矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

DPC の内容開示の開始による影響

2008-10-29 20:09:34 | Weblog
DPC の内容開示が開始されることになりました。

これまで、保険適用量が国際標準とずれている抗菌薬は、DPC が採用されている病院では、国際標準量を使用することが、まだ可能でした。

ところが、DPC の内容開示になることでこれも困難になってきました。

なぜ、日本では、「学術的に不適切な保険適用を遵守する」のでしょうか?
患者の生命や予後に大きくかかわっていても、遵守することが、プロフェッショナルとして適切な行動でしょうか?

学術的に不適切であれば、不適切である根源を改善する、修正することを、現場から声を大にして訴えることのほうがまっとうな感覚である、と思います。

21世紀の今、血液培養1セットしかとらない診療を、世界のどの国が「まっとう」とみなしているでしょうか?発展途上国のほうが、感染管理が進んできている事実ともこの辺は呼応している気がします。

診断の役にも立たないCRPは、保険がみとめられ(医療費の大いなる無駄であるにもかかわらず)、診断の根幹にかかわる血液培養は1セットしか認められない。
こんな矛盾を、なぜ、放置し続けるのか、日本人の感覚を疑ってしまいます。

バンコマイシンの使用に関する保険適用も、血液培養からグラム陽性菌が検出された段階では認められない状況です。MRSAと判明するまでの72時間待つ?ようなことをしていては、患者は重篤な合併症やsepsis で命を落としかねません。

また、人工物感染では、第1選択薬として、「世界の常識」であるバンコマイシンが使用できない日本では、人工弁、人工関節感染などはいったいどうやって治療するのでしょうか?世界的な視野でみれば、「まっとうな」診療が、日本では保険が認められないので「しない」方向になっています。しかも「病院全体に院長命令」などという形になっている病院もあるようです。

本気で、「患者を救う」気が、国家には存在しないのでしょうか?

救急車のたらいまわしにしても、病院や医師を責める前に、そのような背景を作り上げた国家政策自体がその是非を問われるべきである、と私は思いますし、国民も「お任せ医療」でなく、「参加型医療」として、自分のこととして、真剣に考える時期に来ています。

医療に関する政策に関しては、責任をとれない、とる立場にもない一部官僚の「思いつきのような政策」では決して許されない。

私は個人的には、医療政策における大きな決定は、「国民投票」すべきことである、と確信しています。

国民のコンセンサスを、国民自体が取るようでないと、医療はよい方向にいかないと実感します。

日本での臨床試験

2008-10-28 10:01:53 | Weblog
日本での臨床試験の実施は、インフラ面で、非常に困難であると思います。
感染症の面では、さらに、米国・英国と比し、一般診療レベルでの格差が大きいことも困難を助長している感じです。

日本に帰国して3年半、大学病院で勤務していますが、下記のような現状で欧米のpeer-reviewed journalに掲載可能なような体裁を整えることはかなり難しいと感じます。

1)大学ファカルティに、リサーチのための時間などは確保されていません。日々の診療や検査で日中はつぶれ、平日に「外勤」と称して他の病院でも勤務し、教育などは当然、二の次(あってないようなもの?)、そして、リサーチは夜中にひとりで、、みたいなパターンが、大多数の日常のようです。労働基準などはなきに等しい、ですね。

十分な数の秘書もいないため、学生プリントのコピーに走ったり、学生プリントの返却、採点などを教官ひとりでやる(私も帰国して、このような秘書業務Teaching assistant業務をひとりでこなしています。大きな時間のロスだと感じています)

リサーチでも、夜中に主にひとりでできるのは基礎医学であり、prospective study などの臨床系では患者さんあってのことですので、夜中にする、というのでは、患者評価などはできないでしょう。

リサーチを、夜中まで身を粉にして、個人の「がんばり」でやるしかないことでは、臨床試験は根付かない、でしょう。なんのインセンティブもない。


(私は、個人的には、そうしたライフスタイルはまったく望んでいません。)

