ケイの読書日記

個人が書く書評

山田風太郎「戦中派復興日記(昭和26年~27年)

2009-03-10 13:44:29 | Weblog
 高木彬光は女の敵である。もちろん風太郎がそんなことを書いている訳ではない。私が勝手に憤慨しているだけ。

 彬光が親戚の女性といい仲になりながら、自分は既婚者なので責任は持てず、ささっと逃げ出して病院の中でほとぼりの醒めるのを待つという姑息な行動が風太郎の26年の日記の中に書かれてある。

 考えてみるに、この当時の若い女性は結婚の対象となるはずの30歳前後の男(おもに大正生まれ)が数多く戦死していて未婚者が多いのだ。
 かといって女性が正社員となって一生働く事が出来る職業も少なかった。

 だから高木彬光のようなブ男でもモテたんだ。一種の青髭状態。

 しっかし彼女のその後の人生を考えると気の毒。良家のお嬢さんだろうに。
 彬光はお金はたくさん持ってるはずだから、彼女にきちんと金銭的な償いをしたんだろう。


 それにしても、この当時の小説家や編集者は毎日飲み歩いていますなぁ。週に何回酔いつぶれ前後不覚になっているんだろう。これでよく小説が量産できるなぁ。感心してしまう。
 酒が強いのが男の美徳という時代だったんだね。


 そうそう、もう一つ驚くべきことが!!
 昭和26年8月9日の日記に「終戦後最高の暑さは昭和22年8月8日の36度」と書かれてあって、驚愕しました。
 36度ぽっちで最高気温とはシンジラレナイ!昔は涼しかったんだ。クーラーが無いからヒートアイランド現象が起こらないんだ。
 

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