屋市立大学 第1会議室

参加費 500円
共催 大塚製薬

基本レクチャのあと、2例、ケーススタディをグループディスカッションで行います。

ご興味のある方は、ご参加ください。お待ちしております。

Mentor とMentee

2010-09-19 21:35:30 | プライベート
この週末はイベントが多く、いろいろ話題があるので、自分のreminderのつもりで書いています。

Mentor-Menteeの関係ですが、これは本当に作用・反作用と同じで、相互に行きかうものだなあ、としみじみ思いました。自分の教え子だった方が立派な医師になり、現場で懸命にがんばっているお姿をうかがい知ると、本当に感慨深いです。

Mentor-Menteeの関係は、決して、MentorからMenteeへの一方通行ではないことを身にしみて感じました。自分の教え子、研修医、フェローだった方々から、いかにこれまで受け取らせていただいてきたかをしみじみ思います。

私自身がいま、オランダの大学で、Menteeの立場で医学教育の大家の先生から教えを受けています。国内では、尊敬してやまない黒川清先生にはMentorとしていろいろ学ばせていただいております。先日、黒川先生のお誕生日にFacebookからメッセージを送らせていただきましたら、世界をかけめぐるあのご多忙中にもかかわらず、いつものように瞬時にご返信が返ってきました。本当に仕事のプライオリティが明確で、学生、研修医などからのメールには優先的に返信する、と言われていた通り、すぐにご返信をいただき感動しました。


このようなすばらしい偉大なmentorを持つと、私自身も少しでも若手の方がたのお役に立てればと思います。今回、抗菌薬セミナーで出会った若手の方2名のメンター役になり応援できればと切に思います。

総合内科専門医試験、受験終了しました。

2010-09-19 21:22:25 | 医学教育
今日は、気分を切り替え、総合内科専門医試験を受けました。

昨夜は疲れのためか寝入ってしまい気がついたら朝5時でした。目覚ましにシャワーを浴びて会場に7時半ぐらいに出発。

会場への道すがら、知人と遭遇し、いろいろ話しました。米国の内科専門医試験と傾向がかなり異なるので戸惑う、といった話などをしました。その知人はこの試験のほか、この秋に2つも別の学会の専門医試験を受験したそうです。

試験は、長丁場で、疲れました。。。当然かも知れませんが、日米で傾向が異なることや、画像所見を把握しなければならない点で、わからない問題もいっぱいありました。

良質な問題も多くありましたが、判断や考えることを問う問題ではなく記憶を試す問題が少なからずあることには辟易しました。

終了後は、なんとかなっていることを祈りつつ会場を去りました。

会場から帰りに、親友が、同じ専門医試験を受験した妹さんと合流したところに、私もばったり遭遇しました。こんなことってあるんですね。不思議なめぐり合わせでした。肉親や家族って、やっぱり大切ですよね。受験が終了し東京を離れる妹さんを見送りに羽田に向かうと言い、親友たちは去りました。

私も受験終了後、家族と合流しました。夕食を一緒に食べて、少しほっとしました。

総合内科専門医の受験会場で、ミニ同窓会となりましたが、米国で臨床研修を受けた仲間たちが受験番号つづきで4人最後にまとめられていました。つかの間の近況話に花が咲きました。




無事に 9月18日の抗菌薬はじめの一歩セミナー2010 終了

2010-09-19 21:14:52 | 感染症関連
今回、初の試みで、都内の大学キャンパスを借りて、抗菌薬のセミナーを開催しました。

「抗菌薬はじめの一歩セミナー2010」で、ベータラクタム系にフォーカスした初学者向けセミナーでした。

皆様、ご多忙中、いろいろなところからはせ参じてくださり、とてもうれしく思いました。もっともご遠方では、四国や関西からも参加者がいらっしゃり、事情でshort noticeの1ヶ月前のアナウンスであったにもかかわらず当初予定していた人数がほぼ集まりました。

また”手作り・参加型セミナー”であるため、お手伝いをしてくださる方を募集したところ、これまた7-8名の方がボランティアで善意でお力添えをくださいました。この場をお借りして、深く御礼申し上げます。

当日は、セミナーの撮影のためカメラもあり、少しいつもと違いましたが、なんとか終了できほっとしました。一重に皆様のご協力に感謝しています。

このセミナーでは教え子であった子が遠方から参加してくださり、とてもうれしく思いました。また研修医1年目の方で、研修環境としては決して恵まれていないと思われる状態でも、懸命に、自ら学ぼうとされている方と出会い、胸が熱くなりました。彼女には、ぜひがんばってほしいと心から思います。私は彼女のメンターをさせていただこうと思い立ちました。応援したい気持ちでいっぱいです。


Deep and meaningful learning 本質的で意義深い学習

2010-09-17 01:05:52 | 医学教育
医学教育理論という自分に未知の分野を勉強していると、93年ごろUSMLEを勉強したころに、いかに事実の丸暗記で対応してきたかを思い知らされます。短期間にできるかぎりの量をこなし、試験にパスしなければならなかったので、興味深い内容にもかかわらず、
じっくりと本が読めず、読み飛ばしながら、問題を解いていた自分を思い出しています。
薄い2-3冊の本を、2回ずつぐらい繰り返して、当時、合格できました。

明後日の総合内科専門医試験のため、今夜は勉強。
過去問の抜粋を6年分解きました。英国からの帰国フライト中に持参していた2年分消化し、新幹線の移動中に3年分ぐらい消化し、今夜1年分消化し、という突貫工事的な勉強です。日本語の診断名で何を指しているのかわからないものもあり、頭のなかで絶えず診断名を英語に置き換え、知識を引っ張り出す、という作業をしている自分がいます。。

Long-term memory長期記憶の知識が、内科系は英語で整理されているため、そことの往復作業になっています。「人はどうやって記憶するのか」、記憶のメカニズムを学んだので、自分がそれにのっとっているのを確認した形です。

今回の突貫工事的な勉強ではありますが、一般内科系の感触をまた思い出しました。
やっぱり基本に戻って、Guytonなどの生理学のバイブル的な教科書などを読みたいと思います。