goo blog サービス終了のお知らせ 

矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Microbe Day 5 最終日

2016-06-20 18:32:58 | 米国微生物学会 ICAAC
最終日のお昼は、Plenary sessionで、Hand hygieneの講演がありました。

WHO推奨の「手洗い・手指消毒」の5つのタイミングを、世界的に進めているDr. Didier Pittet。講演自体も、interactiveで、語りかける形の
すばらしいものでした。圧巻といっても過言ではありません。パワフルに、世界中で取り組んでいるHand hygieneの推進を、エビデンスを元に
お話くださいました。

わたしの学会参加のハイライトは、Day 1のClinical Microbiology Board Reviewと本日のHand hygieneでした。この2つのセッションだけで十分な収穫でした。

Memory load theory (人間の短期記憶には一定の限界があるという成人学習理論)からしても、これ以上は、hold (維持)できないです。

ランチタイムは、チャイナタウンで、"飲茶ミニ日本人会"でした。初めてお会いした方がたもいらっしゃいました。




ちょっとひと息 その2

2016-06-18 23:21:19 | 米国微生物学会 ICAAC
昼休みが3時間近くありますので、その間に、眠気を覚ますため外に出ています。

チーズとワインのお店がありうれしくなりました。

今回は、米国にいるため、Napa Valleyのシャードニーやソビニョンブロンを中心に白ワインをグラスで、食事のときに試しています。
おいしいですね。

チャールズリバーがさわやかで美しかったです。Harvard, MIT, Mass Generalなどが向かい合っている川です。




Microbe 2016 Day 3

2016-06-18 22:53:49 | 米国微生物学会 ICAAC
本日も朝1つ、午後1つ、dinner lecture 1つに参加しました。

時差ぼけも治ってきているとはいえ、2時間半連続のレクチャー形式のセッションは、非常に疲れます。集中力が続かないですね。

大切なことをたくさん聞いていますが、すぐに忘れていきます。

本日の私のハイライトは、MALDI-TOF(質量分析)の現場での応用に関するセッション。診療自体が日本でも変わってきています。
血液培養が陽性になってから、4-12時間以内に同定結果がわかる時代になりました。

午後は、Tropical medicine のケーススタディに参加しました。非常に好きな分野なのですが、睡魔で途中寝ている時間がありました。

夕食は、dinner lectureに参加しました。
New York時代の同期だった方が、いまMayo Clinicで、移植感染症で教授になっているので、彼のセッションに参加しました。当時と変わらない
信頼感の高い方です。成熟し貫禄を増した趣の同期に、非常に感銘を受けます。チーフレジデントもした方です。プレゼンテーションも非常にクリアで、明快でした。

もう一人は、”研修母校”のMD Anderson Cancer CenterでCMVなどのリサーチをしている先生。東京で合同カンファレンスを開催したときに
お会いしていました。幹細胞移植患者のCMV, TBに関するセッションで、大変、勉強になりました。

会場に展示してあるAgar(寒天培地)を使ったartです。


参加者 11,000人以上のため、Exhibition hallも巨大です。移動に時間がかかり大変です。


今回の学会は会場が4カ所以上に分かれており、World Trade Centerにて。



ちょっとひと息

2016-06-17 22:28:53 | 米国微生物学会 ICAAC
New Yorkの夏を感じるハドソン川と新しいビル(World Trade Centerビルの代わりの)。


学会のあいまのひとときです。

ボストンに来たので、Sea foodをいただきました!とっても大きなロブスター。さすがアメリカンサイズ。


昼休みの時間に2時間ほどボストン美術館へ。

Microbe 2016 Day 2

2016-06-17 22:09:12 | 米国微生物学会 ICAAC
本日は、ID fellow's Dayというreviewのセッションに出ました。

Hepatitis Cに関して、治療法がどんどん変化するのでcatch upするのに大変です。リアルタイムでガイドラインなども更新されるようになっており、情報サイトなども教えていただきました。

特にC型肝炎にProtease inhibitor を使用するため、HIVとのco-infection ではintegrase inhibitorが主体のantiretroviral therapy (ART)になるなどの
臨床現場での必須事項について、いろいろスライドレクチャーがありました。

そのほか、Gram negativeの耐性菌の問題で、治療に関するreview,

午後は、Endocarditis 2016という「圧巻」のセッションに出ました。Endocarditis 50年の歴史として、Harvard大学などのこの領域の権威の先生方のレクチャは深い内容でした。

EndocarditisのCure (治癒)について、3つに分類されていたのがとても印象的で、初めての考え方でした。

1. 微生物学的な治癒 microbiological cure

2. 患者が満足する治癒

3. 循環器科の観点からの治癒ーー>治癒はしない。破壊された弁は元に戻らない、機能不全は戻らない、

ということでした。

抗菌薬による治療期間についても、2, 4, 6週間以上が主流のなかで、

1. 血流感染が解消するのは、4-48時間以内

2. 微生物の数が減るのが、4日目ぐらい

3. 体内の菌が完全に死滅するまでに2週間 ぐらい要する


という過去のリサーチデータに基づいたスライド(コメント)も大変、示唆に富んで勉強になりました。

またいつ心臓弁置換の外科手術をするのか、さまざまなRandomized studyが紹介されながら、best practiceについて考える機会になりました。個別化して考えざるを得ない、というのがひとつの結論ですが、難しい課題です。



