矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

本日のお勧め本

2009-05-31 22:08:40 | Weblog
世界的な物理学者として知られる米沢富美子さんの自伝が出版されています。

「まず歩き出そう 女性物理学者として生きる」岩波ジュニア新書 740円

新聞の書評で知りました。

行動力と実行力が本当にすばらしい方です。その業績も世界的に高く評価されています。京都大学の先輩であったご主人と3人の娘さんがいらっしゃっるそうです。
(ご主人は現在他界されています)

「子ども」と「袋」(お子さんのオムツなど)と「カバン」(仕事かばん)を提げて、奔走するお姿は、本当にすばらしい、と感じました。(本文より引用)

その著書の中で、米沢さんが人生のモットーとされることは下記だそうです。

1.自分の能力に限界を引かない
2.まず歩き出す
3.めげない
4.優先順位をつける
5.集中力で勝負する

の5点だそうです。

今日、栃木は雨でしたが、自宅のリビングで一気に読めるほど面白い本でした。

米沢さんが生涯をかけて探求している物理学ですが、読んでいて、まるでご自身が「果てのない宇宙」のように無限の可能性を秘めている感じがしました。

本書は、理系離れが進んでいるので、日本の若者にサイエンスの面白さを伝えること、また女性の若手(中学生、高校生など)に女性の研究者としてのロールモデルを提示することなども目的のひとつとして執筆されたそうです。


男性、女性問わず、多くの日本人の方に読んでいただきたいなあ、と感じましたので、ご紹介させていただきました。


2009 ICAAC, IDSA (米国微生物学会、米国感染症学会)

2009-05-30 22:03:02 | Weblog
今年のMajor 学会です。

9月12-15日が、サンフランシスコで、米国微生物学会ICAAC
10月29日から11月1日が、フィラデルフィアで、米国感染症学会 IDSA

今日は、私が感染症科フェローをしたテキサス大学ヒューストン校感染症科の秘書のJanetから、今年もまた同窓会をする、との連絡がありました。

学会の際に、以前の恩師や同僚、同窓の多くの感染症科医と再会できるのは、本当にうれしく、有意義です。いろいろなところで活躍している人たちと情報交換できるのは、何にも代え難い貴重な機会です。

私は今年、上記のいずれかに参加できるかどうかわかりませんが、このようなお知らせメールをいただいて、うれしくなりました。

偶然ですが、いま、サンフランシスコのUCSF という大学で麻酔科のfacultyをしている友人からも数年ぶりにEmailをもらいました。米国のアカデミアで5年目になるそうで、きついけれど、がんばっているとのことでした。

米国のアカデミアは、ポジションを得るのも難しいですが、それを維持することはもっと難しい。

"Up or Out" といいますが、通常6-7年程度以内に一定の基準の業績を残せないと大学には残れない仕組みです。業績をクリアしていれば、Assistant Professor からAssociate Professor, ひいてはProfessorに昇進できます。
(役職の定員などはなく、業績による)

私の在米時代の同期、同僚、先輩などの半数程度は、米国に残って、アカデミアにいる人も多数です。

みんな競争の厳しいところで、日夜、専門分野の研鑽に励んでいるようです。

そんな友人たちに、私は日本からエールを送っています。


一期一会

2009-05-30 21:48:19 | Weblog
先日の5つ葉クローバーなどを立て続けに見つけた公園に、今日、また行ってみました。夕方お散歩したりして気分転換と体調が戻ってきていることを確認しています。

クローバのくさむらに行って、また探してみようかと思っていましたら、すでに草刈されており、もう、ほとんど残っていませんでした。

ささいなことですが、やはり、人生、「一期一会」であることを実感します。

一度のチャンスを逃すともう同じものはやってこない、ということだなあ、と思いました。

人との出会い、チャンスとの遭遇、その一度、一度を大切に、というメッセージですね。

余談ですが、今日、年令の差を越えて、私がソウルメイトと思っている友人が自宅にやってきてくれました。彼女のお話では、楽しみにしていたある研修が、実行できなくなったとのことでした。かなり以前から準備していたその研修を周囲に認めてもらえない雲行きになってきた、と。

医学教育、研修なども含む日本の教育で、「画一平等主義」というのが本当に最優先すべきことかどうか、再考する時期であると感じます。

個性的な興味や才能を伸ばすためには、「みんな一緒くた」の教育では、やはり無理です。

いま、私はなるべく若手の方がたに、望むトレーニングや研修、学習の機会を提供したい、と考えています。

若い才能の芽を摘んでしまうような慣習をみなおして、「才能をのびのびと伸ばせる」「伸びやかに学べる環境」を実現したいと切に願っています。

「みんな一緒」である必要性はない、と感じます。

「それぞれ違う」ことを寛容に認め、受け入れることが大切ではないでしょうか?

