矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

当科学生ローテーション 過去最高人数

2016-05-31 23:31:07 | 感染症関連
地域の300床規模の病院で、コモンな疾患を学ぶには最適な当院。

感染症科の専門診療に興味を持つ若手の方が、続々とお越しいただき、とてもうれしく思います。
6-7月はいろいろな学生さんが来てくださり、非常によい刺激になっています。

偶然ですが、筑波大学のチュートリアル(3年生)とM4のTBLが同じ週に重なるという「試練」で、今週は筑波と水戸を3往復しています。

さて、キャリアを積んでから、もっとも学ぶ源は、「自分のメンティーから」というのを教えていただいていました。
まさにその通り、と同感です。


若手教育の点で、いまの課題は、時間です。

タイムマネージメントが困難で、私の院外の仕事は増える一方です。

異なる責任をいただき、できることを精一杯やるだけと思っています。

幸い、家族が家事を助けてくれる(以前に増して)ので、助かっています。

洗濯、そうじ、買い物、食事の支度など、できることをできる人がやる形でなんとか我が家は回っています。

週末に1日しか休みがないと、午前中、遅くまで寝込んでしまって、残り半日しかなくなり、休んだ感じがしません。

6月の国内・国外の学会

2016-05-29 13:48:44 | 感染症関連
6月は学会の季節です。

6月4-5日(土日)は米国内科学会 ACP日本支部の年次総会。3日に京都入りしています。

当日の参加もできますので、ご興味のある方はぜひお越しください。

私は2つセッションを担当させていただきます。

1日目 6月4日土曜日、10時から、英語で学ぶ臨床推論(英語で行います)。
少人数 24名定員。

2日目6月5日日曜日 13:15-14:45まで、米国UCLA Olive View Medical Centerでの臨床見学の体験報告・参加者募集セッション
(無料)

6月9-11日は(木金土)は、神戸で日本化学療法学会。
9日午後に、抗菌化学療法の生涯教育セミナーで、「発熱と胸部異常陰影のある患者へのアプローチ」を担当します。


その後、米国へ出発。
6月は、New Yorkに立ち寄り、Mount Sinai Beth Israelで学生受け入れでお世話になっている先生にお会いします。また旧知で米国で解剖学を教えている先生が、ジョージア州からNew Yorkに移住されてNew York Universityに勤務されているため訪問予定。

その後、学会 American Society for Microbiology (ASM) の年次総会 ICAACが、今年から、general meetingと合同の心機一転したMicrobe 2016という学会として開催されます。Opening Key Noteが、Bill Gatesとの対話、ということで、注目されています。抗菌薬の開発が資本主義で困難を極めるなか、グローバルヘルスの実現にどう、世界が動くか、ということで大変、楽しみにしています。

母校同級生と24年ぶりに再会

2016-05-29 13:40:10 | 感染症関連
facebookには同級生がuploadしてくれましたので、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

現在、都内八王子でみなみ野ハートクリニックを開業している母校同級生の幡芳樹先生と23-24年ぶりに再会しました!


クリニックのスタッフの皆様と


卒業後、一度も再会していない同級生もたくさんいますが、卒後10周年同窓会(私は在米中で欠席)、20周年(出席できました!)で
再会できた方も半数ぐらいいます。

今度、母校の150周年記念事業が予定されており、企画などがあるようです。ぜひ参加したいと思っています。

それにしても、New Yorkの"母校”病院であるBeth Israel Medical Center (現 Mount Sinai Beth Israle)が4年をめどに閉鎖、縮小再建する、というのは、とてもさみしい限りです。


小瓶で、ワイン飲みくらべ”自習”

2016-05-29 12:13:28 | お料理、食事
大きな瓶は、購入しても飲めないので、駅のワイン店にいらしたソムリエの方に伺って、「小瓶」を購入してみました。



爽やかな朝、ツツジがきれいでした〜。季節がワインのさわやかさに合う感じがしました。


フランスワインをまず学びたいと思いますが、私は白はチリとか、ドイツとか、ニュージーランド、カリフォルニアなどのほうが果実味が多くて辛くなくて好きです。

ボルドーのシャードニー、マコンの白を小瓶で購入。

先日、記念日のお祝いで、カリフォルニアのNapa Valleyの白をいただき、深い味わいに感動しました。赤はボルドーを試してみました。

感染症領域 さらに成熟、熟成を実感

2016-05-29 12:00:19 | 感染症関連
2005年に帰国して、早12年目を迎えていますが、歳月の流れを感じます。

あたりまえのことなのですが、10年前に、「学生」「研修医」として出会った多くの方が、卒後10年目ぐらいになり、キャリアも中堅どころになってきています。

自分自身は、仕事上、大切に思っていることは変わりなくしておりますが、周囲の成長とともに力を入れるべきところが、少しずつですが、
年々、変化していることを、学外・学会等で講演させて頂くたびに実感します。

