ケイの読書日記

個人が書く書評

Keiの心の猫川柳

2013-11-29 16:07:29 | Weblog


極楽って
こういう事だね
みぃ太郎
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高田崇史「毒草師」

2013-11-28 13:58:06 | Weblog
 QEDシリーズで有名な高田崇史だが、私は読むの初めて。
 それにしても…探偵名が、御名形史紋(みなかた しもん)とは、すごいキラキラネーム。名前だけで主役って分かっちゃうね。これでワキ役だったら怒ります。
 役者さんがこんな芸名付けたら、かえって干されるかもね。チョイ役に、こんな芸名、使えないでしょ? という、どうでもいい事を考えながら、本作品を読む。

 帯に「事件の謎を解くカギは『伊勢物語』にあった」と書かれてあるけど、ないない。ただ、こういった古典に関するうんちくをイヤというほど書いてある。それはそれで興味のある人には面白いかも。
 だから、このうんちく部分を抜くと、たいした分量の本ではない。そういう所は、京極堂に似てるかな?


 東京の旧家で起きた、密室からの連続殺人事件と、謎の毒物による殺人事件。それに、近親相姦がからんで、複雑な様相をみせる。密室のトリックは…トリックといえるのかなぁ。
 題材は、横溝正史みたいだけど、淫靡さがまったく足りない。あまりにも明るくカラッとした近親相姦だけど、こんなのアリ?!
 横溝正史が書いたら、100倍もおどろおどろしく淫靡になると思うよ。

 毒草師が主人公だけあって、毒草の知識も豊富に書かれているが、筆者の高田崇史は薬科大学卒業なんだ。なるほど。
 人気があるんだろう、続編も出ているようだ。これも読んでみたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

村上沙耶香「しろいろの街の、その骨の、体温の」

2013-11-23 10:22:28 | Weblog
 スクールカーストって言葉、知ってます? 私は少し前に知ったんだけど、あまりにも物事の本質をズバッと言い当てているので、本当に驚いた。

 この「しろいろの街の…」という小説の中には、一度もスクールカーストという単語は出てこない。でも、スクールカーストのあまりにも生々しい実態が描かれていて、読んでいて気分が悪くなるほど。
 よほど鈍感な人でもない限り、多くの人に思い当たる事があるんじゃないだろうか?

 そのスクールカースト以外にも、女の子が男の子に性的虐待をする場面が数回でてくる。まあ、小学校の頃など、男の子より女の子の方が身体も大きいし早熟で、性的興味を多く持っているだろうから、不思議はないけど。
 筆者は、それを大きな比重で書いているが、私はこの部分にはさほど興味をひかれなかった。それほど、このスクールカーストの描写はすざましい。


 小学校4年生の時「クラスが離れても親友だよ」と、おそろいのブレスレットをつけた女の子3人が、中学校に入ると立場が激変。それぞれ5つのグループの最上位と最下位、下から2番目のグループに組み込まれる。
 最上位と下から2番目のグループにいる女の子たちは、最下位Gにいる女の子と、昔、友達だった事を知られまいと必死。人のいる所では完全無視。
 しかし、無視する側にいる女の子たちも安泰ではない。クラス一番の権力を持つ女の子ににらまれ、クラス中から無視されるようになる。

 「道徳の教科書に何度書かれても、私たちは教室を支配する大きな力に逆らえない」下から2番目のGにいる女の子の言葉。

 そうだよね。よく分かる。人間はもともと不完全なもの。その人間が40人近く集まって、調和のとれたクラスが出来る訳がない。できたと思えるのは錯覚。尾木ママだって分かってるよ。

 ただ、学校内でのカーストが、実世界でのカーストに、そのまま横滑りするわけじゃない。特に男の子はガラッと変わる。地味な男の子が、社会人になりすごく立派になって驚くことがよくある。
 その逆に、クラス内で女王様のように振る舞っていた女の子が、すごく地味でくすんだ存在になっていて驚くこともある。