2)一般診療が、米国・英国を基準とした場合に、atypical practiceが大半であること

(血液培養などを採取する習慣もない、膿瘍をドレナージせず内科的に治療する、最初に使用する抗菌薬はほとんどがカルバペネム系である、など)

atypical practiceばかりであると、何らかの有意差が出ても、それが
atypical practiceのためではないか、と当然、疑問が生じる。

(例、先日JAMAに、glucose のintensitve control vs. conservative control のmeta-analysis が掲載されていましたが、そこでも、surviving sepsis campaign の根拠になった論文は、atypical practiceのためか、ほかの臨床試験と際立った差が出ていました。)


3)カルテ記載が常に不十分であるため、retrospective studyは特に困難である

改善するために何が必要か、とういことですが、私がもし自分の大学でやるとすれば下記を改善したいです。

1)リサーチのための人材は、教官が適宜雇えること
(短期雇用などの自由を認めてほしいこと)

2)秘書業務、teaching assistant 業務をするような人材を、日本でも十分確保すること、これは病院ではなく、「大学」側の予算配分となります。

3)ファカルティの数をもっと増やして、すなわち、大学ごとの規定の教官数などは、大学に任せるようにして、臨床、教育、リサーチ、が個人の意思でその配分が決定できるシステムを導入すること。

それに見合う業績がない者は、一定期間で解雇するシステムを導入すること。
大学人としてふさわしくないのに、「終身雇用」感覚で、ずっと雇用されている、雇用しつづけるのは、国際化時代にそぐわない、と感じます。

医療の分野に、このための国家予算は配分してもらわないといけません。
一般病院の勤務医と比しても、大学教官のかなり安い給与では、ボランティア活動に近くなり、よい仕事はできないと思います。


4)教育が普及すれば、atypical practiceも減るでしょうし、カルテ記載が重要であることも理解されるでしょうし、と思います。


「日本から、まっとうな臨床試験を実現する」という国家政策、国家の意思が最も重要だと思います。最重要課題、といった認識が必要ではないでしょうか。

5年ほど前に米国FDA が承認したdaptomycinの臨床試験をいまごろから開始する状況の日本の診療が、少なくともこの薬では、米国・英国に10年近い差がある、ということをどのくらいの医師が知っているのでしょうか。


「患者が、日本に在住することで、標準的診療および最新の医療が受けられない」といった状況を、なんとしても改善しなければ、と私は奔走するので精一杯ですね。







テキサス大学ヒューストン校同窓会がありました。

2008-10-27 19:30:21 | Weblog
お昼の時間に、テキサス大学ヒューストン校の同窓会がありました。

2000年にフェローシップが終了してから、はや8年が経過しています。

その当時、同期だったフェロー、1-4年目でともに過ごしたフェローの人たちと再会し、とても懐かしい気持ちでした。

メンター数名にも再会できました。

今回の学会は、学術的な収穫よりも、個人的な感情的な収穫のほうが大きい印象です。ネットワークの大切さを身にしみて感じます。今後も大切にしたいネットワークです。

IDSA New Guidelines

2008-10-27 19:25:43 | Weblog
IDSA new guideline のセッションにでました。
充実したセッションが多いのですが、時差ぼけで眠くて集中できかねています。
そのため、今年はすべてのセッションのDVDを購入することにしました。
帰国してからもミスしたセッションを、自治医大の当科のフェローたちと復習する時間を持ちたいと思います。


いくつか重要な事項があるので、限られたスペースでご紹介します。

詳細は、必ず、公開されたガイドラインを確認ください。

MRSA 感染症に関する治療のガイドライン。特に、菌血症、心内膜炎に関しては重要です。

1)vancomycin peak は測定することは推奨されない
2)MRSA bacteremia, endocarditis に関し、
Vancomycin trough は、15-20 microgram/mlが公式に推奨された
3)MRSA bacteremia, endocarditis では、gentamicin, rifampin の併用は推奨されない

となっています。

臨床的な治療不良、vancomycin MIC が2以上で、7日間経過しても菌血症が解消しない場合は、治療変更が推奨されています。
変更薬は、Daptomycin 10 mg/kg IV Q24 (24時間ごと)です。

Daptomycin の通常使用量は、6 mg/kg ですので、それよりも高用量が推奨されています。

日本では、FDAが2003-4年ごろ承認したdaptomycin の臨床試験を開始するところですが、このガイドラインで、用量設定を再考しなければならないのではないか、と感じます。さもないと、再び「保険適用量以上の用量」での治療を施行しなければならない抗菌薬の二の舞になってしまいます。

