矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

紅葉、琵琶湖クルーズ、富士山

2010-11-30 09:15:00 | 医学教育
週末は、移動が多かったのですが、つかの間の紅葉、レジャーができました。

家族にも数時間でしたが会えました。。

紅葉がとてもきれいで、母校の校内を散策しました。





若手向けの研修会で宿泊したところが琵琶湖湖畔できれいな場所でした。


琵琶湖は、3回目ですが、はじめてクルーズしました。


帰りの新幹線で、久しぶりに富士山を見れて、うれしかったです。


和食(懐石料理などの手のこんだ純和風料理)、富士山、温泉、岡山の白桃、これが在米中に最も恋しくなる日本のものでした。

母国を誇りに思いつつ、母国の再生と発展を目指してがんばりたいと思っています。



日本の国際競争力、激減。

2010-11-30 09:05:50 | グローバリゼーション関連
この週末の各朝刊紙で、日本の国際競争力低下の記事が掲載されていました。


日経では、スイスの研究機関発表のアジア・パシフィック内での日本の国際競争力が、

2009年 17位 から、2010年 27位に転落 のニュース。


ちなみに、2009年1位は、香港、2010年 1位は、シンガポール です。
韓国、中国と比べても、日本は低位です。


ハーバード大学・大学院への留学者も、中国の500名強にくらべ、日本は100名ぐらい。
人口500万人くらいのシンガポールでは、ハーバードへの留学者が急増し、日本をはるかにしのいでいます。


また、週末、読売新聞一面で、元がんセンター総長であった先生が、国内医師が留学しないことを上げていました。
これまで、海外留学してもまったく優遇されず、むしろ冷遇されていた国内事情からは当然の帰結と感じました。

逆に、国外の一流大学で研鑽を積み、帰国した有能な人材を積極的に登用し、また国外から頭脳を国策として集めてきたシンガポールや韓国などが、日本を追い抜いたのも、当然という印象です。

このまま、母国日本が、”ガラパゴス”(鎖国的な独自の生き方・あり方)としての道を行くのか、世界共存のなかで競争力を保ち、国際的に信頼される国家として再生するのか、大きな岐路に立っていると感じます。

日本の人みんなに、地球人として、共通語である英語で渡り合い、議論でき、肌で、世界を感じる機会をぜひ、増やそう!と訴えたいです。

日本の学生に世界レベルの教育を!

2010-11-27 08:35:57 | 医学教育
昨日は、母校の医学部4年生の方への講義をさせていただきました。

私は、帰国した大きな理由のひとつが、日本の医学生、研修医の方に、世界で通常行われている質の高い教育を実現し、提供することでした。

日本で、教育改革が叫ばれて久しいなか、遅々としてその実効的な改革は進んでいない印象です。医学教育に限らず、大学・大学院教育が、世界での「国家」の競争力を左右している現状を、もっともっと日本の方に知っていただきたいという強い思いがあります。


2000年ごろから、日本が気がつかないうちに、インフラ整備を実行し、当時、右に出る企業はいない、と思われていたソニーなどのTVが、いとも簡単に、10年で完全に韓国企業に追い抜かれ、どうしようもできない状況になっていることを、ぜひ、見ていただきたいのです。

母校の学生さんらには、感染症診療と教育の現状(日本の感染症科がどうなっているのか、諸外国ではどうなのか、主に米国、欧州・アジアなどの状況も少し説明)というタイトルで講義しました。衛生学の4年生の講義でした。


世界の死亡原因の第1-10位までに感染症はかなりの割合を占めています。肺炎、下痢、マラリア、結核、麻疹、など枚挙にいとまがないのです。先進国の共通問題が、高齢化で
治る見込みのない慢性疾患(高血圧、糖尿病、ガンなど)で、医療費は高騰。合併症の発生頻度は長寿になれば増える一方と推測でき、入院の機会は増えるでしょう。一旦入院すれば、今度は、最大の合併症のひとつである医療関連感染のマネージメント、ということになります。

社会の変化・成熟に伴い疾病構造は変化し、要求される知識と判断力は絶えず変化するという意味で、医療安全の確保と感染対策・基本的な感染症診療は、今後、ニーズは増える一方と予想されます。