 小説内の最下位Gの信子ちゃんという女の子、髪がぼさぼさで顔が脂ぎってふとっており、空気が読めないとこなんか、私、自分の事を思い出しちゃうなぁ。私、本当にニキビだらけだったからなぁ。

 じゃあ、かわい子ちゃんだったら、中学時代に戻りたい? 自分で自分に問う。イヤだね。無理。本当にきつかった。
 中学が嫌いというより、あの時の自分が嫌いです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三津田信三「凶鳥の如き忌むもの(まがどりのごときいむもの)」

2013-11-18 10:12:07 | Weblog
 この刀城言耶シリーズは、けっこう気に入っていて、数冊読んでいる。みな、高水準の作品。

 戦後まもない頃、怪異譚を求め日本中を訪ねる小説家・刀城言耶は、瀬戸内海にある鳥杯島の神事を取材しに行く。
 島の断崖絶壁に造られた拝殿で、行われる神事。かなり荒々しいものらしい。
 実は、18年前、同じ神事を行っていた前の巫女と6人もの人間が、この絶海の孤島から、跡形もなく消失してしまったという事件があったのだ。いまだに、誰も見つかっていない。死体すらも。
 そして今回も、刀城言耶たちが見守る中、密室状態であった拝殿から巫女が消える!

 うーん、確かに、人間を消失させようと思うと、こういった手段があったのか。ずいぶん気色悪いけど、チベット仏教というヒントがあったのに、なぜ気が付かなかったんだろう。メイントリックは、優れていると思う。

 ただ、この作者の作風なのか、トリックや犯人の仮説をどんどん立てて、さあ、この方向で一気に解決だ!なんて読者に思わせておいて、すぐその仮説をポイっと捨てる所があり、読む方としては、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
 無理と思ったら、そんな仮説なんか立てるなよ!


 戦後まもなく、瀬戸内海、孤島、怪奇、民俗…とくれば、いやでも横溝正史を思い出してしまう。特に獄門島など。
 でも、私、瀬戸内の島々って、通過したことはあるけど、逗留したことはないなぁ。一度行ってみたい。
 そういえば、横溝正史資料館って、この辺にあるんだよね。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岸本葉子「五十になるって、あんがい、ふつう」

2013-11-11 15:22:31 | Weblog
 岸本さんの50歳の誕生日をはさんだ3年間を綴ったエッセイ。彼女の麗しい写真が多用されていて、岸本葉子写真集みたいな出来上がり。

 そうですとも、「50になるって、あんがい普通」なのです。何の試験もいりません。時間がたてば、なれます。というか、なります。なるのがイヤでも。

 ただ、岸本さんは子どもがいない分、自分の年齢と真摯に向き合っていると思うなぁ。50代は、今まで生きてきた時間より、これからの方が短いっていう事を、意識せざるを得なくなる。
 子どもがいる母親というのは、子どもの年齢は、さっと言えるけど、自分が何歳かは、忘れてしまっている人が多い。


 岸本さんのエッセイを読んでいても感じるけど、50歳過ぎたころから、ぼんやりと、世の中に貢献したい、人の役に立ちたいと、思うようになった。
 例えば、お医者さんとか看護士さん、介護士さん、弁護士さん、といった人の役に立ってハードな仕事をやって来た人は、50歳過ぎるころから、のんびりしたいと思うかもしれない。
 でも、私はもともとハードな仕事をやってる訳じゃないので、こんなぼーっとして歳をとっていいのかしらん?という後ろめたさはある。

 「だったらアンタ、被災地にボランティアに行けよ」と言われそうだが、泊まりで外出するというのが、難しいのだ。

 で、私、献血します。というか、献血してきました。私の年齢では、健康なら半年に1回、献血できるようだ。若い頃は献血していたけど、ここ10年ほど、前検査で、血液の比重が軽いので献血できないと言われた。最近、健康が回復してきて、また献血できるようになって嬉しい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする