矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

「ウエブで学ぶ」 ちくま新書

2010-09-21 16:57:36 | 著書紹介
9月に出た最新刊ですが、

ちくま新書 「ウェブで学ぶ」

週末に購入して、半分くら読みました。黒川清先生、石倉洋子先生もご推薦の本です!

教育のグローバル化、知的財産の世界規模での共有について書かれています。

すごい時代になったものだと思います。

夢中になって読みました。

ここ数年、米国の大学で無料コンテンツの提供がかなりあるなあ、と経験から感じてはいましたが、米国での背景がボストンの名門大学MITの全コースの無料公開に端を発していたとは知りませんでした。


数年前に、母校のJohns Hopkins大学で、医学部感染症科のweekly case conferenceが無料公開(live + archives) されているのを発見し、感動しました。それ以降、母校からの寄付金の依頼には、毎年確実に寄付するようになりました。こういうすばらしい取り組みなどにぜひ使ってほしい、と切に願ってのことでした。

今年になってからは、Hopkins Alumniの”Life Time member”となるため$1000払いました。母校の学術活動を応援したいと思っています。


こうした無料のソフトウェアの提供というのが、「人類の叡智をみんなで共有することが善である」という考えから起こっていると上記の本に記載されており、米国時代に、米国の各種学会やNEJMなどの一流雑誌が、無料のガイドラインや知見の論文を提供していた社会的背景を、今回、明確に言語化して認識することができました。在米中も現在も、自分の恩師や自分が後天的に身につけた思考様式が、このような価値観に基づいていたことを改めて認識できた感じです。無意識の善の価値観だったのが、言語化できてより明確になりました。

Johns Hopkins のBloomberg School of Public Healthはalumniが東京で10月11日に開催されることになり、とても楽しみにしています。

余談ですが、自分が学習者でもあるため、”あらゆる手段を使ってもっとも効率よく、学びたいことを学ぶ”というスタイルで
いま医学教育を学ぼうとしています。まだまだ、self-directed study自主学習という面では、発展途上ではありますが、なんとかbreak throughして、Life-long learner 生涯学習者となりたいものです。

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