矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

昨日 IDATEN 日本感染症教育研究会 ケースカンファレンス開催

2008-11-30 15:08:00 | Weblog
帰国直後から開催している日本感染症教育研究会 IDATEN の米国式ケースカンファレンスも第15回を迎えました。年間4回開催していますので、もうすぐ丸4年です。月日の流れを感じざるを得ません。

毎回100-120名ぐらいの参加者がコンスタントに参加しており、活発な議論がなされています。

今年最後のケースカンファレンスは、昨日開催され、100名程度の参加者でした。
リピーターの参加者も多く、少しでも、臨床的かつ実践的なディスカッションの手法と知識、判断が全国に普及していくことを願ってやみません。

私自身は、来年は仕事のスタイルも大きく変える予定で、IDATEN活動自体もトーンダウンする予定です。新しいステージで、別のスタイルでの仕事をしたいと考えています。

ストレートに言わない日本人の国民性

2008-11-27 17:14:37 | Weblog
27歳で渡米した私は、無意識レベルの常識がすでに”アメリカナイズ”しているようです。自分でも気が付かないところで、そういった無意識レベルで、”日本人”的な組織での振る舞いと異なることがわかってきました。

私自身は、自分らしく、グローバルに通用する人材でいることを生涯の目標としているため、国内で「井の中の蛙」的なことと異なることはむしろ「望ましい」と感じるくらいです。

しかし、実際に、大きなものごとを実現するには、「日本式振る舞い?」のようなものを、「暗黙に了解」していることもスキルのひとつらしい、ことがわかってきました。

日本は、母国ではありますが、この国際的にもまれな「日本人の不思議な感覚」は、吉と出る場合と、「世界的観点から非常識」と判断できる場合もあり、摩訶不思議です。

フィードバック、率直な意見交換という習慣がない日本では、「陰で、いろいろうわさする」という行動になるようです。こうした行動は、建設的な解決策を生むことにはつながらず、信頼関係を損ない、むしろ、状況を悪化させる根源のように感じます。

日本の外交が、もし、こうした日本的なものを踏襲し、「日本的な感覚のみ」で行われているとすれば、アジア諸国も含め、うまくいくはずはないなあ、と感じます。国家の首相で、英語ができず通訳を通してしか各国首脳とコミュニケーションできない人が何人いるか、ということも問題ですね。日本の国家の首脳で、じかに他国の首相と交渉、コミュニケーション取れる・取れた人は、数える程度の数のようです。

日本人のコミュニケーション能力は、グローバル化の時代にふさわしいレベルに到達しているのでしょうか?少なくとも、ストレートに言う習性がない日本人は、日本人以外の相手の交渉において多いに不利になることは容易に推測できるのです。

日本人の私が戸惑う日本人の「間接的表現」は、そろそろ「より直接的、現実的」なものへと進化してもいい時代になっていると痛感いたします。



和歌山県で感染症セミナー + 関西での休日

2008-11-26 09:32:23 | Weblog
11月22日(土)、和歌山市にて感染症セミナーで講演いたしました。若手、指導医、検査技師の方がた60-70名の会でしたが、とても熱心な会でした。少しずつですが、全国的にこうした勉強会が広がっているのをうれしく感じながらすごしていました。

和歌山は、主人の実家のあるところでもあり、数ヶ月ぶりに義理の両親にも再会できとても有意義でした。今年5月の結婚式にて初めてお会いした主人の中学、高校、大学時代の友人とその家族の方々のご家庭を訪問したり、お食事会をしたりして、とても楽しいひとときでした。主人もひさびさにゆっくり友人との会話を楽しんでいるようでした。

そのなかでも46歳で他界した主人の大学時代の同級生の方のご夫婦のあり方はとても参考になりました。主人の大学時代の親友は、5年前に特発性肺線維症と診断され、余命数ヶ月と自ら自覚しながら自宅で酸素療法を続け10月に他界したのでした。その友人を気にとめていた主人は、お見舞いのつもりで連絡を取ったのですが、その日がなんと四十九日だったのです。私も一緒にご自宅にご供養にお参りしましたが、奥さんのとても暖かい人柄に感動を覚えずにはいられませんでした。

そのご主人が大好きだったキャンプ用品をいまは見ることができない、といっておられた奥さん。深い絆で長年連れ添うということを教えていただいた気がしました。

雑談となりましたが、今回の休日は、関西でさまざまな夫婦のあり方を、友人を通して垣間見ることができました。キャリアとプライベートな生活と、両方の面で、人生悔いのないように生きたいな、と改めて感じたところです。

JICA による院内感染管理者研修

2008-11-21 15:46:16 | Weblog
ここ3年間ぐらい、JICAによる途上国支援プロジェクトの一環で、院内感染対策管理者を育成するプログラムでインストラクターをしています。毎年10名程度の方がアジア、アフリカ、中南米から参加しており、今年もいろいろな国の方が来ていました。彼らの多くは、国の基幹病院で感染管理の責任者の役割をしている人たちです。医師、ナース、事務などのバックグランドです。男女もちょうど半々ぐらいでした。今年の特徴は、比較的経験が豊富な参加者が多い、とのことでした。母国に戻って、国家政策にもかかわるような立場の方のようです。

私は、ここ3年間ずっとアウトブレイク調査のケーススタディを担当しており、自分自身が経験したVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)のアウトブレイクを題材に教育的にシナリオを作成してセッションを提供しています。

今年から初めての試みで、1日セッションとなりました。午後は、アウトブレイクにかかわらず、Problem-solving のセッションとしました。集団医学、パブリックヘルスのなんらかの問題を、母国に戻って解決できるようなエクササイズをしていただきました。

受講者が主体的に参加するセッションの形式にしましたので、とても有意義でした。各受講者の、問題解決への情熱を感じられるプレゼンテーションを多く聞くことができました。

公衆衛生学的な観点からのProblem-solving の考え方自体は、Johns Hopkins の大学院生時代に学んだ方法で、非常に有効です。これをぜひ、伝えたい、と思い、受講者にセッションを提供した、というわけです。

日本の医療関連感染対策もまだまだ発展途上ですが、途上国の方と問題を共有することで、より自国の現状が見えてくるのではないか、と思います。

日経メディカルのwebsite記事 臨床+α

2008-11-19 19:26:17 | Weblog
少し前に、日経メディカルのwebsite上で、いろいろな医療従事者にインタビューしている方に出会いました。「臨床+α」というサイトを作成されていて、医学生、研修医など後進のキャリア選択の助けになれば、と勢力的な活動をされています。

先日、私もインタビューしていただき、それが掲載されていましたので、下記にお知らせです。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/rinshoplus/interview/200811/508244.html


自分の40年間の人生を振り返るよい機会となりました。今後、どのようにキャリアやプライベートな生活をしていくか、分岐点のような気がしています。

ご参考まで。



札幌ER/ICU 感染症セミナーにて

2008-11-17 23:34:35 | Weblog
本日は、札幌で、救急、集中治療を中心に診療されている先生方の研究会にお招きいただきました。かなり寒いかなと思いましたら、今日は暖かい日だったとのことで助かりました。

今日の会では、原因不明の感染症に対していかに戦略的にアプローチするか、ということについて中心にお話しました。

とても熱心な先生がたが多く、よい情報意見交換ができたように思います。

救うべき患者を確実にいかに救うか、これはどの医師にとっても永遠の課題です。

今後も草の根の勉強会、研究会などで、議論が継続するといいなあ、と思っています。

本日の一般演題で細菌検査室の役割が再度、強調されていました。
やはり、リアルタイムの細菌検査抜きには、感染症診療の醍醐味は経験できないのです。この連携と重要性について、国内でもさらに改善ができたら、と思います。

また、抗菌薬は、単純に「使用量が減少するのがよいこと」とは限りません。
抗菌薬の適正使用により、患者のアウトカムが向上することがもっとも重要な指標ではないでしょうか。抗菌薬の使用に関しては、コストの削減、入院期間の短縮、死亡率などの低下など多様な視点での評価が必要です。

日米の製薬会社のMR さんの役割の相違

2008-11-17 18:28:10 | Weblog
いつか言及したい、と思っていたのですが、今回、思いたち、書いてみます。

日米で、製薬会社のMR さんの役割が、やはり大きく異なる印象を私は持っています。米国では、私は製薬会社スポンサーの講演会などは経験したことがないのでわかりませんが、しかし、文化的に、いわゆる講演講師に「同行」するような習慣はないのではないか、と思います。(間違っているかもしれませんが)。

製薬会社が研修中のフェローに対し、教育グラントとして学会参加費などを上限つきで提供することはあります。その際も、その費用は大学に振り込まれ、フェローは上限のたとえば1500ドル以内で交通費、宿泊費などをまかなう形でした。領収書を取っておき、あとから実費を引き換える形です。

自立性の強い米国では、移動の際にも個人の都合はかなり尊重され、場合によっては夫婦同伴もほぼ常識的なことなので、製薬会社の方が同行することはなかなか難しいように推測しています。

これまで多くの製薬会社の方に講演をアレンジしていただき、講演場所にもご同行していただいておりました。チケットのアレンジなどの「秘書業務」をマーケティング担当の方が本来すべき仕事内容なのかなあ、と私自身は疑問視しつつ、お世話になっておりました。

日本がグローバル化した市場に対応するには、やはり、職務内容の見直しは必要な気がいたします。特化した仕事に集中できる社会基盤が、さまざまな職種で必要なのではないでしょうか。

いわゆる「日本式営業スタイル」で、21世紀を乗りこえられるのかどうか、私は母国を愛する日本人として、心配しているところもあります。もっとグローバル化に対応した本質的な人材育成、営業、マーケティングの即戦力の育成も世界を相手にできるような人材確保などが必要ではないでしょうか。

テニスの伊達選手の快挙

2008-11-17 18:18:43 | Weblog
私は学生時代からテニスが好きで、自分でも少しだけかじったことがありました。私の学生時代は、ドイツのSteffi Graf の全盛期で、彼女の「絶対に負けない強さ」がとても魅力的でした。岡山から東京の大会に「本物」を見ようと思い、Graf の試合を見に行ったこともありました。

伊達選手も時期を同じくして活躍していた選手で、確か彼女の引退試合はNYのMadisson Square Gardenだったと記憶しているのですが、その試合をテレビでNY在住中に見たように思います。

彼女の復帰の模様をメディアを通して興味深く見ていました。20代のころの勝つことだけが最重要だった頃と比べ、テニスが好きでプレーしているとのコメントを読みました。その精神的充実度、心、技、体がもっとも「旬」の時期なのでしょう。

38歳でシングルスとダブルスの2冠に輝く実力を発揮しているのは本当にすばらしいと感じました。

自分の限界への挑戦、進化を持続させることの重要性を改めて感じるこのごろです。

利根川進博士が日本に来年帰国されるそうです!

2008-11-14 09:49:24 | Weblog
昨日の読売新聞に、これまでのノーベル賞受賞者によるシンポジウムの様子が掲載されていました。

それによりますと、来年、利根川進博士が、米国MITから、日本の脳科学neuroscienceの研究機関に帰国されることが記載されていました。

すばらしい指導者が帰国することで、日本の若手研究者にとっては朗報に思います。

新聞記事には、利根川博士は、ノーベル医学生理学賞を受賞後、50歳からNeuroscienceの研究を開始したことが書いてあり、年齢にかかわらず、あたらしいものへ挑戦するモーティベーションをすばらしいと思いました。

また、驚きですが、利根川博士のメンターもノーベル賞受賞者、そのメンターも受賞者、だそうです。利根川博士のメンターの門下生から数名のノーベル賞受賞者が輩出されているそうで、この事実は、「いかによいメンターに出会うか」で、心の持ち方、目標設定、高い志を維持できるか、を物語っている気がします。

私自身も、自分が師と仰ぐ大半のメンターは、米国人ですが、学生時代に出会った恩師の母校の青山英康名誉教授の寛容さにより、自由なトレーニングと教育をうけることができたことはいまでもとても感謝しています。最初の入り口が非常に重要ということですね。

国外にいると、年齢、性別、人種、宗教などを完全に忘れ、純粋に自分のやりたいことに集中できるような気になるのは私だけでしょうか? 日本は、すべてが「実年齢と性別、出身大学と学閥」などに影響されすぎており、社会全体としてのポテンシャルの点で、かなり損している印象です。

「個人として」勝負できるなにかをひとりひとりが追求できる社会基盤と社会合意が必要なのではないか、とつねづね思います。

「みんなと一緒」なんて、私はまったく興味なく、おもしろくない、と感じます。
自分は、人といかに違うか、ここがユニークだ、という「自分の売り」を磨くことを最重視しています。

日本感染症学会の専門医に合格しました

2008-11-12 10:02:00 | Weblog
なんとか受験を今年はしまして、日本感染症学会の感染症専門医に合格しました。
国内、米国とも必要な資格はあるにこしたことはないため、いろいろな意味で受験を決意し受験しました。

今年は、受験三昧の年で、米国の内科、感染症科専門医の更新試験も受験しており結果待ちです。

今度、何か、画期的なことができないかなあ、と模索しています。

大学におけるClinical Educator の確立へ

2008-11-11 10:04:35 | Weblog
日本の医学部のファカルティの数は、欧米、アジアなどに比しても、かなり少ない状況となってきています。教授1名、准教授1名、講師1名、などの「古典的な」人事では、「まっとうな」医学部教育はほぼできない、といっても過言ではない、と私は確信しています。

大学は、「学校」である、School of Medicineである、という点を強調していた
エモリー大学の教授の先生の話はいまでも印象的です。

そのなかで、「リサーチ」偏重が日本の医学部の特徴でしたが、リサーチのみならず、「教育内容の質」で、質の高い学生を集め、世界に通用する人材を育成できたら、というのが私の願いです。

自分自身の役割としては、Clinical educator 臨床教育専門官、とでも訳すことができるでしょうか。米国でのClinical educatorの役割は、臨床の基本を医学部3年生、研修医などに徹底して教えることであり、みずからも一般内科医の方が多い状況です。

私は感染症を中心にそうした活動をしたい、と思っています。
国内で、斬新なメディカルスクールができるようなら、すすんでそうした役割を担いたい、と願っています。

臨床医学は、感染症に限らず、Histroy &Physical examiniation に始まり、
History & Physical examination に終わる、というのを、今あらためて感じています。

青森県立中央病院での感染症まるごとセミナー開催

2008-11-10 18:03:03 | Weblog
11月8日(土)に、青森県立中央病院で、自治医科大学の卒業生の方がたが中心となり、院内、近隣の病院の研修医の方も含め、まるまる5時間の、矢野晴美感染症まるごとセミナーを開催しました。

セミナー自体は、インターアクティブに、事前に配布しておいた問題、ケースなどを中心に行いました。ベータラクタム系抗菌薬の習得が、まず、はじめの第一歩であるため、そこを中心にお話しました。

参加者の方の目が、とても真剣で、こちらもとても刺激になりました。

休憩を取りながらでしたが、5時間でも短いくらい、あっという間に時間が過ぎた気がします。

青森県立中央病院の大谷先生らは、血液培養2セットはちまき、を院内用に作成し、血液培養2セット運動を展開しているそうです。

すこしずつでも、日本の感染症診療が、血液培養などの培養、確定診断をつける検査が中心となり、CRPに代表されるバイオマーカーのみに依存した診療から脱却することを願ってやみません。

草の根の勉強会、病院内でのイニシアチブを研修医の方々が取っている姿は、本当にすばらしいと感じます。

「知識の下克上」が、現場で起こっているのを肌で感じ、うれしく思います。

米国の変革Change に期待

2008-11-06 17:34:14 | Weblog
世界的に取り上げられている米国大統領選挙のニュースは、Change 変革を訴える若い黒人大統領 Obama 氏への期待でいっぱいです。私はちょうど選挙前に米国に滞在していましたが、私の周囲で熱気を直接感じることはできませんでした。

しかし、医学界でも大統領選挙は、医療政策に大きくかかわるため、大きな関心事でした。New England Journal ofMedicine でも、数週間にわたり、今後の米国の保険医療に関しての議論が掲載されていました。

現在、世界がもっとも注目し、期待する人物、世界のリーダーとなったObama 次期大統領に私も大いに期待しています。

私の米国のもっとも好きな側面は、やはり、「変革」「改革」が速い・早いことです。変革の時期もそのスピードも、文字通り、とても「はやい」のです。
新しい局面を迎える米国の近未来に対して、私も期待が高まります。Obama氏に象徴されるように、47才という人生のなかでも「もっとも旬」な時期に、大きな仕事ができる社会基盤をもつ米国の底力をみせてほしいなあ、と感じます。72歳の対抗する候補者の年令が問題になっていた米国の「一般市民の人選基準」も、日本との対照的な違いだなあ、と思っていました。「引退する年令」の候補者よりも、「旬の人材」を選ぶ国民性はやはりすばらしいと思いました。

ロシアの大統領も40代前半、米国の次期大統領も40代。世界を動かす重要人物は日本の重鎮よりもはるかに若い。日本の外交、政策は、この点でも、国際競争力を問われている気がします。


フェローの方を、自分の母校で見学実習へ

2008-11-04 09:48:18 | Weblog
日本に帰国した大きな目的のひとつは、日本ではまだまだ確立されていない体系的な研修システムを構築することでした。私の専門領域の感染症は、専門科としても確立していない状況で、日本での診療レベルの向上は最重要課題のひとつである、と認識してきました。

自治医科大学で、2006年からフェローシップを立ち上げました。当初はポジションも確立しておらず変則的な形でのスタートでした。2007年からは病院の公式ポストをいただけることとなり(シニアレジデント枠)、医師としての資質の高いお二人が高い志をもって赴任されました。

その中のひとりは、とても国内だけで研修したとは思えないほど、米国の標準的な診療にも知識がありました。私は、一緒に1年ほど働いただけで、すでに彼女が自治医大で学べることは限界がある、と直感していました。

そのため、米国で自分が受けた「贅沢なまでの恵まれた環境、教育内容」を彼女にも提供したくて、いろいろ画策した結果、学内での理解、後押しなども得られ、今回、4ヶ月ほどの米国での見学実習が実現しました。

さっそく彼女から近況の報告がありましたが、米国の大学病院における「シャープな診療」を肌で感じているようです。くしくも、彼女がついている指導医は、私が指導医をしていたイリノイ州の大学で、私のレジデントだった人です。

そのレジデントだった彼女も、感染症のフェローシップを終了し、母校に指導医として赴任していました。時の流れを感じるとともに、米国式の「屋根瓦」方式の研修システムの奥深さを感じています。研修医から指導医へ、教えられる側から教える側へ。そして一旦、指導医になれば、「年功序列が存在しない」世界のため、プロフェッショナルとしては対等に、学術的な意見を交換できる、そんな世界です。

一流のプロフェッショナルを育てる環境を、日本でも築きたいと切に思います。

「なあなあ」な診療(鑑別診断が甘い診療)、「標準からずれた診療」、「基本知識の欠如、基本事項の未修得に起因する見落としだらけの診療」を改善することが、日本の医療現場の重要課題である、と私は認識しています。