余談: 郷ひろみさんのお話

2009-05-28 15:16:33 | Weblog
余談ですが、今日は、NHKで郷ひろみさんのインタビュー番組がありました。

人間として、その姿勢にとても感銘を受けました。

常に、世間をあっと言わせますよね。

「進化する自分」を表現している人として、とても興味深くお話を聞きました。

現在、53歳、今年54歳、だそうですが、ご存知のとおり非常にエネルギッシュです。

私は存じませんでしたが、2002年から2005年まで活動休止し、New Yorkで、ボイストレーニングを受けていたそうです。Whitney Houston, Celin Dion など世界的な歌手のトレーナーについていたそうです。

ご本人は、この決断のときに、活動休止するか、自分をごまかしながら「適当に」歌手を続けるか、を比較し、やはり、自分に正直に、自分が満足できないところを追求する選択のほうが、3年間の活動休止後にもう「郷ひろみ」として戻ってこれないかもしれないけれど、のちには後悔しない、と判断したそうです。

また、郷さんは、「他人とは比較しない」そうです。
他人との比較は、「無意味な優越感」と「おかしな劣等感」をあおるだけ、と。

そして、自分がどうしても満足していなかった部分を、3年間のトレーニングで身につけることができたそうです。自分の声が、ビジュアルに見えた、そうです。

そして、「形あるものはこわれる」けれど、「自分が身につけた知識やスキル」は壊れない、失うことはない、といっていました。

1日おきの筋肉トレーニング、毎日のボイストレーニングを欠かさないそうです。

私自身も、最近、自分のキャリアについて考えることが多いのですが、大切なのは、他人との比較ではなく、「自分の軸」をもつことだと確信しています。

また、自分の人生におけるキャリアの位置づけ、何を優先するのかを常にかんがえながらバランスよく暮らしたいと思います。

先を見据えた戦略

2009-05-28 14:45:25 | Weblog
ニュースでは、神戸市が新型インフルエンザに関しひとまず落ち着いたことを宣言したようです。

しかし、対策は、いまからが「本番」です。これまでに起こったことを見直し、今後、H5N1(鳥インフルエンザ)やそのほかの新型インフルエンザで、既存の抗インフルエンザウイルス薬に耐性・無効の株が出現した場合に、十分備えることが必要でしょう。

今日、国会で、政府の諮問委員会委員長の尾身茂先生が発言されていました。
国内での医療機関での対応に重点を、といった内容でした。東京検疫所の先生も答弁されており、水際対策(空港での検疫)のみでは、不十分であり、パフォーマンス的要素が大きかった、と発言されていました。

国内での対応に関しては、日本の医療機関へのアクセスのよさ(いつでも、どこでも、だれでも医療機関を受診できる)を考慮した対応が望まれます。その点で、厚生労働省が今回、国民を誘導したように、「電話相談」の後、「指定機関受診」、という流れは、二次感染を防止し、かつ、疫学的な観点から、確定診断候補者を把握する意味で、非常に有益であったと思います。

一方、米国などの対応の情報もニュース、新聞などで報道されました。

基本的には医療機関へのアクセスが圧倒的に悪い米国での現場対応などはあまり参考にならないように思います。保険を持っている「お金持ち」しか受診できないシステムです。受診しない患者も相当数いることはCDCも推定患者数として述べていました。


米国やWHOにおけるウイルス株の解析、受診した患者の疫学情報、臨床経過などの科学的な分析は、日本での国内対策の参考になります。しかし、受診する患者のトリアージ方法、診断、治療などについては、日本の医療保険制度を加味したものが必須となります。