Microbe 2016: Bill Gates Opening Keynoteセッション

2016-06-16 22:40:14 | 米国微生物学会 ICAAC
Bill Gatesのオープニングのキーノートセッションがありました。

Liveで話が聞ける貴重な機会でした。今回の学会には、11,000人ほどが参加しています。このセッションの前にはリュックサックは持ち込み禁止でバックをチェックインしなければならず、犬をつれた警備の人たちが数名、警備しています。テロ対策、厳戒体制のような感じでした。

内容は、最初に数枚のスライドで、1990年から2015年までの25年間で、5歳以下のこどもの死亡率は半減しているが、しかしまだこれだけのこどもが幼い命を失っている、という話から始まりました。Gates Foundationがどこにどのような投資をしているのかのスライドもありました。

いまはパキスタン地方でのポリオの撲滅に向けた活動に力を入れている、とのことでした。政府組織でなく民間財団だからできること、というのがあるというようなお話もありました。

途中、時差ぼけのため睡魔で目を閉じてしまいましたが、とても貴重な時間でした。

ASM Microbe 2016 Day 1

2016-06-16 22:22:40 | 米国微生物学会 ICAAC
昨日、アムトラックで無事にボストン入りしました。北東部の夏の景色がさわやかで、川や海にヨットが浮かんでいるのにとても心がなごみました。

本日は、早朝5時から起き出して、家族とボストン滞在の予定を相談。私は学会参加が中心ですが、ボストン美術館で岡倉天心のものなどを
見てきたいです。


本日は、学会参加費520ドルとは別に270ドル(高いですね!)支払って、Clinical Microbiology Board Review Courseという1日コースに参加しました。これは非常におすすめでした。スピーカーが全員Ph.Dの方で、微生物検査を取り仕切っている方がたです。

午前中3時間半、午後3時間半ぐらいに、”微生物検査”のほぼ全部の項目(しかもBoard 資格試験対応)を網羅するスライドセッションで、スライドは大変、busyでしたが、全体を見渡せる意味ではとてもよかったです。West Coastの方も、East Coastの方(New Yorkerに代表されるように非常に早口で有名)も、ともに休みなく猛烈なスピードで話していました。私にとっては、コンテンツに詳しくない点が多いので、新しい情報や内容を、ハンドアウトを見ながら吟味しているうちから、次に移ってしまい、消化不良気味なので、復習します。

内容の網羅性、体系性に感動し、サイエンスのおもしろさを再認識しました。私にとっては、滞在中の”圧巻”といえる収穫でした。
このためにボストンに来たといっても過言でないです。

学会場に、微生物学の歴史の展示がありました。日本人としてKitasatoの名前をみつけて、とってもうれしい気持ちでした。


ボストンはNew Yorkよりもさらに緯度が高いので、21時頃まで明るいです。

New York その3

2016-06-15 00:13:20 | 米国微生物学会 ICAAC
快晴の日が続き、朝は少しひんやりしていますが、昼間はカラッとしたさわやかな日です。

街を歩きながら、摩天楼の写真をいっぱい撮りました。わくわくしますね。


レジデントのころ、住んでいたアパートから色が変わるのを毎日楽しみにしていたエンパイヤーステートビルディング


フレンチビストロにて、ボルドーのソビニョンブロンの白を試してみました。
お値段は日本とあまり変わりませんでした。
メニューに、57ドルで9種類のワインのtastingもあって興味深かったです(こちらはまたの機会に。。)







New York UniversityのSimulation Center見学

2016-06-14 23:06:29 | 米国微生物学会 ICAAC
New Yorkでは、New York Universityの歯学部・看護学部で使用しているSimulation Centerを見学させていただきました。


日本でも揃えたい「診察セット」の写真を撮りました。自分が、卒後1年目でお世話になった米軍病院のときに学んだことが医師としてのスタートでしたが、そのときから、この「診察セット」は変わりません。


血圧計、耳鏡、眼底鏡、手袋、針捨てボックスなど。感染対策、医療安全面で私の基本動線はここで学びました。体にしみついております。

若手の方に伝えたい安全な動線です。

案内してくださった10年来の友人とお食事しました。めずらしいトルコの白ワインをいただきました!

