古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

喫茶店『イプセン』に行きました。

2009年12月18日 06時25分53秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 田舎暮らしをしようと三木市の片すみに引っ越して三年が経過しました。月に二・三度は中心街の大きなスーパーに買物に出掛けます。その途中に喫茶店『イプセン』はあります。車でナメラ商店街の近くを走っているとき、道子さんがその店を見て「いまの若い人はイプセンと聞いて何のことかわかるかなー」と話していました。
 ノルウェーの劇作家イプセンが戯曲『人形の家』を書いたのは1879年。それを日本語に翻訳紹介したのは島村抱月です。古色蒼然たる明治時代のことですが『人形の家』の主人公ノラがよく知られるようになったのは、日本の女性解放が叫ばれるようになった敗戦後ではないでしょうか。
 日本の女性が参政権を手にしたのは、日本が戦争に負けてからです。占領軍によって与えられました。いまでは考えられないことですがわずか65年前には女性は選挙の投票すらできませんでした。その頃『主婦と生活』など婦人雑誌では女性解放がメインテーマになり、古い殻を破って成長する女性としてノラが紹介されていました。
 さて『イプセン』ですが、モーニングを頼んで店主に尋ねてみると昔々『純喫茶』のあった時代に開店したのではないそうです。『純喫茶』も死語になりました。「アルコールを出さない珈琲中心の」という意味ですが、「不純」の反対というイメージもあるのでしょうか。そういえば同伴喫茶とかいうのもありましたね。
 アメリカで女性が選挙の投票をしたのは1869年でした。でも投票に行くと男たちがたむろしていて、通路に立ちはだかり、いやがらせをしました。だから良家の子女は投票に行きませんでした。アメリア・ジェンクス・ブルーマーはその頃の女性解放運動家で、長いスカートをズボンのように動きやすくして活動しました。それがだんだん短くなりいまのブルマーになりました。
 イラク・クエートで婦人参政権が確立したのは2005年です。この地球上のすべての女性が本来の力と存在感を発揮する時代への歩みはぐんぐん加速しています。ぼくたち男性もしっかり……。
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