その点で、いったん、感染の拡大傾向が少しとどまっている今のうちに、的確な戦略を立てておく必要があると考えます。

基本的には、

結核、麻疹、水疱瘡などに代表される「空気感染」する疾患

百日咳、風疹、おたふく、そして今回のインフルエンザ、などの「飛沫感染」する疾患などを、

集約的に受け付ける窓口を各医療機関が持つのが必要ではないか、と個人的には思います。

かつ、新型インフルエンザの蔓延、という「非常事態」においても、「いつもやっている対策を徹底する」というスタンスで、医療スタッフがすぐに動けるのが理想ではないでしょうか。

SARS, H5N1などがメディアで騒がれたときだけ、必死で感染対策する、という「一夜漬け」「付け焼刃」ではなく、いつでも、どこでも、どの患者に対しても「体で覚えた感染対策」を徹底、強化する、というようになれば、と願います。


今後、厚生労働省、政府の具体的かつ現場に即した対応と、医療現場で、「何が必要だったか、どうすればよかったか」、「今後、どうするのか」の議論が、望まれます。

その際、医療現場への政府の財政的な援助は、必須と考えます。

この1ヶ月あまりの国内での感染対策議論は、非常に有益でタイムリーに進化していると感じています。これも医療現場のかたがたの努力のたまものではないでしょうか。



余談: ささやかですが、うれしいミラクルが起こりました。

2009-05-26 13:59:29 | Weblog
医学とはまったく無関係の余談です。

昨日、5月25日は、個人的にとても大切な記念日なのですが、その日、ミラクルが起こりました。

私はまだ自宅療養しておりますが、やっと外に散歩に出るくらい元気になってきました。自宅近くの広い公園で、これまでの人生で初めての体験がありました。

いっぱい咲いているクローバーの草むらで、なんと、5つ葉のクローバーを瞬間的に見つけました。その後、もうひとつ5つ葉、3つの4つ葉のクローバーが立て続けに目に飛び込んできました。驚きです。

自宅に戻り、5つ葉、4つ葉のクローバーすべてを押し花にして大切に保存することにしました。

先日、確か55葉のクローバーでギネスブックに掲載される方の新聞記事を読みましたが、人工的につくった株だそうです。

いままでの人生で、一度も4つ葉のクローバーなど見つけたことはなかったので、
ささやかですが、私の大切な日に、天がくれたプレゼントだろう、と思うことにしました。


感染対策の普及と確立に向けた大きなチャンスですね。

2009-05-26 13:56:10 | Weblog
先の投稿に関連し、今回の全世界規模の新型インフルエンザ対策により、国内の感染対策の質が飛躍的に向上するチャンスだと私は感じています。

医療現場では、一般診療所から、大病院まで、基本的な感染対策が「当たり前」となり、体が覚えて、いつでも、どこでも、どんな患者さんに対しても、実行できるようになる大きなチャンスでもあるかと思います。

患者ケアの前後で、手洗い。
標準予防策としての手袋着用。

病院内での、空気感染、飛沫感染、接触感染予防策が、実質的に浸透、普及することを願ってやみません。

今後のインフルエンザ対策: 日本感染症学会の提言

2009-05-26 13:43:08 | Weblog
先日、日本感染症学会が出した緊急提言は、非常にわかりやすくすばらしい、と好評です。

すでに多くの病院が参考にしている状況のようです。

念のため、下記にサイトを掲載します。
http://www.kansensho.or.jp/news/090521soiv_teigen.pdf



季節性インフルエンザ、今回の新型インフルエンザ(Swin-origine influenza)の対策では、この二つのインフルエンザウイルス両方の対策、さらに突然変異や遺伝子再編成(hybridization)などによる新しいインフルエンザ対策を想定することが必要な状況です。

私の親族、関東圏の友人、知人などで、いわゆる”かぜ”症状があり、咳などが出ている人も出てきました。医療現場での対応も、さぞかし複雑化していないかと懸念しております。

咽頭、鼻腔などのインフルエンザの迅速検査の感度も問題もあり、どの患者にタミフルoseltamivirなどを投与するかは、難しい問題になっているかと思います。

夏から、冬にかけ、さらにこの先ずっと同様の対策を継続していく必要がある状況で、現場では長期に気を緩められないがします。

現場の皆様が疲弊しないようお祈り申し上げます。






神戸市の公式Webサイト: 神戸の新型インフルエンザ関連

2009-05-16 22:32:38 | Weblog
Googleで容易に検索可能ですが、2009年5月16日午後10時30分現在で、神戸市サイトが公開している新型インフルエンザ関連の情報です。