日本の研修医の"Dress code" の認識

2008-10-26 13:38:46 | Weblog
日本では、「服装」に関するTPO の判断が、「ずれてきている」のでしょうか。

最近、当院に見学にきた数名の研修医の「常識的感覚」に疑問を持ってしまいました。

少なくとも、私が当事者なら、自分が就職したい、就職希望のある組織を訪問する際に、初対面の方にお会いする状況で、どのような服装をするか、といえば、当然、女性も男性も、「正装」してくるのが「常識」だと思います。

米国での面接などを思い出しても、普段、あれほど「陽気で、フレンドリー」な彼らも、タイ着用の場面は、まず「はずさない」ですよね。米国の病院内での規則も、日本とは大きく異なり、レジデントも、白衣を着る場合は、基本的に男性はタイ着用が原則です。タイ着用しなくてもよいのは、オペ用の、scrub (いわゆるオペ着)を着ている場合に限られます。日本では、半そでの「K-C」と呼ばれる白衣があるので、それを着用する場合も免除になるでしょう。

しかし、T シャツとか、ポロシャツとか、プロフェッショナルとしてふさわしくない格好をして、しかもしわだらけで、よれよれの汚れた白衣を何日も着ている医師を日本では多く見かけます。「肉体労働」だから仕方ない!と反論が聞こえてきますが、やはり、プロフェッショナルとして、どのような服装かは、重要だと強調したい気持ちです。

米国のDress code(どのような服装が望ましいか)の認識は、かなりシビアです。はずすとかなり恥をかきます。レストランにも入れません。

挨拶、面接に行く場合の服装について、特に学生、初期研修医、後期研修医の方は、今一度、確認されることをお勧めします。

候補者が多数の場合、私が選ぶ立場なら、「服装さえも十分でない」「常識的な行動が取れていない」人は、選抜の議論の対象にもしないと思います。最低ライン、基本レベルはまず、クリアできる人から、より質の高い人材を選抜したい、と考えます。

就職、面接などの際には、「第一印象」の影響は、想像以上に大きいことを認識した戦略を立てることが望ましいと思います。

もちろん、服装以外にも、誰にも負けない自分の「売り」を常日頃から、持っていることも重要ですね。。


同窓会のような学会で、とても懐かしいです。

2008-10-26 13:07:25 | Weblog
今年は合同学会のため、在米時代のフェローの同期、先輩、後輩、またお世話になったメンターなど、本当に多くの人にいっぺんに再会できて、有意義です。フェローが終わってから、みんなそれぞれの人生を歩み、プロフェッショナルにも、本当にさまざまな領域で、職務をこなしているようです。また、イリノイ州で私のフェローだった医師も、いまでは独立して開業し、立派にコンサルトをこなしている様子で、今日はランチをごちそうになりました。

また今日は、ワシントンにきたら一度はいったほうがいいと現地に在住の日本人の方がお勧めのSea Food レストランに行きました。IDATEN (日本感染症教育研究会)の日本人会を開催したのですが、総勢15名集まりました。文字通り、Round table (丸いテーブル)に一同会しました。

おいしいSea food を満喫できました。

明日は、テキサス大学時代のランチアラムナイ(同窓会)があり、これもとても楽しみです!

学会自体も、時差ぼけ睡魔と戦いながら、出れる範囲で新しいことを吸収しています。

米国の診療が日本と根本的に異なるのは、病理確定診断、微生物学的確定診断を最大限つけることです。在米中のとても興味深い症例、診療を、学会を通じて思い出しています。日本でも、このような学術的にも満足度が高い診療が普及し、「普通」になってほしいと願わざるを得ません。

久しぶりのアメリカを満喫しています!

2008-10-24 11:11:06 | Weblog
日本に住んでいるとつい忘れがちな自然の雄大さですが、アメリカに戻ってくるとやはり自然の大きさを実感せざるを得ません。

今年の学会は、大統領選間近の首都ワシントンDCで開催されています。

以前ボルチモアにも住んでいたことがあるので、このあたりは数回訪れたことがあり、白い建物が多く、広い公園を運動する市民の姿を見るのも本当になつかしく思いました。

今年は、合同学会なので内容もより充実している印象です。明日、専門領域のアップデートの1日コースを受ける予定です。

いつも米国の学会で陥ってしまう、時差ぼけによる睡魔との戦いですが、なんとか
いろいろなことを吸収して自分をアップデートしてきたいと思っています。

同じフライトに多くの参加の日本人の先生方がいらっしゃいました。25日には日本人会としてお食事会を開催予定です。とても楽しみにしています。総勢16名になりました。

学会の模様は、追ってブログ報告したいと思います。

沖縄県立中部病院勤務の教え子1号の先生が見学にきました。

2008-10-21 00:49:37 | Weblog
今週から1週間、私が帰国してから最初に出会った医学生だった、いわば教え子第1号である先生が、母校の自治医大に見学に来ています。彼は学生時代から大変優秀で、USMLE のstep 1も学生時代にPass しています。

6年生のときのおもかげを残しつつも、現在3年目になり、研修医の指導もしている非常に立派な臨床医の立場となった彼の成長ぶりはすばらしいと思います。そのような彼のいろいろな発言から、「沖縄県立中部病院」の研修システムの優れた点を改めて垣間見ることができます。

システムとして、グラム染色を必須化している状況、医療面接最重視の病院全体のカルチャ、屋根瓦式に年次のうえの医師が、年次の下の医師を教える「自然なシステム」、また、患者のプランは、基本的に2年目が実質決定権を持っているシステム、などはやはり、本当にすばらしいと思います。

研修医2年目で、患者のほぼすべての主なプラン決定ができるほどの実力を1年間で叩き込んでいる教育内容、質、にも驚きです。

私が観察した範囲で、国内の病院で2年目で意思決定できるだけの実力を持っている研修医は、かなり少ないと思います。ややもすれば、大半の2年目研修医は、まだまだ雑用に追われたり、医療面接やカルテ記載もままならず、鑑別診断を考える思考フレームさえも教わっていない、身につけていない、したこともない、ようなレベルにいるのが「日本の当たり前」のような印象です。

一部の研修病院でのみしか、臨床的に非常に実践的なトレーニング、臨床推論を教える教育は提供していないと思います。

上記の教え子1号の彼いわく、救急外来で、Campylobacter jejuni による細菌性腸炎を何例もみたことがある、それは便のグラム染色で見えるので、診断をかなり迅速につけることができる、とのことでした。下痢便患者で、便のグラム染色をしていない、と上級医師から叱られるとのこと。県立中部病院の底力を感じざるを得ませんでした。研修医1年目は、グラム染色に明け暮れ、治療効果も即座にグラム染色で「体感」するのがルーティン。そこには、CRP崇拝など、入り込む余地もない。

医学部1年生から、まっとうな医療面接からはじまり、的を絞った身体所見、鑑別診断、もれのないプラン、そしてそれを流暢に、論理的にプレゼンテーションするスキル、これらを教育するメディカルスクールをつくりたい、と思います。

講義で半分ぐらいが寝ているような大学教育は、無意味だと思います。

やる気があり目的意識が明確な学生を、セレクションし、実践的な教育ができるインフラを、日本も早急につくることが必要だと思います。

いつも思いますが、「どうして日本はこれほど、危機感がないんだろう」ということです。いまのままでは、日本の教育全般は、医学に限らず、世界にはとても通用していない、というのが私の印象です。


ICAAC/IDSA 2008 合同学会が開催されます。

2008-10-21 00:29:08 | Weblog
米国の感染症関連の最高峰の学会ICAAC/IDSA2008の合同学会が、今週末から開催されます。

私は帰国後も、毎年1回は米国の学会に参加することをルーティンにしています。その大きな目的は、米国時代のメンターに再会し、ネットワークを維持すること、当然ながら、ライブでのその領域の最高の権威の方々のレクチャなどを聞くこと、そして米国の州の医師免許更新に必須の生涯教育時間をクリアすること、などです。