そうした背景から、「現時点での”事実”を丸暗記」して、「ただ単純知識と事実を吐き出す」方式の教育が、いかに無力で、対応能力を欠くものかを、強調したいのです。

時々刻々と変化する社会情勢と、サイエンスの発達で、医療現場の「常識」は変化します。その変化する「常識=標準診療」をいかに継続して学び続け、患者に最新かつ最良の診療を提供できるか・続けられるかが、プロフェッショナルとして医療従事者に要求されるスキルです。

したがって、学生時代から、一生学び続ける学び方(life-long learnerとなること)を
身につけることが、有能で、現場に必要とされる人材として必須です。

医学に限らず、日本の教育全般で、こうした視点を持った教育が必要であると強く感じています。

余談ですが、たまたま見ていたテレビの娯楽番組で”有名”私立小学校や中学校の入試問題を芸能人が解くようなものがありますが、そこから垣間見る日本の教育は、私がこどものころだった30年前とほとんど変わっていないという状況で、本当に驚愕しました。

諸外国(裕福な国など)で、iPADなどのデジタル化教育のトラアル、問題解決型の教育が主流な状況を見ていると、本当に心配になるほどです。私の同年代や後輩にあたる人たちの子弟が国外で教育を受けており、その様子を聞いているだけでも、日本の人材教育の課題、世界からの乖離を痛感します。


さしあたって、10代のころから、どんどん国外に出て、世界を肌で知って、その上で、
将来のこと、受けたい教育のことなどを若手の人たちに考えてほしい、と切に願っています。

国外では、真似できないほど、精巧で重宝し便利な”コンビニ”、”ケータイ”、”宅急便”、”新幹線”、など、日本の社会資本はありがたいのですが、これらに埋もれて、国外に出ない・知らないのはもったいない、と思います。

思いつくままに書きました。


最後に、昨日の講義のあと、熱心な学生さん10名くらいと30分以上、学習の仕方や学習教材として使うべきもの(ハリソン、uptodateなど)について、熱いディスカッションができたことをとてもうれしく思いました。

日本の若手が、世界で通用する医療従事者になるためのキーポイントは、学習材料、つまり情報源のコントロールに尽きると私は思っています。

つまり、「使う教材=知識内容と知識形成を規定する」ということから、良質かつ世界の大半の医療従事者が使っている資料(内科系では、NEJM, ハリソン、ワシントンマニュアル、uptodateなど)を使わないことは、非常に不利である、ということです。最初から、同じ土俵にのっていないことになるからです。

Happy Thanks Giving!

2010-11-26 07:23:20 | 医学教育
なつかしいですが、米国は、Thanks Giving の連休です。

CNNで、米国の空港でのsecurity checkのことなどが報道されてなつかしく思いました。

在米中、Thanks givingに「休日」だったことはほとんどありませんでした。

たいてい、on callで、病院内で仕事していた記憶があります。

一度だけ、Johns Hopkinsの大学院生だったころ、自分のmentorだった先生が、ご自宅に
ご自身が世話をしている学生たちを招待してくださり、米国の家庭料理Thanks Giving の
ターキー(七面鳥)や、かぼちゃのお料理(伝統的なThanks givingの料理)などを食べました。

欧米の休暇シーズンは、みんな家族単位で動くので、一人暮らしですと、本当にさみしい感じになりますが、mentorが、一人暮らしが多い学生のことを気遣って、家庭料理にお招きしてくださったのは、いまでも、心にしみる思い出です。

私も、そういうふところの大きい、太っ腹なメンターを見習って、帰国直後は、学生さんたち10人くらいを自宅にご招待し、夕食パーティをしたりしました。

その後、週末は、自宅にほとんどいない講演旅行のような生活になり、お招きする機会を逸していました。今年度内には、一度でも、学生、研修医のかたで、個人的にかかわっている方をお招きできたら、と思います。

ビデオオンデマンド 抗菌薬はじめの一歩 2009-2010版が完成

2010-11-26 07:07:12 | 感染症関連
2005年から、大学内の図書館のaudio visual serviceの一貫で、研修医向けセミナーを録画し、Webcastさせていただいています。

