経営情報誌「オムニマネジメント」(2011年8月号)にご掲載いただいた原稿、「知的財産を活かして競争力を高めよう」を以下のWebページに公開しました。
論文・記事アーカイブス http://www.ipv.jp/activity/archives.htm
「知的財産を活かして競争力を高めよう」 http://www.ipv.jp/images/archives/omni1108.pdf
論文には長々と書きましたが、要するに(といってもちょっと長いですが)こういうことです。
「知的財産を活かす」とかよく言われるけれども、企業(特に中小・ベンチャー)の経営者は何をどのように考えればよいのだろうか?
知的財産というと、技術やブランドを守る、とイメージしやすいかと思いますが、企業の競争力強化という目的を考える場合、大事なことは「技術やブランドなどの知的財産を囲い込むこと」ではなく、「技術やブランドなどの知的財産を活かして『顧客を囲い込むこと』」です。では、知的財産がどうやって顧客の囲い込みに結びつくのか。
技術やブランドなどの知的財産は、自社が工夫して磨き上げてきた他社との違い、顧客に対するセールスポイントとなるものです。
知的財産に力を入れるということは、第1にそれをしっかりマネージメントする(権利を取得したり情報を管理したりする)ことによって、顧客にアピールする自社の特徴に形をつけること。これをやらないと、どこが自社の特徴なのか、社内で認識を共有することができないし、自社の強みを「会社の財産」として保有することもできません。また、強みに形をつけようとする過程で誰が貢献したかも明らかになってくるので、社員の成果を評価し、ヤル気を引き出すことにもつながります。
こうして形をつけた知的財産は、知的財産権を得ることで競合他社の排除に結びつくほか、サプライヤーとの交渉も有利になるし、「わが社のオリジナルですよ」とPRすることにも使える。形をつけて権利にしておけば、他社と一緒に使いやすくもなり、自社だけで足りない部分をパートナーにカバーしてもらう可能性も広がる。競合他社を排除するというだけでなく、形を付けた知的財産=自社の強みを顧客に届けるために、様々なオプションを得ることができるということです。
ステレオタイプの知財の成功イメージ(他社を排除して市場独占・ライセンス料でがっぽり儲ける)に囚われず、こうしたオプションの多様性を意識して、「顧客を囲い込む」という目的のために最適の方策を探ること。これがまさに「知的財産を活かす」ことの本質と言えるでしょう。
論文・記事アーカイブス http://www.ipv.jp/activity/archives.htm
「知的財産を活かして競争力を高めよう」 http://www.ipv.jp/images/archives/omni1108.pdf
論文には長々と書きましたが、要するに(といってもちょっと長いですが)こういうことです。
「知的財産を活かす」とかよく言われるけれども、企業(特に中小・ベンチャー)の経営者は何をどのように考えればよいのだろうか?
知的財産というと、技術やブランドを守る、とイメージしやすいかと思いますが、企業の競争力強化という目的を考える場合、大事なことは「技術やブランドなどの知的財産を囲い込むこと」ではなく、「技術やブランドなどの知的財産を活かして『顧客を囲い込むこと』」です。では、知的財産がどうやって顧客の囲い込みに結びつくのか。
技術やブランドなどの知的財産は、自社が工夫して磨き上げてきた他社との違い、顧客に対するセールスポイントとなるものです。
知的財産に力を入れるということは、第1にそれをしっかりマネージメントする(権利を取得したり情報を管理したりする)ことによって、顧客にアピールする自社の特徴に形をつけること。これをやらないと、どこが自社の特徴なのか、社内で認識を共有することができないし、自社の強みを「会社の財産」として保有することもできません。また、強みに形をつけようとする過程で誰が貢献したかも明らかになってくるので、社員の成果を評価し、ヤル気を引き出すことにもつながります。
こうして形をつけた知的財産は、知的財産権を得ることで競合他社の排除に結びつくほか、サプライヤーとの交渉も有利になるし、「わが社のオリジナルですよ」とPRすることにも使える。形をつけて権利にしておけば、他社と一緒に使いやすくもなり、自社だけで足りない部分をパートナーにカバーしてもらう可能性も広がる。競合他社を排除するというだけでなく、形を付けた知的財産=自社の強みを顧客に届けるために、様々なオプションを得ることができるということです。
ステレオタイプの知財の成功イメージ(他社を排除して市場独占・ライセンス料でがっぽり儲ける)に囚われず、こうしたオプションの多様性を意識して、「顧客を囲い込む」という目的のために最適の方策を探ること。これがまさに「知的財産を活かす」ことの本質と言えるでしょう。