将来的にはICAAC/IDSAに日本発の臨床研究の情報を発表することを目標にしたいです。まだまだ臨床研究をする基盤ができていないため、そこまでつくる段階です。

今年は、ICAACとIDSAという2つの学会の合同学会ということで、非常に有意義な会であろう、と予想しています。とても楽しみです。

米国での平均的な診療レベルに自分が遅れないよう、最大限、吸収して帰りたいと思います。

秋晴れのすばらしい日でした。

2008-10-13 22:41:25 | Weblog
少しnon-medical でprivateな内容を今日は、休日なので書こうと思います。

プロフェッショナルな生活とプライベートな生活のバランスは世界中の多くの人々が望んでいることだと思います。

今日は、3連休の最終日でした。連休前の1週間中に、米国の感染症科と内科の更新試験を2つ受験したため解放感を感じる休日でした。東京で受験できるのは本当にありがたいです。時差ぼけ調整をどうしようかと思案していましたので、助かりました。国内で時差ぼけなしで受験していても、食事後などは睡魔が襲ってきて、集中力が切れてしまう瞬間もありました。試験は、事前準備も当日もタイムマネージメントとセルフコントロールに尽きますが、今後のよい勉強になりました。

私の連休は、なか12日が大学の感染症科の宅直で、病院でコンサルト患者の診察などを午前中し、学園祭の講演を聴き、再びコンサルトをし、といった日でした。今日は、久しぶりに夫と一緒にゆっくりすごせました。東京に出て、皇居あたりを散歩したり、大江戸温泉に行ったりしました。

秋晴れのさわやかな日をすごせたことをとても幸せに思います。

温泉、4月の桜の満開、夏の岡山の白桃、お正月の三が日とお餅は、在米中に最も恋しいと感じた日本の文化でした。温泉は、やはり、日本人の私には一番リラックスできる娯楽だなあ、と感じました。

稲盛和夫さんの「成功」と「失敗」の法則

2008-10-12 23:07:40 | Weblog
ビジネス界ではカリスマ的な存在となっている京セラおよびKDDI の創業者である稲盛和夫さん。「生き方」という著書が売れていることはご存知の通りです。

これまで「生き方」を書店では見ていましたが、購入するまでにはいたっていませんでした。

今回、偶然ですが、駅前の書店でみつけた「成功と失敗の法則」という本を購入しました。

短くて、とても読みやすく、自分の方向性に迷っている私にとり、とても参考になりました。

成功を持続させるためには、どのような生き方が必要なのか。究極として「人生の成功」とは、「たましいが成長すること」である、と説くその内容は、とても説得力があります。

よい本との出会い、今日は、世界の医療にインパクトを与える大きな業績でご活躍の先生のご講演も聴き、自分の方向性を見直すよいきっかけとなりました。

小腸内視鏡 ダブルバルーン法の講演を聴きました。

2008-10-12 23:02:02 | Weblog
今日は、自治医大の学園祭の日でした。学園祭の講演に、当大学の山本博徳先生がされました。山本先生は、現在、世界中にご自身が開発した小腸内視鏡のダブルバルーン法というやり方の普及のため、ご講演に奔走されています。現在、世界50カ国でこの内視鏡が使用されているそうです。

興味深かったのは、世界的な消化器内科医として知られているNY 在住の新谷裕美先生のところで研修されたことがある、といわれたこでした。新谷先生は、ご存知の、「病気にならない生き方」の著者で、この本はベストセラーとなりました。続編がつぎつぎに書店に並んでいますよね。

山本先生のご講演で、「成功」する方がどのような生き方とこころの持ち方をされているのか、その一面を垣間見ることができました。

いろいろな成功している方の著書を読みますと、「よい質問をすること」が大切、その質問が方向性を決める、とあります。

つまり、自分に課す質問の質が、人生の質のそのものを反映する、ということです。これまで絶対にこれはできない、と思われていたことに、「本当にできないのか」「この別のやりかたはどうか」「なんとか患者さんが楽に検査をできるようにしてあげたい」などの質問である。

質問は、行動の原動力となり、「必ず答え」は見つかるものなのです。

ノーベル賞を受賞した多くの偉人たちが、最初は、「なぜか?」「どうしてこれができないのか」「どうすればこれができるようになるのか」といったよい質問をすることで、結果として大きな成果を出せているのです。

私自身も帰国して3年半が経過しました。帰国後、一生懸命、自分のビジョンに向かって走ってきましたが、いまいちど、「本当に何がやりたいのか」について、自分に問いたいと思います。自分がやっていて楽しいことは何か、これがすべての原点だと思います。