11月に、テトラサイクリン系とクリンダマイシンが追加されました! これでシリーズは完成です。

2009年から、抗菌薬のシリーズを刷新し、新しいシリーズの「抗菌薬15分ポイントマスター」というのを始めていました。

これは、今年はじめに出版した抗菌薬の基本をまとめた書籍「絶対わかる抗菌薬はじめの一歩」(羊土社)と連動するように、意識してつくったものです。


下記のサイトから、自治医大図書館で、ビデオオンデマンドの抗菌薬シリーズに入れます。

http://lib-stream0.jichi.ac.jp/stfind-public.asp?mode=1


Googleから検索したい場合、

1.「自治医大図書館」と入れていただき、図書館のトップページに入ってください。

2.図書館のトップページの、右下カラムに、「ビデオオンデマンド」がありますので、そこに入ります

3.次に、「一般の部屋」に行きます。

4.「検索」をクリックして、「抗菌薬」と入れていただくと、全10回のシリーズが出てきます。



私のもとのホームページでは、これらにつながるリンクをつくっていますが、2010年の初めのシリーズまで掲載です。(マクロライドまで)

http://www.harumigomi.com/video.htm


夕刊フジに感染症に関する記事を連載しています。

2010-11-25 16:28:50 | 感染症関連
夕刊フジに、先日から不定期ではありますが、感染症に関する記事を連載しています。

掲載期日は、日々刻々と変わる状況で決まるので、わからないのですが、一般の方が感染症から身を守るための記事で、インフルエンザのワクチン、昨日は、忘年会のシーズンの開始にあわせ、ノロウイルスなどによる食中毒に関して一般の方へご参考になるお話をしました。

たまたま都内の友人が、地下鉄に乗る前に買った新聞が夕刊フジで、私の記事が載っていたので電話連絡くれました。私のほうもそれで掲載されたことを知る、という具合です。

新聞業界の方からみれば、「掲載予定記事」のため、いつでもよく、緊急ニュースや特報があれば時期はいつでもずらすことができる記事となっています。

今度、もうひとつ記事を書いていますので、掲載される予定です。

自分が次世代に残したいものを見つけました!

2010-11-24 00:32:05 | 医学教育
今日は、東大で今後一緒にリサーチをしていただく先生と、ランチの時間を利用して
Brain storming しました。

非常に有意義な1時間半で、お互いに、話していくうちに、何がしたいのか、
どういう点をリサーチクエスチョンにするのかが明確になりました。

そのなかで、いままで世界のだれもおそらく手をつけていないポイントが明確になってきました! その先生もとても興奮し、私も、6年前に8ヶ月間も迷った末に帰国を決断したときの思いを「言語化」「ビジュアル化」できるポイントだと思い、霧が晴れたような気持ちになりました。

キャリア人生40年のうち、私はほぼ半分終了しました。今年18年目ですので。。

あと20年あまりを、いかに有効に、そして自分も幸せで満足いくもので、世界の多くの方のお役に立てるような仕事は何か、ということを考える時期にも入っていました。

今日、思いついた点は、かなりおもしろく、価値ある仕事ではないか、と思います。

素直にとてもうれしいです。楽しみながらがんばりたいと思います!


追伸:先日のWHO Dr. Margaret Chanが講演後に言っていたように、私にとっても、仕事以外の人生の側面で、やはりもっとも大切なものは家族です。自分が圧倒的な情熱をかけていることを理解してもらえることで、何倍も力が出てくるのは実感します。自由に仕事をさせてもらっている家族に感謝しています。家族の健康と幸せがあってこその自分かな、という気持ちです。


Gaia Symphony 地球交響曲 20周年記念イベント

2010-11-24 00:22:07 | プライベート
数年前からファンになり、DVDも購入して、すべて見た映画 地球交響曲 Gaia Symphonyの20周年記念イベントがありました。

現在、地球交響曲1番から7番まで映画があります。

ちょうど、元米副大統領のアル・ゴア氏が、「不都合な真実」映画化などで地球の環境問題を訴え、にわかに温暖化問題が注目を浴びたころでした。

自分のライフワークである、感染症診療と教育、地球の健康を維持・向上すること、などにつながり、かつその基盤である地球の環境を守ることにとても関心があります。

地球の偉人、賢人たちの生の声を取材した地球交響曲は、心にしみる映画です。

今年はじめにも、監督の瀧村仁さんらのイベントに参加しましたが、その気さくなお人柄、正直なお話にいたく感銘を受けました。

瀧村さんが、さまざまな「奇跡的な出会い」と「偶然=シンクロニシティ」から、すばらしい作品をつぎつぎと生み出している原動力とビジョンをお聞きするのは、とてもエキサイティングです。