私自身は、2010年以降、「感染症の臨床」「教育の実践」から、「教育デザインと実践」「教育の理論のリサーチ」へ大きくシフトしてきました。

60歳までの10年あまりに、どのようにエネルギーと時間を投入すべきかを計画中です。

”現役”時代の最終コーナーを回って、全力疾走できる直線コースでやりたいことは明確です。

60歳を超えても、そこからさらに発展、熟成しているたくさんの偉大な先人、メンターたちを見れば、人間、ずっと「成長し続ける」ことができる、それは自分のこころの持ち方次第、ということも学んでいます。

水戸にご縁あり、身近に感じる80歳の小澤征爾さん、80歳でエベレスト登頂の三浦雄一郎さん、もちろん医学領域では日野原重明先生、黒川清先生などなど、”現役引退年齢” 以降のachievementのほうが偉大な方を目標にしています。


受験生へのメッセージ 5月27日 日経新聞朝刊(東京本社版)

2016-05-29 11:43:44 | 医学教育
この度、医学受験生へのメッセージということで、先週5月27日金曜日の日経新聞朝刊 (東京本社版)に私のメッセージが掲載されました。

関東周辺のみ版のようです。両親にも連絡しましたが、中四国版は紙面が異なるとのことで急遽、両親にも1部送ることになりました。

記事を写真に撮りましたので、こんなイメージ、ということだけお伝えします。


グローバルに活躍できる人材をいかに教育するか、医療にしても、ほかの領域にしても、「国家の浮沈」関わっていることを強く認識しながら、教育に奔走しております。

そもそも「グローバルに」という単語がいらないほどに、地球のどこでも仕事ができ、居住できる選択肢がある時代に生まれている我々(私もまだ40代ですし!)、そして続く子供や若者たちの未来は非常に楽しみではないですか〜!

New Yorkの”母校”病院が閉鎖

2016-05-27 08:45:04 | 感染症関連
臨床留学仲間に、衝撃が走りましたが、なんと”母校”としてレジデント研修でお世話になったBeth Israle Medical Center (現 Mount Sinai Beth Israle)が4年後に閉鎖し、今後は縮小運営されることがNew York Timesに掲載されました。

Mt. Sinai Beth Israel Hospital in Manhattan Will Close to Rebuild Smaller


関係者の間では、今後病院がどうなるか、とうわさが流れていましたが、やはり現実のものとなり、お世話になったものとして、非常に残念です。

125年の歴史を閉じるとのことです。

1991年から始まった日本人プログラム(N Program)は、今年25周年、26期生が渡米予定です。こちらのプログラムも母体となる病院が閉鎖に追い込まれたため、どうなるか、というところです。

まさに晴天の霹靂の大きな変化です。

レジデントもそうですが、この5年間、自治医科大学の優秀な学生さん2名ずつ、内科の短期実習で受け入れていただいてきたため、今後の方策を考えます。

諸行無常、一瞬、一瞬を大切に生きることの大切さを実感いたします。

本日、日野市立病院にて講演させていただきます。

2016-05-27 08:39:58 | 感染症関連
本日は、大学でM4講義があります。新しい試みとして、現在当科ローテーション中の6年生2名に模擬患者になっていただきます。

Team-based learning (TBL)方式で、グループディスカッションも取り入れて行います。

その後、母校大学の同級生のご厚意で、日野市立病院で、「グローバル時代の抗菌薬適正使用」として南多摩地区での感染対策講演会を開催させていただきます。

おそらく卒後初めての再会で、23-24年ぶりとなります。なんとほぼ四半世紀ぶりです。

折しも、G7伊勢志摩サミット開催中で、とてもタイムリーな内容をお話できますので、とても楽しみにしております!