2009年5月16日午後10時30分現在で、神戸市サイト
http://www.city.kobe.lg.jp/safety/health/infection/influ-index.html

英語、中国語、韓国語、スペイン語、ベトナム語による一般市民向け情報もありましたので、外国人の方には一般論としても役立つと思います。

首相官邸サイト (2009年5月16日午後10時30分現在)
http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/index.html

http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/newflu20090516_kihon.pdf

ご参考になれば幸いです。

雑談: 専門性を極める

2009-05-15 14:23:48 | Weblog
私は、自分のキャリアで、今後、感染症診療を中心に「その道を極める」ことをやっていきたいと思っています。

感染対策、臨床微生物学も近い領域ですが、私は、「患者個人の感染症診療」をやはり生涯をかけて極めたいと強く思っています。

感染症診療は、手技を伴わないため、その”売り”は、「知識」と「判断」です。
いかに、「深く、幅広い臨床知識」と「タイムリーで的確な判断」ができるか、が勝負です。

弁護士に似ています。「専門知識と判断」が”売り”のビジネスをしているのです。

「ある領域を極める」ことで私が注目しているのは、

現在、人気のパティシエの鎧塚俊彦さんです。

年代が近いため、とても参考になります。

鎧塚さんのサイトは下記です。
http://www.grand-patissier.info/ToshiYoroizuka/

芸術作品みたいなスイーツの写真をみると、本当に「職人芸」を感じさせるすばらしい作品ばかりです。

また、鎧塚さんが、「どうやって、その道を極める」ことをしてきたか、上記サイトで、ご本人がつづる自叙伝もとても興味深く読んでいます。

一度、Toshi Yoroizukaブランドのスイーツをカウンターで食べてみたいです。

主人のお誕生日などに、Toshi Yoroizukaのスイーツでお祝いしたいな、と思っています。

(余談)今日は、お気に入り曲をYoutubeで、見つけました。

Toni Braxtonの"Breathe again"です。

http://www.youtube.com/watch?v=N5R2TeBS7n4&NR=1

イリノイ州をドライブしているときによくラジオから流れていました。
イリノイ州は、田舎で、コーン畑が多く、まっすぐの一本道です。
時速140-160 kmぐらいで走っても、道がまっすぐで、畑しか見えない光景がなつかしいです。。


お花のもつ効用

2009-05-14 10:44:16 | Weblog
感染症とは関係ないのですが、人のこころ、特に患者さんのこころを癒すものとして、やはりお花の効用はすごいなあ、と改めて思いましたので書きます。

私自身、療養する身となり、親友・知人の思いやり、やさしさに本当に感謝する毎日です。

そのなかで、お花が発するメッセージ、癒しのエネルギーはすごいなあと改めて思いました。

いま自宅のリビングには、友人がプレゼントしてくれた、オレンジ色がベースのガーベラとカーネーションのフラワーアレンジ、主人のお祝いに私がプレゼントした沖縄の「ガジュマル」(観用植物として)などがあります。毎日、いろいろなメッセージを受け取っています。


お花を人の癒しに応用した方がいます。
2006年はじめに、お花の雑誌を偶然みつけました。そこに「フラワーはートセラピー」というお花を使った心理療法が掲載されていました。芙和せら先生といいます。当時、休日に芙和先生のセミナーを大阪まで受けに行きました。芙和先生ご自身は、阪神大震災でご家族をなくされたとのことでした。また、避難所で物資も少なく人々がいらだち、ささいなことで口論になったりする状況で、お花がどれほど人のこころにエネルギーを与え、癒しになるか、笑顔をもたらすかを、「心底」感じたそうです。そういうことが元になって、「フラワーハートセラピー」というものを確立していったそうです。

もう3年以上まえになりますが、当時、セミナーで、芙和先生ご本人から、お花のもつ色、特徴などから受け取れるメッセージを少し教えていただきました。
たとえば、ピンクはやさしさ、とか、赤は情熱、とか。

