小さな贅沢 ４

まっさおに晴れ上がった
初冬の空を眺めながら
窓ガラスを拭く



大きな窓だから拭き残しのないよう、ないように



綺麗に見えていたガラスが
結構曇っていたことに気づく


ついでにレールもきれいにしましょう







朝からこころゆくまで
ガラス拭きだけに専念できる


そんな時間のあるしあわせに感謝

小さな贅沢 ３

　国道一号線のど真ん中

　歩道橋の上で夕陽を見てる


　道はまっすぐ
　その道の真正面に大きな夕日が沈んでいく



　橋の下をたくさんの車が猛スピードで駆け抜けていく

　テールランプと
　ヘッドライトと

　たくさんたくさん通り過ぎていく


　それでも
　私は
　その真上
　道のど真ん中で
　大きな夕日を見つめている





　忙しい時間と緩やかな時間

　同じ瞬間に
　全く違う「時の流れ」の中にいる



　雲の色が
　空の色が
　微妙に微妙に変化していく


　陽が沈んで
　少しずつ
　光が失われ
　今日という日が終わっていく
　

　ありがとう
　おつかれさま
　また明日、よろしくお願いします



　

小さな贅沢 ２

　朝5時
　外はまだ真っ暗


　でも、頑張って起きよう


　熱湯を沸かし
　蒸しタオルを作る


　あち、ち、ち、ち・・・・・
　　
　と言いながら頭に乗せ
　それからうなじを温め
　顔を拭く


　目の上に乗せて充分温めてから
　今度は冷水で一気に顔を洗う


　これですっきり目が覚める



　

　日の出42分前
　
　さあ、そろそろ
　一番烏が鳴くころ




　東の空は鈍色、あい色、茜色、橙色のグラデーション

　空気はまだピーンとはっている


　この瞬間が好き！！
　この瞬間が一番美しいと思う



　夜から朝へと変換する夜明け前のほんの数分

　その数分に会いたくて
　私は今日も早起き

　そして
　たぶん
　明日も早起き



　

小さな贅沢

少し前にお泊りしたホテルの夕食にサービスでついていた日本酒の小瓶
楽しみに持ち帰り飲んでみた。

地酒だそうだけれど、あら、残念！！　　好みではない。
う～～～～～ん、お口になじまないねぇ。
もう飲みたくないねぇ～～～～～


で、ごめんね、と言い訳しながらお風呂に入れた。
そう、「日本酒風呂」

ついでにほんの一握りだけれど粗塩もいれた。


もひとつついでに
花瓶にさしてあった菊の花を二つ三つ
菊風呂としゃれ込んだ。


ほんわか、ほんわか、
なんだか
ああ、しあわせ～～～～～～～～～




こんなことで
しあわせになれるわたしって超シアワセ。

秋に母を思う

　もみぢ散る母はいつまで
　　　　　　　　　　だから中今（なかいま）



　中今（なかいま）とは
　禅の用語で
　「今、この瞬間に意識を集中して生きる」
　・・・みたいなこと。




　この頃つくづく思う。

　干し柿みたいに
　母はひからびて小さくなっていく
　でも、ちゃんと
　自分自身のうまみを凝縮している


　いやなことはいや
　今やってほしいことは今



　・・・・・周りはある意味振り回されて
　ちょっと大変かもしれないけれど
　いつまでも
　周りのことを考えて
　気づかいしたり
　我慢したりしているよりも
　ずっとずっといいかもしれない、と。





　いつのまにか
　秋は深まり
　いろいろな木々が色なしていく


　そして　
　気づけば
　足元に・・・・・



　母との明日がなくなるのはいつなのか
　でも、
　それは遠からず必ずやってくる


　だから
　だから今
　この瞬間
　母といることそのものに
　ありったけの意識を集中しておこう。



　干し柿や
　　母は小さく熟してく