矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

AMEE 2016 Day 2 "CPRのシミュレーション”

2016-08-31 00:34:30 | AMEE 欧州医学教育学会
CPR 心肺蘇生のシミュレーション教育のブースがありました。

シミュレーション教育で育っていない教官たちが、シミュレーションを教えたり、シミュレーション許育を受けた学生を教えるために、”実体験”できるブースが用意されました。

期間中にぜひ行きたいと思っていましたので、行きました。卒後1年目の沖縄米軍病院でBLS (Basic Life Support), ACLS, PALS, NALSを取得しましたときに、その最初のBLS を教えていただきました。そのときの様子に似ているなあ、と思いながら実践してみました。

結構、体力が使いますね。どのくらい深くコンプレッションしないといけないのか機械がフィードバックをくれる形で、すごい時代だなあと実感しました。

CPRをしてみました。


夜、過去最高人数と伺いました。日本人会へ。。海辺のすてきなレストランで。


AMEE Day 2: 充実のFull参加と再会

2016-08-30 17:49:31 | AMEE 欧州医学教育学会
AMEE 2016も中盤から終盤にかかっています。

今回はpre-conferenceから、Day 1, Day 2と すべてのセッションに参加しており、非常に充実しております。

”学会の旧友”たちと再会して、small talkをしながら情報交換しています。非常に有益です。

Maastricht大学のmentorたちにも再会できました。私のリサーチのmain mentorであった先生とも再会できました。いまはMaastricht大学をリタイヤされたので、私の公式のmentorではなくなりましたが、socialには交流が続いています。

Day 2のハイライトは、ポーランドの学生さんの視点からの30分にもわたるplenary presentationでした。

スライドの見やすさ、プレゼンテーションの論理展開の明快さ、話し方の明快さなど多くの点で"圧巻”に価するものでした。

非常に感銘を受け、いてもたってもいられず、AMEE plenary sessionでは初めてですが、質問させていただきました。発言できてとてもうれしかったです。

学生の立場で、カリキュラム全体を見たわすことは難しく、どうやってカリキュラムを比較しますか、という質問をさせていただきました。
カリキュラムを俯瞰overviewすること、"Whole picture"を持てるには、meta-cognition 少し離れた位置から客観視する必要があります。

学生のときから、このような機会がある方の将来が非常に楽しみです。

午後は、Feedback に関するシンポジウムがあり、おそらく”世界最高のサイエンティスト”と呼ばれる4人がスピーカーでした。
どのプレゼンテーションも非常に素晴らしく、"educational science”を代表する方々の匠の内容 "state of art" を聴くことができ、感動的でした。

医学教育学にますます魅かれます。

昨日のGala Dinner 学会ディナーで、私がマスターを取得する根源的なきっかけになった5日間コース (ESMEと呼ばれる医学許育学の基本集中コース) の主催の先生にも再会し、その旨をお話と当時のお礼をいいました。とてもよろこでいらっしゃいました。


AMEE 2016 Day 1 その1: ポスター発表 終了

2016-08-29 13:18:29 | AMEE 欧州医学教育学会
本日は、朝4時半ぐらいから起きて、いろいろ作業をしました。

病院とskype meetingで、患者フォローを確認。

部屋で、ポスターのプレゼンテーションを、数回リハーサルして用語を確認。

ポスターを前日に貼り付けしました。



本番も自己評価は80点ぐらいでしょうか。無事に終了。


いろいろな友人と再会できて楽しい休憩時間を過ごしました。

pre-conferenceの2日間で出会った人たちは、一瞬にして”親友"と呼びたいくらい親しみを感じる方々で、直感的にどこかでつながっていたように思います。医学教育に同じ”熱い”情熱を持っていて、心が通じる感覚があります。


カザフスタンの医学教育センター長の女性(すごく仲良くなりました)とマストリヒト大学の同窓の方がなんと同じ大学の人たちでした!

びっくりするぐらいにSmall worldです。


カザフスタンに来年お招きいただきました。ぜひ交流を大切にして続けます。

Lovely母校のMaasstricht大学のブースにて。



First World Summit on Competency-based Education Day 2

2016-08-29 05:54:56 | AMEE 欧州医学教育学会
Day 2では、さらにCompetency-based education CBME アウトカム基盤型教育について、ディスカッションが深まりました。

早朝のEPA Entrustable Professional Activities という考え方が10年前ぐらいから起こり、CBMEの中核をなしています。

Day 1-2で、学んだtake home messageは自分のメモとして書きます。

CBMEの導入と実施では、

1. "Co-create" 共創がカギ
特に、一部署のみならず、大学・病院全体として組織として導入するほうがよさそうであること

2. 教官、指導医のための"生涯教育”として、

"Friendly supportive systems" 使いやすいサポートシステムの導入
医学教育学の基本理論、アップデートされた教育方法、最新の学生評価方法、フィードバックの仕方などの生涯教育