横浜市立大学市民総合医療センター セミナー無事終了。

2016-05-26 01:36:10 | 感染症関連
ご関係者のご厚意で、この数年、若手医師向けに、セミナーを開催させていただいております。

会場は熱気にあふれて、びっくりしました。立ち見の方もいらしたと伺いました。ご来場ありがとうございました。
満員御礼です。

数年来お世話になっている感染症関係の皆様と楽しいひと時を過ごさせていただきました。

ちょっと難しい症例だったかもしれませんが、実臨床で遭遇する患者さんをケーススタディ形式で共有させていただきました。

3症例で時間切れとなりましたが、また次回9月末にお伺いさせていただくことになっております。

横浜ですので、懇親会で中華料理をいただきました。ごちそうさまでした。

2大学で講義・講演

2016-05-25 00:45:05 | 感染症関連
24日火曜日は、古巣で大学院看護学科で臨床薬理の抗菌薬を担当させていただきました。

これで3年目。毎年、mid-careerの方が受講されており、とても新鮮です。昨年度、ボリュームが多いとフィードバックをいただき少し減らしましたが、私のセッションの前に、学生さんたちは本日の内容は自習済み、という状態でface-to-faceのセッションになります。

事前学習 をして対面セッション つまり、Flipped classroom形式です。

成人学習では、「自分に必要なことを、自分が選択し、自分が必要な量を学ぶ」という特性があるため、その理論を応用します。

”やらされている”学習ではdeep learningは難しく、浅い学習(superficial learning)になってしまいます。

3月のOttawa Conference(オーストラリア・パースでの学会)で、オランダのアセスメントの世界的権威の先生のすばらしいKey noteを聞かせていただきました。アセスメントに関して、これまでわかってきたことは、この3つと珠玉のfindingsを教えてくださいました。

学生(学習者)は、

"試験はいつか” "When is the test?"

”試験は何が出るのか” "What is on the test?"

”試験に不合格だったら、どうなるのか” "What if I fail?"


の3つの質問をするそうです! 確かにそうだなあ、と感心しました。

明日(今日)は、横浜市立大学附属市民総合医療センターで研修医の方向けのセッションをさせていただきます。

いつものCase-based 形式です。ケーススタディです。一般的理論をスライドで述べるだけでは”身につかない””応用されにくい”ので、
実際の”コンテキスト”(実症例または教育用に修正した症例)を提供し、思考プロセスのシミュレーションをするという形式。

ワインの勉強にも言えるなあ、と思うのですが、いくら地名と品種を覚えようとしてもすぐに忘れます。実際にレストランでソムリエの方に
サポートしていただきながら、地域と品種、好みの味(フルーティ、渋みなど)を言って、出してもらえると記憶に残りやすいです。

さて、今回のフォーカスは、「確定診断とドレナージ」です。

現場で振り返りと見直し。

「確定診断をつける」流れ(特に生検、気管支鏡など)と迅速なドレナージの意思決定と実行のスピード感。英断すべき瞬間、というのがあります。それをぜひ、”体感”していただきたいと願いを込めて症例を選びました。






症例プレゼンテーションABC

2016-05-25 00:16:01 | 医学教育
口頭での症例プレゼンテーションとカルテ記載(charting)を見れば、その人の臨床的な実力は一目瞭然と言えます。

しっかりと患者を理解し、無駄なくプレゼンテーション、またはカルテ記載できる人は十分にトレーニングが積めていると思います。
ただし、このスキルは、絶え間なく、続けながら進化、改善させていく必要があります。私もまだまだ途上です。

知識が増える、体系性を増してくることにより、情報の選択、情報の提示の仕方、まとめ方、もっとも大切なアセスメントとプランが
”熟成”されてきます。

学生、初期研修医の方へのワンポイントアドバイス。特に電話などでの短時間のプレゼンテーションでは情報を凝縮する必要があるため重要なコツがあります。

電話の場合などの時間が切迫している場合は、特に、

0. 要件を先にいう。
診断、治療上の質問がある、手術適応の評価をしてほしい、感染対策について教えてほしい、など要件をまず述べる。

症例の情報は、
1. 主語をつける。
つまり、どんな患者が、どういう理由(主訴)で来院して、どういう状態か、を述べる。


65歳日本人男性で、病的肥満、糖尿病の既往歴がある患者が、冷や汗を主訴に「徒歩で」来院し、心電図で、ST上昇が見られました。

この「65歳日本人男性で、既往歴がxxxのある患者が」の主語がない場合、聞き返す必要が出て、わかりにくく、効率が悪いです。

改善が必要な例
昨日からの発熱で来院し、悪寒、咽頭痛、咳があります。胸部痛はありません。などとなって、年齢は?、(人種は?)、性別は? 既往歴は?とこちらが聞き返す必要があるのは、改善が必要。

