経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

知財信託の現状

2007-06-26 | 新聞・雑誌記事を読む
 知財信託で先行、というか孤軍奮闘されているJDC信託が本日の日経金融新聞に取り上げられています。将来が期待される分野であるものの、「継続企業の前提に関する注記」が2期連続で付けられるなど、これまでのところはかなり苦戦されているようです。
 同社の場合、信託財産の残高に応じて受け取る信託報酬が収益の基盤になってくるので、信託財産がどれだけ積み上がるかが勝負になってきます。前記末に332億円だった残高が今期は930億円まで増加し、今期は6億円程度の経常利益が出る計画とのことです。ざっと逆算してみると、600億円の残高増加で経常利益が約13億円増加(前期は約7億円の経常赤字)する計算なので、他の収益もあることを考慮すると、信託報酬は2%弱といったところなのでしょうか。
 それにしても、今は経常赤字に苦しんでいるとはいえ、全く新しいビジネススキームで300億円以上の預かり資産があるというのは、大変な実績であると思います。ファンドの残高増加は何よりもパフォーマンスが第一なので、ここからは各々のファンドのパフォーマンスがどれだけあがるかが問われることになってくるのでしょう。
 尚、同社が対象とする「知財」について、映画、アニメ、ゲーム(=著作権)が対象になっているようです。パフォーマンスという点を考えると、確かに「特許」では厳しいということなのかもしれません。


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2 コメント

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映画「フラガール」 (大ネコ)
2007-06-27 08:30:10
日本デジタルコンテンツ信託の名前は、映画「フラガール」のエンドロールで、感動して涙目で見たのが最初です。
良い映画に投資するお金を集めて、興行収入とDVD売り上げで回収して、投資家に還元する、というビジネスモデルがうまく回って、これからも企業として継続していってくれることを、映画ファンとして願っています。
==大ネコ
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Unknown (土生)
2007-06-27 09:32:22
大ネコ様、
コメント有難うございます。
大ネコさんが感じられているように、映画などのコンテンツは実感があるという点で、特許に比べて理解を得やすいスキームなのだと思います。今期こそは是非、軌道に乗せてもらいたいですね。
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