今回は、第1話(1番)のなかで、アフリカ・ケニアで、親を殺されたこどもの象さんをずっと育ててきた方、また、くじらの声、歌を研究している研究者の先生の講演とトークがありました。生でこうした方々に触れることは人生の財産だと思います。

地球上のすべての生き物は、つながっており、「ひとつ」(oneness)であることを認識し、人類がおごることなく、地球上で他の生物たちと共存・共栄していく道を、きっと見つけられる、というのが今日のメッセージでした。

心が清らかになるひとときに感謝しています。

スピードと柔軟性

2010-11-23 09:17:36 | グローバリゼーション関連
11月20日の読売新聞の論壇に、ノーベル賞受賞者の小林先生が、投稿されていました。

日本の科学研究費が単年度制であることの弊害を訴え、もっと柔軟に予算を使えるようにしてほしいとの訴えでした。

私も、国内で仕事をしながら、国外の友人、同僚、メンターなどと連絡を取りながら暮らしていますが、決定的な違いは、

やはり、スピード感、柔軟性、human natureに基づいたシステムの有無、ではないか、と実感しています。

国内版、国外版と、自分をmode changeしなければならない現状は、非常に不便です。

これだけのグローバル化が進行した時代では、国内、国外の区別さえも不要であり、ボーダーレスな社会に通用する仕事、ビジョン、思考を持ちたいと切に思っています。

今日は、東大にてシンポジウムです。

2010-11-23 09:11:06 | 医学教育
祝日ですが、今日は、東大にて後期研修に関するシンポジウムに出席せねばならず、仕事です。

朝から雨ですね。

夕方、楽しみにしている催しがあるので、それを目標にがんばろうと思います!

Multiple tasks 複数の仕事を同時進行させるのは、本当に大変です。。。

あまりにやることが多すぎると、逆に、覚めてしまって、ほうっておいて、昨日は寝てしまいました。。。

一度、ぐっすり寝て、エネルギーを回復して、再び取り組みたいと思います。日頃気が付いていなかったのですが、レクチャを構成したり、文章を書いたりするのは、やはり非常にクリエイティブな仕事なので、頭がさえていないといいアイデアが浮かびません。

学術的な文献検索やそのまとめなどはもちろん、頭が冴え渡っていないと効率が悪く、同じことを何度も考えることになりますね。

やっぱり旧友はいいですね。

2010-11-21 10:47:10 | プライベート
かねてから、Soul mate として、10年来のおつきあいをさせていただいている友人が、自宅に泊まりにきました。

6時ぐらいから、12時ごろまで、尽きることなくいろいろなお話をして、とても楽しいひとときでした!

1ヶ月遅れですが、彼女のお誕生日会も兼ねました!! グリンデルベルグ自治医大店のケーキを買ってお祝いです。

青森の”最高級りんご”というのをいただきましたので、それも一緒に賞味しました。



私の家族が残念ながら都内で所要だったので、今度は家族みんなでお食事会したいです。

紅葉がとてもきれいな季節となりました~。

今日はCochrane protocolの作成

2010-11-20 10:37:08 | research
いま取り組んでいるCochrane libraryのprotocolを、なんとか週末に仕上げたいと思っています。

7月末にタイのコクランセンターに行き、author training を受け、その後8月には仕上げる予定でしたが、学会などが重なり、
Block timeが確保できず、ここまで持ち越してしまいました。


今日は、長年の親友もうちに来てくれるので、先日のice wineを一緒に楽しみたいです!

週末は、私の家族は都内でお茶会です。裏千家ですが、彼は、大学院で昨年から日本の伝統芸術も勉強しています。
「道」がつく芸術(茶道、華道、書道、柔道など)は、儒教などの影響も大きく、侘びさびの世界で、趣と奥が深いですね。

幸運の1等賞!

2010-11-19 02:04:06 | プライベート
めったにないことなので、日記です。

感動的なWHO Dr. Margaret Chanのご講演のあと仕事で会議に参加しました。

その後、お食事会があり、そのお食事会でひいたくじで、なんと1等賞があたりました!