3. 生涯教育として、"teaching certificate"などの導入
教育するミニ資格を施設内で導入するなどする。
すでに、最先端の施設では、Teaching e-Portfoloも運用される施設があります。

自分のメモはこのくらいです。

昨日学んだこと、セッション中に考えたことで、3つだけですが、もうすでに、かなり忘れてきています。

AMEE ネットワーキング

2016-08-28 04:37:16 | AMEE 欧州医学教育学会
昨日のreception。


意気投合して記念撮影。


毎年学会でお会いする台湾の医学部長の先生など。みんな熱心に医学教育について取り組んでおり、励みになります。


学会に身を置くことで、普段、臨床の時間のウエートが高く考えることが少ないことも、どんどんアイデアをinspireされます。

多くを吸収して帰りたいと思います。

それにしても、通常のoral presentation の会場について、従来の「スクール形式」の座り方から、”医学教育学会”のため、ラウンドテーブルでディスカッション形式に会場のアレンジも変化しています。impressiveです。
(ワークショップなどはラウンドテーブルが多いですが、通常のoral presentationではまれです)




学会場の前が自然博物館で、恐竜がいました!


AMEE: First World Summit on Competency-based Medical Education

2016-08-27 19:24:12 | AMEE 欧州医学教育学会
AMEE 2016のPre-conferenceが始まりました。

今回は、First World Summit on Competency-based Medical Educationというアウトカム基盤型医学教育の第1回目のワールドサミットが開催され、参加しました。

PBLを世界中で実施するときと同じような現象が起こっているとのコメントがあり、どのように"implement"するか(根付かせ実行するか)の
議論が続いています。"Implementation Science"(実行するためのサイエンス)という領域も起こっており、非常に興味深いです。

ワークショップで、同じ年代で、医学教育部門のheadや教授の方々と出会い、女性が多くとても刺激的です。

カザフスタンの方、インドの方など、記念写真をレセプションで撮りました。

またご紹介したいと思います。カザフスタンの方とは意気投合して、来年のカザフスタンのカンファレンスにご招待いただきました。

なんとか出発!

2016-08-25 11:48:03 | AMEE 欧州医学教育学会
昨夜は、ホテルで休養し、朝、空港に戻りました。

私は成田発、甥は羽田発にアサインされてしまい、夜中にパリのオフィスに電話してフライトを変更できないか交渉しましたが両方のフライトがfullということで身動きできず。成田に向かわなければならないギリギリの時間が朝9時でしたが、そこで再度、日本のオフィスに電話したら、すんなり、幸いにも甥と同じフライトに変更できました。よかったです!

隣の甥も非常にたくましく、mileageのトランスファーの交渉を着々と進めていました。さすが。

あきらめずに交渉ですよね。従順に従うのもひとつのあり方ですが、自分の希望のリクエスト(まず言ってみること)は大切です。

交渉による変更の可能性を知っているかどうかが大切かなとも思います。経験と場数でしょうか。

保険の交渉も 当初、ハードコピーの遅延証明が要ります、との返答だったのですが、emailでフライトキャンセルと代替フライトの情報が
文書で送信されているので、それで代用できないかと交渉しました。OKになりました。デジタル化が進んで、"カウンターに行列”しなくてもよいように、コンピューターで1時間程度で代替フライトにアサインされ、emailがリアルタイムで送信されるシステムはすばらしいと思いました。

幸い、”行列による疲労”はなかったです。貴重な経験となりました。

珍道中:まさかのフライトキャンセル

2016-08-25 07:25:39 | AMEE 欧州医学教育学会
昨夜のフライトで欧州入り予定でしたが、"まさか”のエールフランスのフライトが機材トラブルでキャンセルになりました。

上り坂、下り坂、まさかの今回は、この「まさか」です!

プロブレム・ソルビングだなあ、と思いながら。

空港に先に到着していた甥から、JRで移動中に連絡があり知りました。すぐに航空会社からも携帯電話に連絡がありました。
早々に「自力本願モードに」なって、ホテルも自分たちで予約して、羽田近くのホテルに退散しました。ものすごい人がカウンター前に並んでいましたが、それに並ぶ元気もなく、即座に撤退。ホテル到着後、保険会社にも連絡してクレーム手続きをしました。

1時間後ぐらいには代替フライトがアサインされ、emailがきました。同行する甥と別々のフライトになってしまいましたが、なんとか当初の到着予定日の深夜にホテル入りできそうです。

こういったトラブルはつきもので、リアルタイムの判断が大切であることを実感します。

甥がフライトマネージメントも学んでいるため、最終目的地や経由地によって、自動的にコンピューターで機械的に振り分けられていることなどを教えてもらいました。

私はローマ経由になったため、地震が大変そうですが、こちらのフライトもどうなのかなあ、と思案しています。

学会前にメンターとリサーチミーティングの予定で早めの現地入りでしたが、それにはなんとか間に合いそうです。

プロブレム・ソルビングを楽しみます!