46歳白人女性で、既往歴に虫垂炎のある患者が、腹痛を主訴に来院されました。バイタルサインは安定していましが、腹部に圧痛とリバウンドがあり、急性腹症を考えています。などと1文があって、詳細を後から述べていただくと全体が見渡せて助かります。

2. アセスメント
暫定診断 working diagnosisをいくつか述べる。
その可能性 likelihoodを評価する。


暫定診断 は、左腎盂腎炎
左背部が痛みがあるとのことで、鑑別(除外)が必要な疾患として左の腸腰筋膿瘍も考えています。
など。


可能性の評価がない場合、いつも「疾患A 疑い」「疾患B疑い」「疾患C疑い」で、
疾患A, B, Cがすべて同列に並びます。これでは、意思決定に役立ちません。優先順位をつける、可能性の評価をする、ということが重要です。

この優先順位(可能性)は、時事刻々と変化します。最新になれば、チャートもそのように書き直す。入院しても、ずっと「疾患A, B, C疑い」でcopy & pasteが続くのは望ましくないのです。

当院では、医療面接と身体所見を最重視する教育を全診療科で徹底しています。

みんなで切磋琢磨しよう〜。一人で学習するよりも、共同学習するほうがより深い学習 deep learningが実現できます。










ワインのレッスン

2016-05-23 01:27:07 | お料理、食事
週末のワインのレッスン。

カリフォルニアワイン(赤と白)。グラスの半分ずつぐらい。

同じく、カリフォルニアNapa Vallyのシャドネー 白。濃厚でした。

赤はボルドー 2009年。1杯目の白で力尽き(限界)、半分以上残しましたが、濃厚で渋みを感じました。

週末のワイン日記終了。

「グローバル時代の抗菌薬適正使用」静岡厚生病院講演会

2016-05-20 23:56:55 | 感染症関連
本日は、静岡にて講演させていただきました。

徳川家康の銅像がありました。


静岡には、これまで数回、院内講演会、研究会でお伺いさせていただいております。

今回は、医学部6年生のときからのご縁で、お世話になっております小児科の田中敏博先生の病院で講演させていただきました。

田中先生は、沖縄米軍病院インターンの2期生で、私が学生時代に見学と受験にまいりましたときに、本当に懇切丁寧にお世話してくださいました。1期生の先生とともに、私が沖縄へ1年目で行くことを決断する決め手となった先輩方です。

沖縄以来、実に丸23年間もご縁が続き、今回も講演にお招きいただきました。

折しも、伊勢志摩サミットで、厳戒体制の新幹線で警察官の方が頻繁に車内を行き来しているなか、静岡に向かいました。

講演会では、

「グローバル時代の抗菌薬適正使用」

と題しまして、特に、カルバペネム系薬の適正使用、経口薬では第3世代セフェム系薬の削減などについて、お話いたしました。

講演後、熱心な先生からご質問をいただき、関心をもっていただきましたことをとてもありがたく思いました。

病院の抗菌薬適正使用の”成績表”として、Antibiogram アンチバイオグラムがあります。そこがスタート地点です。

最後に、感染管理看護師の方と3人で、記念写真。今後もご縁が続くことになりました。またお伺いすることになりそうです。


感染管理看護師の方は、私が東京都看護協会の感染管理看護師の養成コースで講師をさせていただいたときに、受講生だったそうです。
いまでも当時の配布資料をご活用いただいているとのことで、感動的でした。当時の努力がお役に立っていることを教えていただき、胸が熱くなりました。


また、田中先生からは、渡航外来を精力的にされていることをお伺いいたしました。患者数も多く、企業のニーズが大きく、都内などに出なくても静岡県内で輸入ワクチンも含め接種できる医療機関として、大きく発展されているご様子をお伺いしました。

当院でも、渡航外来、ワクチン外来は少しずつ患者が増えておりまして、今後もさらに拡大したいと思っております。


同期がぞくぞくと帰国の朗報

2016-05-19 01:01:02 | 医学教育
ここのところ、私の同期だった方々で、米国でファカルティをしていた方が数名、新天地として帰国しました。

Johns Hopkins時代に、同時期Baltimoreに滞在し、彼女はその後、レジデンシーなどをして、ファカルティに。都内に帰国したとの連絡をいただき、とってもうれしく思いました。

また別の同期も帰国予定を伺い、日本の医学教育が大きく変化するチャンスと思い、とても興奮します。

有益なコラボレーションをしたいといまから、楽しみです!