矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

心不全分類で世界的に有名なDr. Killip が来日

2010-09-27 20:59:44 | 医学教育
Beth Israel Medical Centerで内科レジデントをしていたときに、もっとも緊張した朝のラウンドが、心筋梗塞後の心不全の分類で世界的に有名なDr. Killipのラウンドでした。

本当に幸運にも内科レジデント1年目(インターン)のときに、CCUをローテーション中に、Dr. KillipがAttending として教育回診の担当でした。History & Physical のoral case presentationでは、みんな高い評価がほしいため、必死でほぼ暗記に近いくらいH &P を覚え、抜かりないように、ほぼ完璧なプレゼンを目指しベストを尽くしたことを思い出します。

”暗記するぐらい自分の担当患者のことをよく理解していること”が要求されていました。

朝9時からのラウンドまでに、採血結果やそのほかの検査結果をまとめ、前日からの変化などを正確に理解して、プレゼンに備えるありさまは、本当にいまでも緊張を思い出すほどですが、かけがえのない経験として体に残っています。

そのDr. Killip に推薦状を書いていただいたこともあり、今回、国内での臨床教育のため来日されると知り、ぜひ当時の御礼を申し上げにお伺いしたいと思っています。CCUをローテーションした95年からすでに15年の歳月が流れているとは、なんとも時の流れの速さを実感します。

Dr. Killip は、前にも書きましたが、医学知識が不完全で的確な判断が下せない医学生や研修医が製薬会社のコマーシャリズムやマーケティングに触れることを病院の方針として禁止して下さった方です。バイヤスのかかった情報ではなく、公平かつアカデミックな情報を元に、臨床医として的確な判断力を養うことを教育の第一の優先とされたのだと思います。

お会いしたときに、当時のことなどをお伺いしたいなと思っています。

Dr. Killipには、日本を想起していただけるようなsmall giftをお持ちしたいと思っています。

余談ですが、10年以上引越しを乗り越え愛用品となっていたタータンチェックの折りたたみがさが、JR駅で無事に見つかり、今日、手元に戻ってきました!! 本当に感激です。日本のこのような正確・迅速・親切なすばらしいサービスを世界に公正にアピールしたいと切に思っています。

メディアで大きく取り上げられている外交問題で、中国の強引なやり方に辟易しています。中国人のなかには大陸的な発想でかなりアグレッシブな方もいます。一般化しては言及できませんが、日本人は同じアジア人でも、もっと繊細で、良心的な国民です。アグレッシブな相手のペースに飲まれないことが大事ではないか、と個人として思います。

やはり、「交渉のカード」をうまく使う交渉力が必要なのでしょう。。。数日前ですが、BBCでも、かなり大きくトップニュースのひとつとして取り上げられていました。


中国に完全に主導権をとられているのは、なんとも悔しいですね。