幸せになろうね 改め しあわせだね

日々の生活の中のほんの小さな出来事をどう捉えるかで
私達はすぐにも幸せになれるのです。

比べない 私の幸せ

2021年10月10日 16時30分28秒 | 暮らし
前向きにどんどん進んでいる人を見ると、
つい自分と比べてしまう。

自分の喜びで、みんなを幸せにしている人を見ると、
もっと、自分と比べてしまう。

60歳も半ばに来て、
私は今まで一体何をしてきたのだろう。
残された日々の中で、
いったい何ができるのだろう。

つい、そんなことを考えてしまい、
自分がとっても小さくて、つまらなく思えてしまう。


そんな悶々にまた出会ってしまった。

釧路湿原を旅して出会った人たちが、あまりにも偉大過ぎて、
あまりにもキラキラしていて、
自分の人生がお粗末に見えてしまったのだ。


だから、「西の魔女が死んだ」を読み直してみた。

この中には私の大好きな地味で静かな生き方が満ち溢れている。

地味で静かだけれど、人生への美しい姿勢が込められている。

魂はそれぞれのプログラムを持って生まれてきている。

比べるなんて愚かな事。


そう、私は私なりに、私の「たいへん」をいっぱい乗り越えてきたんだった。

苦しかったでしょう?!

悲しかったでしょう?!

三日で5キロもやせてしまったでしょう?!

死のうとも思ったでしょう?!

・・・でもあなたはこうして生きている!!

傷ついて、打ちのめされて、

それでも、立ち上がって、今日まで頑張って生きてきたよね?!

彼らのような功績は何一つ残ってはいないけれど、

彼らのように前向きにキラキラはしていないかもしれないけれど、

それはそれでいいんじゃなくて????

だって、それが、あなたの人生プログラムなんんだもの。

あなたはあなたなりに、自分を見つめて生きてきたんだもの。



人生プログラムは人それぞれ。

世間に多大な功績を残す人もいれば、

ひっそりと、片隅で、まじめな日々を送る人がいる。


あなたが、あなたを偽ってさえいなければそれでいいんだと思うわ。

ただ、もしこれから、より、幸せを感じたいなら、
そして、より、人生を堪能したいなら、
心の片隅に聞こえる小さな声を大切に迅速に取り上げてあげることね。

できるだけ、できるだけ速く、ね。

だって残された時間は、今まで生きてきた時間ほどはないし、
思いが実現するまでのタイムラグがとても短くなった時代なのだから。


・・すべての不幸は比べることから始まる、という。

あまりにも偉大な人々に出会うと、つい、そうじゃない自分と比べてしまう。

それによって発奮し、自分の行きたい道を目指すきっかけになるならよいのだが、

単に比べて卑下してしまっては「不幸の罠」のおもうつぼ。

クワバラ、クワバラ、ご用心!!

     満天の星空 2021・10・4   安藤誠 撮影





身体があるしあわせ

2021年10月10日 16時09分27秒 | ひとりごと
魂は身体を持つことによってしか物事を体験できないし、
 
 体験によってしか、魂は成長できないんです
よ。

 ですから、この世に生を受けるっていうのは

 魂にとっては願ってもないビッグチャンスというわけです。

 成長の機会が与えられたわけですから。

                  


「成長なんて」

まいは、なぜだかわからないが腹が立ってきた。

「しなくたっていいじゃない」

おばあちゃんは困ったようにため息をついて、

「本当にそうですね。

 でも、それが魂の本質なんですから仕方がないのです。

 春になったら種から芽が出るように、それが光に向かって伸びていくように、

 魂は成長したがっているのです」


_______ 中略 _______


「それに、身体があると楽しいこともいっぱいありますよ。

 まいはこのラベンダーと陽の光の匂いのするシーツにくるまったとき、

 幸せだとは思いませんか?

 寒い冬のさなかの日だまりでひなたぼっこしたり、

 暑い夏に木陰で涼しい風を感じるときに幸せだと思いませんか?

 鉄棒で初めて逆上がりができたとき、

 自分の身体が思うように動かせた喜びを感じませんか?」


              
  新潮社  「西の魔女が死んだ」 梨木香歩 著  P.100~101 より


 2021・10・6 美瑛にて

こんなことは私の致命傷にはならない

2021年10月10日 15時32分37秒 | ひとりごと
まいはかしこい子ですから、自分のことがわかる。
 
 これから先、どんな傷を負っても、その傷で、

 自分がすっかりダメになってしまわない、って確信があるでしょう」


_____ 中略 _____


これからも自分には手痛いことが起こり続けるだろうこと、

それに自分がひとつひとつ、心身ともに傷つきながら関わらざるをえなくなるだろうことを、

真夜中の山野に雷が光って一瞬全てが視界に入るように把握したのだった。

かなりのことが起こるだろう。

身も心もズタズタになるようなことも。

けれど、それが、私をすっかりだめにすることはないだろう。

今までもそうであったように。

私はどう応えていいのかわからず、黙っていた。
祖母は、

「どんなことが起こっても『こんなことは私の致命傷にはならない』って、

自分に言い聞かせるんです。

そうすれば、そのときはそう思えなく、

心と体のどこかに、むくむくと芽を出す、新しい生命力の種が生まれます」




「こんなことは私の致命傷にはならない」

私にはこれまで、確かに致命的と思われるような出来事も起こったけれど、

そのたび私は、祖母の教えを忠実に守り、

「こんなことは私の致命傷にはならない」と、まじないのように唱え続けてきた。

起き上ることができないような日々が続いても、

そのことばは、冬の午後の暖かい光のように、

辛抱強く,凍え切った大地に吸収されていったのだった。

こんなことで、自分がだめになることはない、決して。

こんなことで、あなたはだめにならない、決して。

  
    新潮社  「西の魔女が死んだ」 梨木香歩 著  P.194~195 より

 
        2021・10・6  5;56   上富良野町にて十勝岳を望む