能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
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諸行無常と響くなり

2013-09-26 17:28:46 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
能『三井寺』は、人商人に連れ去られた我が子・千満(せんみつ)を探すシテ(母)が大津の園城寺・三井寺で目出度く再会する話である。 三井寺の名鐘の音を聞いてシテ千満の母親は住僧を説き伏せ鐘を撞く。その場面を鐘之段と言い、シテも地謡も見せ場であり聞かせどころである。 シテの「かほどの聖人なりしかども、月には乱るる心あり、ましてや拙き狂女なれば」に続いて地謡は「許し給えや人々よ、煩悩の夢を醒ますや、法 . . . 本文を読む