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矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

医療の原点:患者さんの声

2016-01-31 22:22:14 | 日記
患者さんから学ばせていただくことは多いですが、お元気になって外来通院していらっしゃる患者さんが、本日の
市民講座にご参加くださいました。

新聞で市民講座を知って、私が話をするので会いに来ました〜と元気にお話しくださいました。
本当にありがたいことで、すごくうれしく感激しました。

私は正確に覚えていないのですが、ご入院中に病室に朝の診察にお伺いしたときに、「おつらいでしょう」と私が声をかけていたそうです。それがすごくうれしかった、とおっしゃいました。

患者さんへの共感、苦しみやつらさ、悲しみに共感すること、というのは医療面接で学習しますが、実践となるととても難しいことのひとつかと思います。自然にできる医療者はよいですが、時間が迫っている朝や夕方の回診で
おひとりおひとりに、どのように接するべきか、寄り添えるか、というのは至難のわざと思います。

ただ、寄り添って話を聞く、共感するだけで、どれほど気持ちがやわらぐのか、ということを学ばせていただきました。

以前、どこかで、クリニックの語源、”クリニーク”とは、寄り添って話を聞く、というような意味だと学びました。

医療の原点ですね。

市民講座:水戸好文カレッジ「国際化と感染症」

2016-01-31 14:10:43 | 感染症関連
本日は、休日の中、水戸市民講座が開催されました。


朝10時からですが、多くの方がお集まりでした。今回の試みが初とのことですが、筑波大学のサイエンスの最先端を市民に届ける、とのコンセプトで開始されたそうです。

関心の高い食の安全と感染症がテーマとして選ばれ、水戸開催ということもあり、水戸市から筑波大学へのご依頼に私のほうでお受けした次第です。

ご担当者の方は、元高校校長先生で、生涯教育などをたくさん企画主催されてきた方です。今回も、「国際化と
感染症」について、というタイトルや内容について、若手からご高齢者まで幅広いニーズに沿って欲しいとのご依頼をいただいておりました。

私のほうは、感染症の歴史を振り返りながら、ここ2-3年で世界流行のデング熱、エボラ出血熱、MERS, 日本が排除した麻しん、流行が問題の風しん、ムンプスをご提示しご説明しました。

世界の5大課題である、貧困、戦争(平和)、環境、エネルギー、医療のなかで、医療は予防中心に転換しなければならないことを強調しました。

こども、思春期、成人、高齢者、既往歴がある方、などで、予防可能な病気の予防、つまりワクチン接種を積極的にお願いしました。

高齢者の課題である肺炎球菌性肺炎、破傷風についてもご説明しました。

最後に、オリンピックも控え、また渡航する方が増えるなか、トラベルクリニックについてもご説明。

渡航前に受診して、マラリア、腸チフス、A型肝炎など、予防ができる疾患の予防、

旅行そのものの注意点、蚊の対策、水や食べ物の注意、高山病や潜水病、旅行先での持病の管理やけが・交通事故など。性行為感染症についてもHIV/AIDS, 肝炎などについて、ご説明しました。


90分セッションでしたが、75分ほどお話し、質疑応答としました。

自主的に参加されている一般市民の方の関心は高く、非常に熱心に聞いてくださいました。質問も多数出ました。

今後、さらに発展させて、水戸周辺地域の方がたに、ワクチン予防の重要性、特に高齢者の肺炎球菌ワクチン、破傷風ワクチンの接種についてお話したいと感じました。


チーズとワインの会

2016-01-31 13:53:27 | お料理、食事
年末から、ワイン会にご縁をいただき、ソムリエの方のワインセミナーやワイン会に参加しております。

水戸はスーパーグルメで、ソムリエの方がいらっしゃるフレンチやイタリアンも多くて、ハイレベルです!

週末、ご縁をいただいた親子でソムリエとチーズソムリエの方のチーズとワインの会に参加しました。
睡眠不足の状態での参加で、ちゃんと帰れる”意識を維持する”ため、少しずつ6種類のワインをいただきました。

お料理は手作りイタリアン。チーズもめずらしい高級チーズのようでした。
チーズの盛り合わせ

白カビ(カマンベールみたいな)

青カビ

塩水で洗うウオッシュ
チーズ

オランダのゴーダ

干しぶどうがまたアクセントになっておいしいです。


チーズをつかったリゾット



前菜もチーズをつかった盛り合わせ


ワインは
シャンパーニュからスタートし、(ここで飲みすぎると酔ってしまうので少なめにしました)



赤のスパークリングワイン

軽めの赤 ジュテーム(フランス語でI love you. の意味だそうです)

深い赤 デコイ

デザートワイン
ボルドーの白、その日私が一番好きだったワインです。

チーズの盛り合わせとデザートワインで、最高の組み合わせでした!残念ながら私は電車の時間もあり、早々に帰宅しましたが、組み合わせの絶妙さにご参加の方は大変盛り上がっていました。