New York入りしました

2016-06-13 02:15:47 | 米国微生物学会 ICAAC
今週、16日からボストンで学会です。

その前にNew Yorkで知人のお見舞い、New York University, Mount Sinai Beth Israel (母校病院)などの方とお会いします。

昨日は、New Yorkは快晴で、5th Aveにてプエルトリコのパレードがあり、非常に賑わっていました。

久しぶりの摩天楼とNew Yorkの喧騒がなつかしく2時間ほど街を歩き回りました。
なつかしい風景。



好きなビルのひとつがクライスラービルディングです。
もう21年前になりますが、はじめてNew Yorkに越してきたときに住んでいるアパートから見えていてNew Yorkを実感したビルです。


サンデーブランチのジャズバンドで、今度入ってみたいです。

本日ICAACで日本人会を開催しました。

2011-09-20 15:04:02 | 米国微生物学会 ICAAC
毎回、なるべく日本人の先生がたと貴重な機会を利用して交流を深めたいという気持ちから日本人会を開催しております。

私自身ICAACが2年ぶりでしたのでICAACでの日本人会は久しぶりです。

現地で、現地の人に教えてもらったりして味のよいレストランを選ぶ努力をしています。
なかなか味覚は欧米人と日本人では異なるので難しいのですが。。。

インターネットでもかなり調べられますが、こちらも同様で米国人の評価が高くても必ずしも日本人の口に合わないこともあります。

ともあれ12名の皆さまとお時間を共有できましたことはとても幸いでした。

普段、国内にいてもお会いできない先生も多いので、努力は必要ですがこのような会はなるべく続けていきたいと思っています。

ICAACのメインのプログラムはほぼ終了しました。

明日は古巣のSouthern Illinois Universityに移動して2日ほど滞在予定です。

やはり時差ぼけのため午後はすごく眠いです。。

2011-09-19 07:57:40 | 米国微生物学会 ICAAC
今日は学会2日目。重要なセッションが目白押しです。

なんとか午後もがんばってセッションに出ていますが、眠気のため半分ぐらい眠ってしまいます。。また会場も寒いのでuncomfortableです。最後のICAAC lectureの前にホテルに戻って寒さのため着替えました。少し温度を読み違え、軽めの服を持ってきてしまいました。予想以上に寒く、もう少し冬用の服にすればよかったです。

どのセッションもとても身になるものです。

Gram negative rodのbreakpointが変更になった点に関するセッションはいくつもあります。自分の施設の状況を調べてみたいと思っています。

驚きの大きな変化がいくつかありました。

2011-09-18 08:01:28 | 米国微生物学会 ICAAC
毎年、ICAACは、Breakfast, Dinner のlectureが目白押しで、しかも質が非常に高いものも多いのでそれに参加して勉強して、夜出かけることなどなかったのですが、今年はわずか3つぐらいしかDinner lectureがないのです。

世界経済と投資家の意向でしょうか。抗菌薬の開発にお金をかけない風潮がここまで広がっているとは大きな驚きでした。昨年IDSAに行ったときはそれなりの数はあったと思います。

今年のICAACの傾向としては、内容がGram negativeの占める割合が非常に多い印象です。
いくつもセッションが組まれており、どこかで必ず聞けるように配慮していますね。

以前、IDATENでも講演していただいたDr. David L. Patersonのすばらしいreviewがいくつもあります。引っ張りだこの状態です。

スライドも見やすく、大変わかりやすいプレゼンテションでぜひお手本にしたいと思いました。

米国のプレゼンターは、多くの人が非常に早口です。自分もそのペースに慣れていますが、内容が十分に伝わりきらないなあという印象を持ちました。コンテンツは優れているのですが、早口でスライドがbusyですと、十分についていけないまま終わってしまう印象です。結果として、風のように去ってしまう(忘れる)ことになります。

そうした”風のように去ってしまう”プレゼンテーションとは対極にあると感じたのがDr. Patersonのすばらしいプレゼンテーションでした。内容も話すスピードもスライドも際立ってすばらしかったです。

ワクチンのセッションもありましたが、スイスからの先生のすばらしいインターアクティブセッションにみんな満足しました。

Key Note sessionは、全員参加のため12,000ぐらいの参加者を前にしたプレゼンテーションですが、トップバッターのUKからのGNR専門の先生のプレゼンテーションは、非常に聴衆をengageするのが上手で、まったくあきない30分でした。

世界が本当にかなりのスピードで動いていることを実感します。

変化に対応する力を今以上につける必要があることを感じました。

日頃、journalを読む時間が十分取れていないことを反省しました。世界の動きを速やかにキャッチするにはjournalは最低限、目を通すことが必要ですね。

本日からChicagoで学会でお勉強!

2011-09-16 19:22:28 | 米国微生物学会 ICAAC
4年ぶりのChicagoにきました。予想通り、すでに寒くホテルの部屋で暖房をかけました。

いろいろな意味でなつかしさでいっぱいです。

米国の学会は、ちょうど昼と夜が逆転しており、時差ぼけのためせっかくのセッションが眠くて頭に入らないことが多いのがいつもとても残念です。

今年はなんとか時差ぼけを最小限にしたく、到着後、寝ないでがんばって起きていました。

日本人会のレストランを探して予約したりしていました。

久しぶりなので夜は少しエンターテイメントも見に行って、世界の感性に触れたいと思っています。

ミュージカルに2本行ってみようと思ってチケットを買いました。

シカゴは、美術館も充実しているので開き時間などで一度は行ってみたいと思います。

多くの知人や友人と学会会場で再会できるといいなと思っています。