麻しん 再来。国内発症。

2016-08-24 14:39:06 | 感染症関連
残念です。

麻しんがまた国内発症したとの報告ありました。

ワクチン未接種者の発症です。


サイト

気を抜けない状況です。

無菌性髄膜脳炎の患者などでは、麻しん、風疹、ムンプスを鑑別に挙げなければならない状況です。

臨床現場では、留意が必要です。

医学生、研修医にしっかりと麻しん、風疹、ムンプスの予防、ワクチン接種の徹底を教育します!!

監訳書 「やさしい抗菌薬」: 原書Antibiotics Simplified 3rd edition

2016-08-24 10:23:16 | 著書紹介
この度、自治医科大学、テキサス大学の”アラムナイチーム”にて、翻訳をしました。


Antibiotics Simplified 3rd edition

翻訳書「やさしい抗菌薬」(シナジー社)


をようやく出版いたしました。

お話をいただいてから丸4年の歳月が流れましたが、なんとかここまでこぎつけました。


予約が開始されました。

アマゾンのサイト


原書は、私が感染症の教育をいかにシンプルに、わかりやすく進化させるかを思案していたときに、第1版に出会い、その後すぐに第2版が出版され、翻訳時には第3版になっていました。

日本語での書籍として、世に出したいと強く思った書籍のため、”感染症の同志”の皆さまにお声かけして実現しました。


私の代表著書の「絶対わかる抗菌薬はじめの一歩」では、抗細菌薬を厳選して執筆いたしました。

医学部4-5-6年生から初期研修医の2年間の4-5年間ゾーン (臨床医学教育のもっともクリティカルな時期)に学んでほしい抗菌薬です。


そこでカバーしきれなかった真菌薬、ウイルス薬(HIV、Hepatitis C薬を含む)、寄生虫薬が含まれています。


むずかしいと感じられることが多い真菌薬、ウイルス薬、寄生虫薬を、”シンプル”に原書がまとめていますので、その翻訳版をぜひご活用いただけたら、と思っております。

感染症科志望の方がぞくぞくと見学に

2016-08-22 23:59:21 | 感染症関連
8月は、学生さん、研修医の方にたくさん、見学に来ていただきました。

母校の感染症科志望の5年生の学生さん、初期研修医の方で感染症科志望で、総合内科の研修先として、などとてもうれしく感じます。

"自信を持って”当院での初期研修や総合内科の後期研修を、客観的な観点からもお勧めできます。

感染症科フェローシップは、グローバルヘルスの体現として行っております。集まっていただいたフェローの方も素晴らしい方が多く、
刺激し合い、切磋琢磨しております。

ご縁あって出会った方がたとのネットワークを今後も大切にします。

11例 コンサルトの日でした!

2016-08-22 23:30:38 | 感染症関連
本日は、台風とともに、感染症診療も怒涛の忙しさで、次から次へといろいろな患者さんを診察させていただきました。

スピードアップして、どんどん判断してrecommendation(推奨事項)を決めてお伝えしないと診療が回らないため、懸命でした。

チームの皆様とも、外来診療などをこなしていただきながら、連携できました。

これほど診療にどっぷりつかる日々というのも、人生のなかで限られた楽しい瞬間ではないかと思いながらラウンドしておりました。

感染症の診療と感染症の臨床教育が、あらためて自分がもっとも好きなことと認識しました。

よいチーム、プロフェッショナルとしても信頼のおける若手の方々との日々を本当に幸せに思います。

小説を読んでいます。

2016-08-21 22:18:22 | 著書紹介
私はノンフィクションを読むことが多いのですが、小説もいくつか読みます。

新聞の広告記事で見かけた小説を何冊か読んでいます。

映画化も決まったという「明日ぼくは昨日の君とデートする」(七月隆文著)

その姉妹版も2冊ぐらい買い込んで、とてもおもしろいので寝る前などにサクサク読んでいます。ちょっとした移動時間や空き時間にも読んでいます。

数年前からファンの作家のひとり、村上由佳さんの「ラビエンローズ」も購入する予定です。
デビュー作の「天使の卵」を読んで、こころが揺さぶられました。

旅行が好きなので、やはり沢木耕太郎さんのエッセイなどはJR雑誌に連載もあり、まず読みます。

日本のほかの古典的な代表的な小説も、せっかくなのでもっと読んでみたほうがよいのでしょうが、まだ「その気」になりません。。
旅先などで、川端康成、谷崎潤一郎、太宰治や三島由紀夫など読むのも風流でしょうか。