ワイン教室主催の山梨や長野のワイナリー・ワインツアーにも参加したいと思っています。

感染症科 レクチャ-イベント & ランチ会

2016-01-30 02:33:16 | 感染症関連
当科では、お昼にランチ会をすることが多いですが、本日もランチ会。

出前のお寿司で、

インドでの臨床研究後の無事帰還、新ローテーションのレジデント歓迎、フェロー4ヶ月研修ごくろうさま、
そして当科当直の代理を快く志願してくださったお礼、などの会を開催。




アジアで実践的な臨床研究をした経験をフェローのひとりがシェアしてくれました。


たくましく、楽しく研究活動していらしたご様子を拝見できて、とてもうれしかったです。

当科はグローバルヘルス教育を掲げておりますので、自ら実践している人材は、大変貴重です。学生や初期研修医のキャリア展開にも、少し先を歩くロールモデルにもなります。

今後も、地域医療の実践をしつつ、グローバルにキャリア展開できる”人財”が自然に育つ環境を整えていきます。

血液内科患者の感染症研究会

2016-01-30 02:04:28 | 感染症関連
本日、古巣の自治医科大学血液内科のジョイント研究会にお伺いしました。

血液内科疾患の患者の血流感染について、講演させていただきました。

症例3例のご発表がありましたが、どれもご発表が大変素晴らしく、非常に勉強になる症例で感銘を受けました。
普段、当科では、血液内科疾患の患者さんを診療する機会がないので、私自身、一緒に勉強させていただき、
今後の診療にも役立つ内容で皆様に感謝しております。

自治医大の学生さんや研修医の方も多数ご参加で、とても”熱い”研究会でした!


以前感染症科を回ってくださった方、感染症科フェローだった先生、学生だった方で研修医になって頑張っている方、5-6年生の学生さんたち、薬剤部でICT感染対策チームの方も。

在任中は、四苦八苦したことも多かった古巣ですが、いつも訪れるとき”ふるさと”のような気持ちになります。
ありがたいことです。

最後に、記念撮影しました。


無事に水戸に戻りましたが、大雪で、雪が高速道路に積もっていました。


最後にサプライズのプレゼントは、ハイヤーの運転手さんが水戸の銘菓の手作り「吉原殿中」をくださったことです! 水戸のグルメは良質で、本当に感激することが多いのですが、「吉原殿中」というお菓子はきな粉をまぶしたお米(?)のお菓子です。

第2回国際Skype ケースカンファレンス 無事終了

2016-01-30 01:57:11 | 感染症関連
1月28日木曜日に、当科のジャーナルクラブの時間に、第2回国際Skype ケースカンファレンスを開催しました。


トロント大学の移植感染症科フェローの名取洋一郎先生のすばらしいプレゼンテーション、教育レクチャで、
当科フェロー、ご参加レジデントも非常に勉強になりました。


移植感染症は、経過が速く、重症な患者が多数のため、瞬時の判断が患者の予後を左右します。
そのようなときに体系的鑑別診断をあげること、かつ戦略的な意思決定をすることのトレーニングは貴重です。

症例カンファレンスで模擬体験できると、実際に見たことがなくてもずいぶん実践的なことが身につきます。

その意味で、来年度も名取先生にまたSkype 症例カンファレンスをお願いしました。

固形臓器移植患者の感染症をわかりやすく解説していただき、私も大変、勉強になりました。

明日、第2回目の移植感染症 国際Skype ケースカンファレンス です。

2016-01-27 17:19:45 | 感染症関連
当院で、疫学上診療機会がない移植患者さんの感染症について、トロント大学の移植感染症科の名取洋一郎先生とライブの国際skype ケースカンファレンスを開催しております。

明日は、その第2回。

参加者は、当院の意欲的なJ1から、フェローまで、多岐にわたります。

それぞれの学習ニーズによく沿っていただき、前回はディスカッションできました。

人数的にもお一人おひとりが発言しやすい人数だったと思います。

明日は、「固形臓器移植患者の感染症」

開催後、レポートしたいと思います。

圧巻のMicrobiologyのオンライン教材 

2016-01-27 17:14:25 | 感染症関連
本日、診療に関連してレジデントの方とWeb surfしていたところ、偶然にも、あまりにもすばらしい微生物のオンライン教材を発見しましたので、シェアさせていただきます!

南カロライナ大学医学部の監修なので、内容も信頼性が高いです。極めて良質かつアトラスが充実しており、無料公開の学習教材としては秀逸と思います。

Microbiologybook.org

特に本日は、マラリアについて、レジデントの方とディスカッションしていたのですが、このアトラスで実感を持って、臨床上重要な2種類のマラリア、

つまり
Plasmodium falciparum 熱帯熱マラリア

Plasmodium vivax 三日熱マラリア

の形態学的な特徴を見ていただけました。

百聞は一見にしかず。


アトラスを無料でシェアしていただけるのは、教育機関にいるものとして、非常にありがたいです。

ワクチン接種を推進

2016-01-25 22:29:48 | 感染症関連
ムンプスの流行で、再度、ワクチン接種を推進するきっかけとなれば、と思います。

本日、厚生労働省で麻しん、風しんに関する会議があり参加しておりました。

定期的に国民ワクチン・デーなどが開催できると接種率の維持、向上に寄与するのではないかと思います。

感染症・病理(ワイン)合同カンファレンス開催

2016-01-23 14:21:24 | 医学教育
当院の感染症科と病理部で、着任以来、教育・診療で、有益なコラボレーションをさせていただいております。

プロフェッショナルにも非常に助かっておりますうえに、パーソナルな趣味の点でもお世話になっております!