素直にとってもうれしかったので、書き留めます。

感動! Dr. Margaret Chanのご講演

2010-11-19 01:36:34 | 感染症関連
本当に幸運に恵まれましたが、JICAの講義のあと夕方開催された、WHO事務局長の
Dr. Margaret Chanの公開講演に参加しました。


東京女子医大主催、厚労省、読売新聞後援の会は、会場が満杯でした。



講演タイトル:
"Health promises and perils in an interdependent world: breaking the cycle of poverty, misery, and illness"


小柄なかわいらしい女性という印象でしたが、そのスピーチは感動的でした。


やはり偉大な人物のオーラを感じさせるいでたちでした。

40分ぐらいのご講演は、ダイナミックで、聴衆をどんどんひきつけ、ゆっくりと、言葉を選び、鳥肌がたつくらい、神聖で情熱的で彼女の魂がつたわってくるすばらしい内容でした。

Dr. Chanが強調されていた点は、女子医大の創立の歴史に触れたあと、世界の女性問題について言及され、女性が経済的に自立することで、社会的な地位が向上し、それがひいては、女性の健康維持と促進につながること、でした。

アフリカ、アジアなど、途上国ではまだまだ女性の地位が低く、貧困から抜け出せず、
教育も受けられず、妊娠・出産に伴い命を落とす状況が多々見られます。その点からも、
女性が教育を受け、経済的に自立し、社会的地位を確保することで、自らの健康を維持、向上させることができる、というのが主張の1つでした。

その後、1948年に設立されたWHOのミッション、つまり、社会正義social justiceと
公平 equityについて述べられ、安全な空気、水、食糧、医薬品は、世界中の人が平等に
享受すべきものである、と主張されました。

貧困に関連した疾患では、HIV/AIDS, TB, Malariaと世界最大の課題のひとつである疾患について述べられました。

高齢化する社会については、平均寿命が延び、慢性疾患をかかえた人が急増する社会では、いかに慢性疾患を予防することが大事かを強調されました。

さらに、現在、地球が直面している課題である、燃料、食糧、経済、気候変化について今後のチャレンジについても話されました。

質問に対する回答で印象に残ったのは、193カ国の加盟国がありますが、そのなかで各国の法整備で、地球の健康向上につながるものとして2つを挙げられました。

1つ目は、タバコ制圧、2つ目は、2005年に合意したinternational health regulationだそうです。

仕事と家庭のバランスは?との質問では、WHOで仕事できることはいわば特権であり、
非常に貴重な機会である、と述べられました。その責務の重要性と価値を家族が理解してくれているのでこのような機会がある、といわれ家族に感謝しているとおっしゃいました。ご家族は、香港にいるそうです。息子さんには年に1回ぐらい、ご主人には年に3回ぐらいしか会えないそうですが、携帯メールなどで常に連絡は取っている、とのことでした。

エネルギッシュで、ダイナミックで、かつ聴衆を引き込むような魅力的なスピーチとそのスキル、もちろんその内容にも深い感銘を受けました。

今年は、ノーベル平和賞授賞のグラミン銀行創始者のユヌス氏のご講演にも参加でき、
世界の偉大な方のご講演で、いたく感激しております。

 

JICAの院内感染管理者研修会

2010-11-19 01:17:00 | 感染症関連
2006年から、ご縁があり、今年で5回目になりますが、JICAの事業で、途上国の医療従事者を日本の招聘し、院内感染対策研修を行うプログラムがあります。

注:プログラム名では、”院内感染”という言葉が使用されていますが、現在、国内の学会が推奨する用語は、医療関連感染です。

朝6時45分ぐらいのJRで、新宿の国立国際医療研究センター内の国際協力局に向かいました。

9時から12時まで、13時から16時ごろまでの6時間のセミナーを担当しています。



私のセッションは、午前中がアウトブレイクのケーススタディで、グループディスカッション、午後は、パブリックへルスの問題解決演習 (problem-solving exercise)です。

99年に自分がフェローのころ、CDC/SHEAが共同で提供しているアウトブレイク対策の4日間ぐらいのコースを受けました。そのときも、ケーススタディがありましたが、とても実践的で印象的でした。

帰国後、自分がインストラクターをさせていただく機会に恵まれ、いただいたセッションでは、私自身がかかわったアウトブレイクを題材にシナリオを作成しています。

この5年間、いろいろな国からの参加があり、毎回、彼らと問題を共有することで、改めて自国の対策を見直す機会にもなっています。

今年のグループも優秀で、熱心な参加者が多く、感銘を受けました。

参加国は、アジア、アフリカ、オセアニアの南国、中米など文字通り、世界のいろいろな大陸・国からです。