芙和せら先生のサイト
http://www.f-heart.org/index.html

今回、いろいろな面でサポートしてくださっている方に、また体調が戻りましたら、恩返ししたいと思っています。特に患者さんに対しては、今後、診療スタンスが変わる気がします。




キャリアの「起承転結」

2009-05-12 12:26:25 | Weblog
療養中なのでいろいろ考えることがあります。

私は、自分のキャリアについて、「起承転結」の「転」にさしかかったと認識しました。

25歳から65歳までの40年間が自分のキャリア人生だとすれば、

最初の10年:
学生時代に思い描いた、自分がやりたかった医師としてのトレーニングはほぼすべてやりました。臨床トレーニング、熱帯医学、パブリックヘルス

次の6年:パブリックヘルスの実践、米国医学部の教官になり医学教育を現場で学ぶ、帰国後、日本での実践を試みる

本年は、卒後17年目。これからのキャリアはいままでとは別の展開にしたいと思います。残り20年あまりで実現したいことを「自分のぶれない軸」として、やっていきたいと思っています。

勝間和代さんの著書「断る力」のご紹介

2009-05-12 12:22:24 | Weblog
本日のメーリングリストで教えていただいた著書のご紹介です。

勝間和代著 「断る力」


自分の人生に責任を持ち、自分の軸を大切にした生き方をするために「断る力」を持つことが大切、という本だそうです。

「依頼された仕事に振り回され」、結果として「やりたいこと」「達成したいこと」が後回しになり、前に進めない、こんな方によい本だそうです。

代替がきく仕事に振り回されず、「自分にしかできない仕事」にスペシャリストとして全身全霊で取り組むためには、「断る力」が必要だそうです。

産科医療の15カ国比較調査

2009-05-10 16:02:45 | Weblog
国内では、産科医療を維持、確保するためいろいろな議論が巻き起こっています。

下記、私の以前の同僚で、親友のひとりの、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)主席研究員の江口成美(えぐちなるみ)さんの研究が無料でダウンロードできます。

「医師確保策 -15カ国における産科医療調査ー」

2009年3月3日付け公開(PDFファイル)
http://www.jmari.med.or.jp/research/dl.php?no=397

とても興味深いです。11カ国から、共通して、産科医師の不足があるとの回答があったそうです。

そのほか、臨床研修制度や、日本の医療に関する意識調査など、興味深い研究が無料ダウンロードできますので、下記の日医総研ホームページをご参照ください。

http://www.jmari.med.or.jp/about/about.html

病院内での手洗いのタイミング

2009-05-10 13:37:52 | Weblog
新型インフルエンザ対策で、一般の方に予防策として「手洗い」の仕方などが盛んに報道されています。今回のような「非常事態」にかかわらず、「インフルエンザ対策、感染対策」で一般の方が適切な手洗い、咳エチケットなどを習慣とすることは予防医学の観点からはとても有益です。

一方、病院内での「医療従事者の手洗い、手指消毒」も、この機会にもっともっと推奨、推進していくとよいと思います。

「手洗い」の方法論も大切なのですが、「いつするのか」がもっと重要です。

「手洗い」をいつするのか?、どういうタイミングでするのか、どこを触ったあとはするのか、などを、体が覚えるほどできるようになるのが望ましいのです。

朝起きたときの洗面などと同じで、体が覚えており、習慣化して、「しないと気がすまない」という状況になるのが理想です。

病院内での医療従者の手洗いのタイミングは下記です。

日常診療では、患者さんのお部屋に入るとき・・・

1)患者さんのお部屋のドアを開ける(手が汚染される)

2)お部屋の入り口などにある洗面用シンクで手洗い、
またはアルコール性消毒ジェルなどで消毒

3)手袋着用 (診察などのときには標準予防策の一環)
(このとき手袋着用後はどこも触らない)

4)患者ケアをする
原則は、一つの手技に対して、1回手袋交換

5)”患者を触った”手袋をしたまま、ベッド、手すり、壁、ドア、自分のお顔、白衣、院内携帯PHS電話、ポケットの中のもの、コンピュータキーボードなどに触らない

6)患者さんに触れた、使用済み手袋を廃棄

7)手洗いして終了


原則は、患者ケアの「前後」で手洗いすること、です。