なんといっても、私のワインの先生(?)と、ワイン談義できる機会はとても貴重です。


ご縁をいただき、日本ソムリエ協会にも入会し、少しずつ勉強しております。年末にAmazon.comで英語本でベストセラーのワインの本とアトラスを購入しました。税関を通過してから配達が遅れておりましたが、無事に明日、
配達の見込みとなりました。

歴史全般が大好きな私にとりまして、ディスカッションできる仲間がいるのはありがたいことです。

世界史、美術史・芸術史、建築、食のワインなど共通しつながったことを考え、体感し、”ディスカッション”する機会として、”定例合同(ワイン)カンファレンス”を開催できるのは本当に楽しいです。

国際学会のときに、少しでも現地の文化や生活に触れようとしてきましたが、アジアの文化、ヒンズー教美術や建築の奥深さに魅せられています。それがはるかエジプト、ヘレニズム文化に始まり、イスラム帝国のアラビア文化、その影響が残っているスペインでみたアラビア美術・建築、アラビア建築、ヒンズー建築の左右対称性の美しさに感激しています。

結局、異なるヒトと異なるヒトが出会うことで、ヒトは進化し、融合し、さらに革新され、という変遷を辿ってきたことが世界を旅するなかで実感としてわかってきました。

エキゾチックなデザインにゾクゾクするほど心酔している私のお気に入りのひとつです。(旅先で撮りました)



3施設合同ケースカンファレンス 盛況終了

2016-01-23 14:14:38 | 感染症関連
2ヶ月に1回の割合で、高輪病院と症例ケースカンファレンスを開催してきました。

今回は、水戸開催、3施設合同でした。興味深い症例、専門医ならではの鑑別診断、アプローチの仕方で、非常に
勉強になりました。

私自身、本当に感染症はおもしろい!とワクワクしました。専門医カンファレンスは一番エキサイティングです!

次回は東京で開催予定です。さらに1施設、感染症科医師のいる病院と4施設での合同開催を目指しています。

症例提示していただいたフェローの方に、恒例のパリからの”金メダル”に加え、”金の延べ棒”もスモールギフトで差し上げました。

当院フェローの先生の最後の熱帯医学クイズに見事2問とも正解した岡先生にも、パリの金メダルを。

移植患者の感染症 国際skype カンファレンス 

2016-01-23 14:07:09 | 感染症関連
先週、当科のランチタイム ジャーナルクラブの時間に、臓器移植患者の感染症の国際skype カンファレンスを
初めて行いました。

第1回目は、幹細胞移植患者の感染症。感染症のなかではもっとも重症の患者です。


Skypeでの音声もまったく問題なく、クリアに、参加者の方全員に質問、発言していただけました。


症例は教育的な症例で、双方にとりまして、非常によかったです。

今後もどんどん、いろいろな教育コラボーレションを展開したいと思っています。少しずつ実行しながら、現場感覚を身につけて、より大きなプロジェクトにしていきたいと思っています。

第2回目は、固形臓器移植患者の感染症です。

ムンプス(おたふくかぜ)国内大流行につき

2016-01-22 13:36:53 | 感染症関連
ワクチン接種率が不十分な疾患が、順番に大流行する状況になっております。

一般報道でも流れましたが、ムンプスが国内大流行しているとのことです。

外来などでの注意が必要です。

ムンプスは、麻しんと異なり、不顕性感染のことも多く、不顕性感染者からの伝播も懸念されるところです。

飛沫感染対策が必要です。

成人発症の場合、急性膵炎、精巣炎、卵巣炎、髄膜脳炎などの重篤な合併症もありますので、注意が必要です。

ワクチン接種を推進する機会ととらえ、みんなで対策を徹底しましょう!

風疹に次ぎ、ムンプスの流行で、ワクチン接種を徹底しましょう。

免疫不全の患者・がん患者の感染症

2016-01-21 00:23:26 | 感染症関連
本日(1月20日)、無事に免疫不全患者の感染症、がん患者の感染症の講演会が終了しました。

がん患者の感染症では、虎ノ門病院 臨床感染症科の荒岡秀樹先生にご講演いただき、大好評でした。

特に真菌の感染症を中心に、基本から専門医向けまで参加者のニーズにとても合致した内容で、多くの質問が出ました。

今後、当院フェローなどで見学にお伺いすることなどもお願いできました。

このような貴重な教育機会はありがたかったです。

医学教育学に相当傾いているのですが、診療面では、やっぱり私は、このような微生物と感染症をとてもおもしろいなあ、とワクワクしました。