順天堂大学とMayo Clinic の合同カンファレンスに参加しました。

2008-10-09 11:09:01 | Weblog
昨日、順天堂大学で開催されましたMayo Clinic のDr. Virk の講演会に参加してまいりました。偶然にも午後東京で仕事がありましたので、参加できました。

非常に丁寧に、基本を確実に伝えるレクチャで、多くの方は満足している印象でした。

心内膜炎のreview でしたが、とても教育的でした。
臨床でこの分野のご専門だそうです。AHA ガイドラインのauthor 数名が、mentor だった、といわれていました。

合間のMayo Clinic の歴史に触れる部分もとても興味深いものでした。

余談ですが、Mayo Clinic の感染症科には、知人が2名おりDr. Virkに彼らの様子を聞いてみました。ひとりは、NY のレジデント時代の同期で、チーフレジデントをした人ですが、彼は、リサーチで大きく躍進しておりICAAC (ASM 米国微生物学会の学会)からAward をもらったそうです。

もうひとりは、ロンドン大学で熱帯医学コースの同期だった人で、彼女も元気にしていると聞きました。

自分と同期だった人たちの多くが、米国で躍進しているのを聞くとうれしく思います。

ノーベル賞受賞の日本人の方々もそうですが、やはり、「努力は報われる」、ということを実感してます。

日本の野球界にみる閉鎖・閉塞性

2008-10-07 09:46:48 | Weblog
日本の野球界は、アマチュアから日本のプロ野球を経由せずに米国メージャーリーグに行く選手に対して、「制裁措置」を取る、といいます。

私は、日本がグローバルに通用する人材を育てられない要因がここに集約されている気がします。

「個人の才能を伸ばし、そのうえで母国に貢献してもらう」などの発想はあまりないのかもしれません。

スポーツ選手、テニスの若手選手にも見られますが、10代からなど早期に世界の中でもまれた選手ほど、ポテンシャルが高い印象です。最初から、目標とすべき場所、ポイントが世界のアリーナにあるかどうか、が人生の分かれ目のように感じます。

以前、黒川清先生がその著書で書かれていましたが、自分の人生の着地点をふるさとの野山にするのか、大山にするのか、磐梯山にするのか、槍ヶ岳にするののか、富士山にするのか、それともエベレスト、キリマンジェロ、マッキンゼー、ロッキー山脈、スイスアルプスにするのか、で、方向性がおのずと決まる、のです。「よい悪い」よりも、個人としてハッピーかどうかが選択の基準だとは思います。

しかし、「グローバルに通用する人材の有無、数」=「国力」という方程式は今後の世界情勢では常にものをいうのではないか、と思います。

そういう意味で、日本の野球界の「才能の芽を摘む」「人材育成の基盤がない」措置はとても残念に感じます。

米国の感染症科専門医試験

2008-10-07 09:32:25 | Weblog
この秋には、米国の専門医試験の更新試験を受験することになっており、大変です。しかし、あらためて生涯教育教材およびその試験内容の質の高さに感動しています。

昨日は、米国の感染症科専門医の更新試験を受験しました。試験は、東京で受けられるように進化しており、コンピュータ試験化が一段と進んでいました。

試験内容に関しては公開できませんが、「臨床的な基本的知識」「必須の知識」「知らないと患者に不利益になるような重要知識」「類似疾患の鑑別診断能力」などを幅広く問われる構成でした。帰宅してから記憶があいまいだったりわからなかった点を必死で調べましたが、とても知的に楽しいひとときでした。いまやインターネットでほとんどを重要な情報にアクセスできるので、学習方法さえもかなり進化していることを肌で感じます。

結果までは3ヶ月かかるそうです。臨床的に不適切な問題、回答者で回答が大きく分かれた問題などが採点対象からはずされ、合否が決まるようです。

全米のあらゆる地域に関連した症例、移民が多い国なので、世界旅行したかのようないろいろな国の感染症や人種に依存する疾患など(感染症にかかわらず)も出題されており、とても印象的でした。米国らしくバイオテロリズムに関しても、日常診療のなかで遭遇する可能性があるため当然重要視されています。

数日後には内科の更新試験があり、10年前に必死で勉強していた内容を思い出しながら、最新の診療を少しずつですが再学習しています。内科の知識を思い出し、以前よりも自分が進歩していることを実感します。